第880話 エメラルドの邂逅3
*
泣きながら大通りを歩いたあと、私はギルドへ向かった。24時間、開いているギルドを当面は拠点としようと考えたからだ。
と、言っても、ギルドの角のカウンターの椅子に座って朝を待ち、仮眠を取るだけなのもだけど。
それでも屋根も壁もあり、雨風を防げるのはありがたい。
無料でお水も飲み放題だ。
治安は気になったけど、幸いこのギルドは治安がイイ。
少なくともお金を取られたり、さらわれたりする心配は無さそうだ。
酔っぱらいもいたが、ギルドの騎士の人たちが、何かことが起きる前に「飲みすぎですよ」と、注意を促していた。
「お腹空いたな……」
矛盾しているが、お腹は空いているのに、食欲はない。
それに今何を食べても、美味しさ何て感じないだろう。
もう寝てしまおう。ここならまた雨で目を覚まされる心配も無い。
そうして私はそっと目を閉じる。
*
「……ん……朝……?」
いや、違う。まだ夜だ。
夜中の丑三つ時。こんな時間に目を覚ましてしまった。
……あれ? 毛布?
いつの間にか私の背中にに薄手の毛布が掛けられている。誰が掛けてくれたんだろう?
キョロキョロと私は辺りを見渡すが、その主は分からない。
でも一つ分かった。これはギルドに置いてあったらしい。誰でも自由に使っていい毛布みたいだ。ちょっと離れた所の隅にある、箱にクルクル丸められていくつも入っている。
ギルドで夜をあかす人は珍しくないみたいだ。
私の他にもポツポツと毛布にくるまり、寝てる人がいる。
皆、床に寝そべり、ガッツリ寝てるけど。
……でも、やっぱり、ありがたいな。
もぞもぞと私は毛布にくるまる。
夜は冷える。毛布があるのと無いのじゃ雲泥の差だ。
……ちょっと目が覚めてしまった。
真夜中だと言うのに、ギルドは昼間のように明るい。人もちらほらいる。
これから仕事に行こうとする人たち。
仕事から帰ってくる人たち。
今まだ仕事中の辺りを警備する騎士の人たち。
中には、お酒を飲んで、千鳥足の冒険者もいた。
そんな中に私は一人、ギルドの角の椅子に座っている。不思議な気分だ。
その後、私はお水を飲み、また寝る。
お水を飲んだら、空腹感が少し和らいだ。毛布もある。今度こそ夢で兄さんに逢えますように。
*
パチリ、と、私は目を覚ます。
朝……?
いや、しまった! もう昼だ。
すっかり寝過ごしてしまった。
恐るべし、毛布……
毛布をくるくるし、使用済みの箱に使った毛布を片付ける。
新しい今日が来た。
兄さんに助けて貰った命、大切にしなきゃ。
★★★★★★作者からのお願い★★★★★★
作品を読んで下さり本当にありがとうございます!
・面白い
・続きが気になる
・異世界が好きだ
などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!
(また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)
★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!
長々と失礼しました!
何卒よろしくお願いします!




