第871話 魔王戦争ラフィメストス編 後処理5
ペコリと頭を垂れながら、黒芒にこの村のギルドマスターはワインの酒樽を渡す。
「うむ、いただこうかの」
「本当にありがとうございました。何とお礼を言っていいか」
「礼はこの酒で十分じゃ。のう、主様はよ飲もうぞ!」
「あ、おい、黒芒、あまり引っ張るな!」
ったく、本当に酒好きだよな。
つーか、胸が腕に当たってる!
こういうところ無防備だよな。
素数だ! 素数を数えるんだ! 無心になれ!
1! あ、1は素数じゃない!
「何をしておるのじゃ? 主様、乾杯!」
ホント完敗だよ。黒芒の柔かな胸には。
柔らかいって、暴力だよな。気を付けよ……
「てか、この木樽のコップはどこからだした? はいよ。乾杯」
「シラセの小娘にもらったのじゃ」
酒樽から雑に酌まれた酒を美しいまでに綺麗に飲む黒芒。酒樽から木樽に直接酌む式なのね。
*
生き残りの兵士たちは炊き出しの食事を摂ると宙船に乗り〝アルカディア〟へと帰って行った。
「チャッチャラー、レモン。何だお前たちも帰っちまうのか?」
「ウス、まだ〝エルクステン〟で用事があるんで。ユキマっさん、会えて本当に嬉しかったっスよ。あ、後、ツヅリちゃんの事は俺から上に話しとくっスよ」
そう言いながらチャッチャラーはツヅリに近々連絡するっスね。と、通信石を渡している。
「私も会えて嬉しかったです。ユキマサさん、次に会う時は世界が良くか悪くか少し動いた頃でしょうね」
「良い方向であることを祈るぜ」
話しも程程に二人も自分達の宙船に乗り、本当に惜しそうに去って行った。
ブンブンと手を振るチャラ男らしからぬチャッチャラーに、俺とクレハと桜も手を振り返す。
「何だ、マキシ。お前は帰らないのか?」
「天使な私を置いてきぼりみたいに言うな。私はシラセの家に今夜は泊まる。煤びた戦場で、天使な私の身体も砂まみれだし、疲れたしな」
「お、何だ。身体の汚れに気にしているのか? まあ女だしな。そうだマキシ、家で風呂入ってけよ。檜風呂の浴槽があるんだ。気持ちいいぞ!」
「家? 檜風呂の浴槽? キミは何を言ってるんだ?」
「話すと長いんだがな。まあ、論より証拠だ。クレハ、シラセの家の隣に〝アイテムストレージ〟出すから、マキシを風呂に案内してやってくれ」
「あ、うん! 分かった。任せておいて!」
*
と、言うワケで場所移動。
俺たちは皆でシラセの家の隣に来ていた。
〝アイテムストレージ〟から家を出すとマキシが感心したように呟く。
「ほう〝アイテムストレージ〟に家を仕舞ってる人類には始めて会うな」
「誉めてんのか? それ」
「それは勿論だ。で、お邪魔していいのだな?」
「ああ、入ってくれ」
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