第890話 エメラルドの邂逅13
*
クレハの家に戻ると、お婆ちゃんの他に二人の人の姿があった。
「あ、お父さん、お母さん、ただいま。おはあちゃんも!」
「「「おかえり、クレハ」」」
この二人はどうやらクレハの両親らしい。
白髪が混ざった50後半から60代の優しげな細身の男性がクレハのお父さんだ。
クレハのお母さんはと言うとまだ30代後半ぐらいだ。長い黒い髪に色白な肌とクレハと何処と無く似ている雰囲気の優しそうな人だ。
「あら、そちらの子は」
「は、はじめまして。エメレア・エルラルドと言います。お邪魔してます」
ペコリと私はお辞儀をする。
「ああ、やっぱりキミがエメレアちゃんか。私はグレン・アートハイム。そしてこっちが妻の」
「オトハ・アートハイムよ。よろしくね。エメレアちゃん。ゆっくりしていってね!」
オトハさんが私の頭を撫でる。
「もうすぐごはん出きるよ。エメレアもたくさん食べてきなさいね」
「何食もすいません……」
「子供が遠慮することないさね」
その日の夕食は、空豚のベーコンとしっとりほうれんそうの香草焼き、紅トマトとシャキシャキレタスのサラダ、野菜の塩スープ、虹豚の生姜焼きと大変豪勢なものだった。
キラキラ。キラキラ。と、私の目はまたそんな風に輝いていただろう。
いただきますをし夕食を口に運ぶと頬っぺたが落ちた。
「え、グレンさんて考古学者なんですか?」
「そうだよ。土の中から歴史を学ぶ。そんなロマンが私は好きなんだ」
「凄いですね」
「お父さんは〝土ソムリエ〟の資格持ってるもんね」
「つ、土ソムリエ……?」
土ソムリエってなんだろう?
「まあ、優秀ってことよ。私は夫の助手をやってるの」
香草焼きを食べながら話すオトハさん。
「色んな仕事があるんですね」
「あ、お父さん、お母さん。エメレアちゃんね。明日から、私と同じパン屋さんで働くことになったんだ」
嬉々としてクレハが言う。
「それはめでたい。明日はお祝いをしなきゃな」
「エメレアちゃん偉いね。おばさん感動しちゃったわ」
「よかったね。エメレア。あの店は私の友人の店だから安心して任せられるよ」
食事を終えると私は凄くお礼を言い、ギルドへ戻ろうとする。
そんな私にグレンさんが声をかけた。
「エメレアちゃん、行く宛はあるのかい?」
「あ、はい。ギルドならま24時間開いてるのでそこのカウンター席に泊まります」
「それは行く宛とは言わないよ」
そしてグレンさんは立ち上がり目の前に来て、私の目線に合わせるようにしながら真剣な口調で話しはじめた。
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