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第879話 エメラルドの邂逅2



 ──!?


 私は傘を差し出しながら私を心配する私と変わらない歳の6、7歳の少女に驚く。


「大変! 雨でビショビショだよ。あなたお家は?」


 !!


 家ならついこないだ壊されたばかりだ。

 私は反射的に少女をキッと睨む。


 ──何も知らないくせに。

 簡単にお家だなんて言わないで!


「あ、ごめんね。嫌なこと聞いちゃったかな。私はクレハ──クレハ・アートハイムって言うの。あなたのお名前は?」

「……」


 無言でクレハを更に睨み返す私。

 今思えば我ながら愚かなことだったと思う。


「あ、えーっと……そうだ! 飴あげる。美味しいよ!」


 スッと私の前に飴が差し出される。


 ほ、欲しい……


 空腹の私は飴一つでこうも興味を引かれるかと言うほど、飴に釘付けになっていた。

 だが、騙されるな私! どうせ、飴で釣って、後でお金とか取られるんだ! 油断するな!

 シュナさんたちが本当に稀にいるイイ人だっただけで、世界には悪人ばかりなんだ!

 きっとこの人も私を騙すつもりだ!


 すると、一瞬の時、私の頭は何かを思い付く。


 閃いたとばかりに私は頭によぎった考えを、実行に移す。

 次の瞬間、バッと、少女の手から、飴を引ったくり私は走り出した。


「あ、待って! お名前!」


 ……!? 食料()を取られて逃げたのに言いたいことは、名前を聞く(そんなこと)かと私は驚く。


「……メア」

「え?」

「……エメレア・エルラルド」


 取り返される前にとばかりに、手に飴を握り締めながら私はクレハと名乗った少女に、名を告げ今度こそ走り去る。


「待って、エメレアちゃん! そのまんまだと、風邪引いちゃうよ」


 そんな優しい言葉にこの頃の私は気づく余裕も無かった。

 あんなにクレハは優しくしてくれたのに。


 飴玉を盗み(引ったくり)走った私はクレハが追ってこないのを確認した後に飴玉を口に運ぶ。


(ははは……食料を手に入れた! 私だってやれば出来るんだ! きっと、それはそれは甘くて甘くて美味な筈だ……ハハハ──……ハハハ……!?)


「……お……美味しくない……」


 ……何で? 甘いものなのに……


 ……


 ……ああ……そっか……悪いことをして……手に入れた食べ物なんて……全然美味しくないんだ……


 ……汗水垂らして働いて、大切な人と一緒に食べるから、食べ物は美味しいんだ……


 ……ごめんなさい……兄さん……私、大変なことしちゃった……盗みなんてバカな真似……


 ……ションぼりと私は飴を食べる。


(……兄さん……リョク兄さん……会いたいよ……)


 自分への情けなさと、さっき犯してしまった罪への罪悪感で涙がまた出てきた。

 最近は泣いてばかりだ。

 私ってこんなに泣き虫だったんだな。



 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!

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