第887話 エメラルドの邂逅10
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美味し過ぎて、あっと言う間に買って貰ったグレープフルーツジュースを飲み干してしまった。
だが、そのタイミングでお婆ちゃんが「お昼できたよ。さあ、食べよう」と、テーブルに海苔の巻かれたおむすび二つ、マヨネーズのかかったキャベツの敷かれた大鶏の唐揚げ二つ、一杯のワカメの塩スープを三人分運んできた。
キラキラ、キラキラ。
この時、私の目はそんな目をしていただろう。
それぐらい私にとってはご馳走だ。
「お婆ちゃんの作る唐揚げは絶品なんだ。エメレアちゃん、食べよ!」
「本当にご馳走してもらっちゃっていいの?」
これでやっぱダメとか言われたらへこむ自信があるが、それでも聞かずには要られなかった。
「もちろん! ね、お婆ちゃん!」
「いっぱい食べなさい。エメレア、遠慮は要らないよ」
「ありがとうございます。いただきます」
「エメレア、私にも敬語は要らないよ」
「え、でも……」
「いいんだよ。いいんだよ。エメレア」
「うん。ありがとう。お婆ちゃん」
クレハとお婆ちゃんもいただきますをし、私たちは昼食を取る。
「!!」
冷めないうちにとメインディッシュの大きな唐揚げから口に運ぶと、幸せな味がした。
まあ簡単に言うともの凄く美味しい。
ちょっとお行儀が悪いくらい私は夢中で食事を食べた。
おむすび(具はおかか)をパクりと口に運びわかめスープをズズズと飲み、大鶏の唐揚げを食べる。
それを二、三度繰り返すと料理はあっと言う間に食べ終わってしまった。
「どうだい? エメレア、美味しかったかい?」
「うん! 凄く美味しかった。ご馳走さまです」
私は手を合わせながら食事を終える。
頬っぺたが落ちるとはこのことだろう。
兄さんにも食べさせたかったな。
家に愛着はあったが〝シルフディート〟何て早く出て兄さんともっと早く〝大都市エルクステン〟に来ればよかった。
そしたら兄さんもあんな死に方なんてしなかっただろう。
働き者の兄さんだ。仕事も直ぐに見つかっただろう。
「ご馳走さまでした!」
「はい。お粗末様。私もご馳走さま」
クレハとお婆ちゃんもご馳走さまをした。
その後、食べ終えた食器を洗い、片付けるとクレハが楽しげに口を開いた。
「エメレアちゃん、街見に行こ。案内するよ! いろんなお店があるんだ!」
「うん、行きたい!」
支度をし、お婆ちゃんに「走らず、気を付けて行って来なさい」と、見送られ街に繰り出す。
私の手を引いてくれたクレハの小さな手がとても優しくあたたかったのを今でも覚えている。
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