第886話 エメラルドの邂逅9
「はい、エメレアちゃん♪」
「あ、ありがとうございます」
クレハから私はグレープフルーツジュースを受け取り、お礼を言う。
ギルドを後にし、クレハの家に戻ると、凄く美味しそうな香りがした。
「おかえり。ちゃんと買えたかい?」
「うん、ただいま。ありがとう、お婆ちゃん」
「ただいま帰りました。私の分まですいません」
「子供が遠慮することは無いよ。エメレアもちゃんとお礼が言えて偉いねぇ」
唐揚げの油を熱しながら優しく笑うお婆ちゃん。
「お婆ちゃん、なにか手伝うよ」
「あ、私も手伝います」
「そうかい? なら、クレハはキャベツを千切りにしてくれるかい? エメレアは戸棚から唐揚げ用の少し大きめなお皿とおむすび用の小さめのお皿を三枚ずつ出してくれるかい?」
「うん、分かった」
「はい、分かりました」
言われた通り私は戸棚から、三枚二種の皿を割らないようにゆっくりと丁寧に出す。
「お待たせしました」
「ありがとう。エメレア」
撫で撫でとお婆ちゃんは私の頭を撫でる。
それが、そんなことが震えるほど嬉しかった。
お婆ちゃんは後は任せて二人でジュースでも飲んでなさいと言いながら、唐揚げの準備をした。
お言葉に甘えクレハと二人、テーブルの椅子に並んで座り、ジュースを飲む。
「いただきます」
「うん、いただきます。エメレアちゃん乾杯しよ!」
「あ、はい。乾杯です」
「乾杯♪」
ストローを使いグレープフルーツジュースを私は味わいながら、胃に流し込む。
「甘酸っぱくて美味しい!」
「そうだね! それにエメレアちゃん、やっと笑ってくれた♪」
クレハは笑った。かわいい笑顔でりんごジュースを飲みながら。
「え、あ、確かに……」
おむすびも美味しかったけど、私は泣いてしまっていた。兄さんが亡くなってから笑えたのなんて、シュナさんとクレープを食べた以来かもしれない。
「すいません。私泣き虫で……」
「謝ることなんて無いよ。私も泣き虫だし。後、エメレアちゃん、私に敬語は要らないよ。もうお友達何だし!」
「え、あ、はい。あ……また私敬語が……よ、よし、う、うん。ありがとう。クレハ」
「どういたしまして! えへへ、お友達♪」
笑うクレハ。優しくてあったかい素敵な人だな。と、私は思った。
そんな素敵な人と私がお友達になれる何て夢にも思わなかった。
兄さん、私ね。まだよくは分からないけどお友達ができたよ。
優しくて、一緒にいると楽しい私のはじめてのお友達。兄さんにも紹介したかったな。
そんなことを考えるとまた涙が出そうだったけど何とか堪えた。
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