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第881話 エメラルドの邂逅4



 朝ごはんの変わりにギルドで無料のお水を飲んだあと、私は外に出る。


 働かなくちゃな……


 でも、魔力もレベルも低い私は冒険者に向いてないだろうし、ここには畑もない。


 どうしよう……


 そんなことを考えながらトボトボと歩いていると、何とも食欲を刺激する、料理のいい香りが鼻腔をくすぐる。


 〝料理屋・ハラゴシラエ〟の香りを堪能しながら私はまたトボトボと歩きだす。


 人混みの中を歩いてると、露店の連なる道に出る。

 う、美味しそう……

 大鶏の唐揚げにネギマに海苔の巻かれたおむすび。そんなご馳走が私の視界と鼻を刺激する。


 私と同じくらいの子が、母親に唐揚げを買って貰い、嬉しそうに口に運ぶ。

 優しそうな人だな。

 〝シルフディート〟ではあまり見ない光景だ。


 そんな光景を見ていると兄さんの姿が頭によぎって、涙が出てきてしまう。


「……ギルドに戻ろう……」


 *


 ギルドに戻ると、私の座っていた椅子に誰かが座っていた。結構気に入ってたのに……


 ダメもとでギルドの受付の人に「私でも働ける仕事は無いですか……?」と、聞くと「ちょっと難しいですね」と、困った様子で言われた。


 その日の夜も私はギルドの端の椅子で過ごす。

 やっと、端の席が空いた。毛布も借りた。暖かい。


 お休みなさい。


 *


 寝ぼけ眼で朝起きると不思議なことがあった。

 私の座っている端のカウンターの椅子のテーブルに、見知らぬ小さな包みが置いてあった。

 はて? 何だろう? これは?

 それともう一つ、これは手紙?


 〝エメレアちゃんへ──〟


 たったそれだけの文字が書かれていた。 

 差出人の名前は無い。


 恐る恐ると包みを開けると、あったのは、二つのおむすびだ。


「!」


 私は心が踊った。いいんだよね?

 これ、私が食べても?


 キョロキョロと辺りを警戒し見渡しながら私はおむすびを口に運ぶ。


 ……美味しい……


 もぐもぐと私は夢中でおむすびに食らい付く。

 言っちゃ悪いが、決して上手とは言えない不格好なエセ三角の形状のおむすびだったけど、私には涙が出るぐらい美味しかった。


 具は鮭とおかかだ。

 私は噛み締める。

 私には分かる。

 このおむすびは愛情が詰まってる。


 ご馳走さまと私は手を合わす。兄さんが昔作ってくれたおむすびの味と似ていた。

 それでまた泣いちゃったけど私はこのおむすびをくれた人に感謝をする。


 *


 ──ギルド。出入口付近。


 そこには誰にも気づかれないように、ひっそりと、ぴょこっと顔を出し、おむすぴを頬張る少女を見て、嬉しそうに笑う、一人の黒髪の少女がいた。


 黒髪の少女はエメレアがおむすびを完食したのを見届けると「♪」と、笑いながらその場を離れた。



 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!

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