第885話 エメラルドの邂逅8
*
「エメレアちゃん、ごはん食べよ♪」
クレハが街を見に行こうと言うとお婆ちゃんが「お昼食べてからにしなさい」と、言った。
「私はいいです。お金ありませんから」
何度も言うが、兄さんから貰ったお金を私は使いたくなかった。
兄さんからの最後の贈り物だ。
「お金なんて要らないよ! 一緒に食べよ!」
優しい笑顔のクレハ。
「で、でも、そんな悪いです……」
「あのね。私、エメレアちゃんとお友達になりたいの」
クレハが勇気を決した様子で私に言う。
「え?」
「エメレアちゃん私とお友達になってください」
「え? え? え!? クレハ、私なんかとお友達になりたいんですか?」
「エメレアちゃんはなんかじゃないよ! 私分かるもん、エメレアちゃんスッゴく優しいもん!」
真っ直ぐな目と声でクレハが伝える。
「わ、わた、私もクレハと友達になりたいです!」
心が踊った。私のはじめての友達。
こんなに嬉しいことは無い。
「やった! じゃあ今から私たちはお友達ね!」
私に抱きつきながらきゃっきゃするクレハ。
「クレハ、上手くいったかい?」
「うん! お友達になれたよ!」
お婆ちゃんが優しい顔でクレハに言った。
「じゃあ、お祝いだね。クレハの好きな唐揚げでも作るとするかい。エメレア、食べられない物はあるかい?」
「あ、いえ。食べ物に好き嫌いは無いです。強いて言うなら虫は苦手です」
流石の私も昆虫食は苦手だ。
「じゃあ、からあげとおむすびにわかめスープでいいかね? クレハ、これでエメレアとジュースでも買ってきなさい」
そういいながら、お婆ちゃんはクレハに銀貨を一枚渡した。
「ありがとう。お婆ちゃん。エメレアちゃん行こ!」
「え、あ、はい」
クレハに手を握られ引かれるまま私は家の外に出る。
*
やってきたのはギルドだ。クレハの話だとギルド食堂でジュースが買えるらしい。
「エメレアちゃん、なに飲む?」
「あ、私、お金無いんで。水でいいです」
「お婆ちゃんが銀貨一枚くれたんだ。エメレアちゃんの分は私が出すよ!」
遠慮しないで! と、言うクレハ。
ジュースなんて高級品最後に飲んだのは私の誕生日以来だ。兄さんが買ってくれた。
その時に飲んだのはグレープフルーツジュースだった。甘酸っぱくてとても美味しかった。
「あの、じゃあ、グレープフルーツジュースをお願いします」
「うん! 私はりんごジュースにしようかな。お婆ちゃんはグレープジュースかな」
クレハは注文を済ませ、銀貨を一枚渡し、お釣りの銅貨七枚を受け取っている、
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