第888話 エメラルドの邂逅11
*
エルクステンの街をクレハと手を繋いで歩く。
一人では恐る恐る歩いていた道が、クレハが一緒だと街はまるで別世界だ。
「あ、エメレアちゃん見て、お花屋さんだよ」
「ホントだ。綺麗ね。クレハに似合いそうだよ」
「えへへ♪ そうかな」
その後もウィンドーショッピングを楽しんだ。
武器屋、街中の小さな公園、硝子屋さん、後何故か〝死にかけのピエロ〟という謎の絵を売ってる店もあった。買う人いるのかな? 金貨一枚もするし、正直タダでも要らない。
「あ、エメレアちゃん。クレープ食べない?」
「食べたいけど。お金無いから」
「私が奢るよ!」
「そんな悪いわ。お昼もご馳走になったのに」
「私ね、週3でパン屋さんで働いてるんだ。だから少しはお金あるから遠慮しないで」
「クレハ働いてるの? 勉強もしてるのに」
「うん。あ、エメレアちゃんもパン屋さんで働く? 人手不足なんだって。紹介するよ?」
「!! 働きたい! いいの?」
私なんかを雇ってくれるかは分からないが、クレハの紹介があるなら希望があるかもしれない。
「わ、乗り気だね! クレープ食べたら早速聞きに行ってみる?」
コクコク。コクコク。コクコク。コクコク。
私は何度も必死に頷いた。
「チョコバナナクレープください。エメレアちゃんは何にする」
「じゃあ、一番安いのを」
「遠慮しなくていいってば。ここのイチゴクレープ美味しいんだよ。それにしちゃうね」
クレハは注文を済ませ、銀貨一枚を払う。
クレープ銅貨5枚もするんだ……
あ、でもシュナさんはもう少し高いの買ってたっけな。うーん、相場が分からない……
「お待たせ、お嬢ちゃんたち可愛いからホイップ増しにしといたよ!」
体格のいいクレープ屋さんのおばちゃんか私たちにクレープを渡す。
「うわぁ! ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
近くのベンチに座りクレープを食べる。
「クレハ、ありがとう。いただきます」
「どういたしまして。さ、食べよ!」
うん! と、頷きクレープを食べる。
「美味しいっ! エメレアちゃんはどう?」
「スッゴく美味しい!」
甘くて凄く美味しい。
生クリームが絶品だ。
「エメレアちゃん一口頂戴♪」
「あ、うん。はい!」
隣に座るクレハに一口クレープをあげる。とはいってもクレハが買ったんだから私に拒否権はない。
「じゃあ今度は私が一口。チョコバナナ美味しいよ♪」
クレハが私の目の前に自身のクレープを差し出して来る。
「あ、ありがとう。じゃあお言葉に甘えて」
クレハのチョコバナナクレープを一口貰う。
「美味しい!」
「えへへ♪ お友達と交換こだね!」
そんなひと時がとても嬉しかった。
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