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魔力ゼロの無敗者  作者: マンタS
第1章 迷宮と謎の少女
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魔力破壊

 貫通されたブラックバイソンの角には皹が入り、切断。切断された角を腹に抱えながら空中に投げ出されたコウヤは、数度空中で回転し着地。



 腹に刺さった角を左手で強引に引き抜き、ブラックバイソンに投げつける。



 それを残ったもう片方のツノで弾くブラックバイソン。その間、僅か数秒で後方へ150メートル以上移動するコウヤ。その身体からは夥しい量の血が流れ、赤黒いオーラの量は更に増してゆく。



 ブラックバイソンはそれを不安視していた。目の前の男は腹を貫かれ、多量の出血を起こしている。本来ならば、いや、普通の人間であれば確実に死んでいる。



 そして直感的に、本能的にコウヤを『異常』と認識した。



 その上で、ブラックバイソンは自身が持つ最速最高範囲魔法、【(ライトニング)爆散(エクスプロージョン)】を放つ。これは、先程発動した魔法とはレベルが違う。



 概要はほぼ同じだが、その量とその速さは比べ物にならない。一度発動しただけで、小国であれば唯の瓦礫の山に変わる。



 そう、そのスピードは決して人間が反応出来る様なものではない。



 だが、コウヤはその全てを避けながらブラックバイソンに近づく。そしてコウヤはブラックバイソンの上に飛び上がり、『魔滅』を構える。



 だが、ブラックバイソンもその動きに対応出来ている。自分の上にいるコウヤに向かって尻尾を振りあげる。



 だが、コウヤは攻撃してきた尻尾の下側に『魔滅』の峰を当て、自分の身体を弾き、ブラックバイソンに急接近する。



 ブラックバイソンはこのスピードに対応する事が出来ず、上に押し上げられていた(コア)を『魔滅』に貫かれた。



 (コア)を破壊されたブラックバイソンは絶命し、その場に崩れる。



 その衝撃によって元々皹が入っていた迷宮(ダンジョン)の地面は崩れ、ブラックバイソン共々、コウヤは迷宮(ダンジョン)()()()に落ちていった。



 ――――――――――――――――――――




 目が開いた。大の字になって寝ていた。全身血だらけだが、()()()()()()()()()()()()



 上体を起こし、頭を動かす。



「…状況は一切分からないが、生き残れたらしいな。傷も全部塞がってる…」



 これ程の状況を理解するのは流石のコウヤでも直ぐには不可能だ。だが、理解は出来なくても、理解する為の行動をとったのは数秒後だった。



「まずは、ここはどこか…迷宮(ダンジョン)の下にあって、此処からブラックバイソンが這い上がって来たって事ぐらいしか分からないな」



 正直此処が何処かなんてどうでも良い。ブラックバイソンが此処から迷宮(ダンジョン)に這い上がる事が出来たのなら、俺にも出来るだろう。



 それよりも今理解しなければならないのはあの、()()()()()()だ。



 ブラックバイソンに腹を貫かれたからの()()はあまりない。だが、ブラックバイソンの(コア)を破壊したのと、あの時の『力』の事は覚えている。今俺が優先して理解しなければならないのは、あの『力』だ。



 まずはあの『力』を使えるのかを確かめる。



 取り敢えずあの時の感覚を思い出しながら、使おうとしてみる。すると、



「使えた…ここまで簡単に…」



 コウヤの身体にはあの時と同じ様に赤黒いオーラが流れ出ていた。その発動の容易さに驚くが、それは頭から除外する。



 そして直ぐに分析を始める。



「第一に、これは魔力ではない。何故なら俺に魔力は無く、身体から魔力が溢れ出るのを視認するには魔力状態(マジックモード)になるしか無い。だが、そんな技術を俺は習得していない。やり方も知らない。

 第二に、これは魔力を無効化する。何故なら、いくら『魔滅』が優れた刀であっても、ただでさえ硬いツノを魔力状態(マジックモード)を発動した状態で雷属性魔法と固有魔法【超硬化】を纏わせている。そう簡単に貫けやしない。

 第三に、身体能力を底上げする。何故なら、驚くほどに体力の消耗が少ない」



 数秒で理解出来る範囲の理解をした。次すべきなのは実験だ。それをする事により格段にこの『力』の理解が出来る。それに、あの時の戦闘で使わなかった能力があるかもしれない。



 だから、実験相手が欲しい。最低でもSS級(ダブルSクラス)の実力を持つ魔獣が。



「まぁ、そんな上手く出てくるとは思えないが…」



 だが、見事にコウヤの予想は打ち砕かれた。現れたのはSS級(ダブルSクラス)、シルバーウルフ。伝説認定されかかる程の強さを持ち、【波動】の固有魔法を持つ。自分の魔法属性のビームを放つという固有魔法だ。



 能力は単純だが、威力も速さもかなりのものだ。金の人間ランクを持つ冒険者がギリギリ倒せるかどうかという強さだ。



「…実験といこう」



 すると、コウヤは拳銃を取り出す。そして、赤黒いオーラを銃弾の形に()()()



 ブラックバイソンとの戦闘中に使用した、『魔滅』に赤黒いオーラを纏わせる技術。それが出来るならオーラを物質状に変化させ、形を象るぐらいは出来ると思っていた。



 そして出来た。成功した事に喜びながら、作った銃弾を拳銃に装填する。



 そうしている間に、シルバーウルフはコウヤを発見。と、ほぼ同時に【波動】を発動してきた。



 氷のビームがコウヤに迫る。が、コウヤは一歩も動かず、ただビームの中心とシルバーウルフの(コア)を狙って発砲。



 発砲された銃弾は氷のビームを貫通し、シルバーウルフの(コア)をも破壊した。



「やはり無効化。いや…破壊か」



 貫通されたビームは粒子状になり、飛散した。それは、確かに魔力を無効化したのではなく、()()した様に見えた。



「魔力を破壊する力…か。名付けるなら、そう…『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』」

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