↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力ゼロの無敗者  作者: マンタS
第1章 迷宮と謎の少女
9/298

自動再生

 コウヤはとても驚いていたし、喜んでもいた。たった一発の銃弾で、固有魔法を破壊しながら突き進み、SS級(ダブルSクラス)のシルバーウルフの(コア)を貫通し、絶命させた。予想以上の結果だった。



 たった一発撃っただけでこの威力だ。しかも魔法を破壊しながら。



 魔法が全てのこの次元では、この『力』を持つ者は他者より上位な存在となるだろう。そしてそんな『力』を持ってしまうのは大抵悪役と決まっている。



 だが、そんなのはどうでも良い。つまり俺は、『神のゲーム』優勝の可能性が跳ね上がった、という事だ。それだけで十分だ。



 だが、それにもこの『力』を理解しなければ始まらない。今のところ、この『力』の使用用途は物質上にして形を象ったり、武器に纏わせたり。



 だが、もう少し実験する必要がある。さっきの様な感じではなく、質より量があればいいが。



「…!」



 すると現れたのは、SS級(ダブルSクラス)のブロンズライオンの群れだ。50体以上いる。流石に魔獣が出過ぎだと思ったが、



「…運が良いな」



 深くは考えない事にした。



 ブロンズライオンはシルバーウルフ程実力はないが、その数ゆえシルバーウルフより危険だと認識されている。つまり今は、適度な実力と適度な数があるという、実験するには最高な状況なのだ。



 まずは発動可能範囲を調べる。



「半径100メートルってところか…」



 直感的に感じたその予想に従い、100メートル先で球体の『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』を象る。そして、



「『破壊(ディストラクション)の爆散(・エクスプロージョン)』」



 次の瞬間、象った球体を爆発した様に破裂させる。その威力は絶大で、ブロンズライオンが7体程消し飛んだ。だが、



「やはり、半径100メートルを超えるとコントロール出来なくなるな。と言うより、存在出来なくなると言った方が正しいか…」



 事実、爆散した『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』は半径100メートルを超えた部分だけが消滅してしまった。



 つまり、『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』を発動、コントロールできるのは半径100メートル以内という事になる。




 ――――――――――――――――――――




 コウヤは更に実験を続けた。そして力について、いくつかの答えを得ることが出来た。



 基本的に、『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』の発動に消費される物はなく、体力も全く減らない。地中内でも発動出来たり、発動するときの大きさも自由自在。



 流動的に動かす事ができ、それを用いた攻撃も可能だろう。また、『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』を足場にし、移動させる事によって、空中を移動する事も可能だ。



「実験はもういいだろう。ブロンズライオンも全滅させたし…」



 今コウヤの周りには、ブロンズライオンの死体が山の様に転がっている。中々グロい。



「あと1つ理解しておかなければならないのは…」



 そう言って、コウヤは自分の腹を見る。ブラックバイソンに()()()()筈の腹を。



 そしてコウヤは思い出していた。何故傷が一切残っていないかを。何故自分が、()()()()()()を。




 ――――――――――――――――――――




「うっ…」



 ゆっくりと視界が広がってゆく。そして、()()を見て理解した。自分はもう死ぬのだと。



 臓器を吹っ飛ばされたから死ぬのか、それとも大量出血で死ぬのか。どう死ぬのかは分からないが、もう自分が死ぬのは理解出来た。



(此処で終わりか…結局…ゲーム優勝は出来なかったな…けど()()との()()は守りきれたし…思い残す事は…もう…)




 ―もう…二度と……負けない……で…ね…―



 その言葉が脳裏に浮かんだ。



 そうだ、俺は生きなきゃならない。あいつの分まで、俺が…



「ガハッ!!」



 だが、それでも死の運命が遠ざかる訳じゃ無い。コウヤが死ぬのは変わらない。



 何か…何か無いのか!俺が生きる方法が!

 考えろ!ある!絶対に!何か!何か!何か!



 視界がぼやけ始める。それは死が近づいているという事を意味していた。既に、頭の中には一つの可能性が浮かんでいた。



 だが、それが何か分からない。



 何か!何か…何か…



 そんなコウヤの目に死んだブラックバイソンが映る。破壊した(コア)が目に入る。



 それを見て、()()()()()。あれだ、と。



 …っ!!あれだ!あれを…取り込めれば…



 コウヤが考えたのは、再生力を持つ魔獣の(コア)を利用し、致命傷を治そうというものだ。



 進め!進め!進め!進め!進めェェェェ!



 動かない足を使わず、腕の力だけで進んでいく。少しずつだが、確実に近づいていく。



「ウォォォォォォォ!!!!」



 死にものぐるいでバラバラの(コア)に手を付ける。それを迷いなく口に運ぶ。バリバリという音とともにそれを噛み砕いていく。



 口から血が溢れても喰らい続ける。そして全てを喰らい尽くしたとき、身体に変化が、起こった。



「…これ……は…」



 身体に空いた大きな穴が、蒸気を発生させながら再生し始めたのだ。みるみる穴が塞がってゆき、数秒後には完全に塞がった。他の傷も全て再生し、コウヤの身体には一切の傷が無くなった。



「やっ…た…」



 そう安堵したとき、背中に刃物で切られた様な傷が付いた。



「っ!?ぐっ…」



 その傷を始めとして、身体のあらゆる部位が破壊され始めた。コウヤはブラックバイソンの死体から転げ落ち、仰向けになった。



(そうか…これが…再生の代償か……)



「…温いな」



 肉体の破壊。身体のあちこちが傷つき、血飛沫を上げる。それと共に、全身に大きな痛みも。




(俺は負けない!…絶対に生きる……()()()()()()()()()()()…)




 ――――――――――――――――――――




「…思い出した。この記憶が確かなら、俺が生きているのはブラックバイソン(あいつ)のお蔭か。それはそうと、こっちの『力』も理解しておかなければな」



 そう呟くと、コウヤは掌を切った。すると()()()()()()()()()()()()()()。記憶の中の傷の再生と同じ様に。



「これは、俺に宿った『力』の様だな。一時的なものでは無い…となると、俺に(コア)が出来たってことか?」



 コウヤはそれを確かめる為に、身体に『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』を流す。



「…なんの反応も無い。これは魔力による再生では無いのか?いや、違うんだろうな。

 魔力による再生では無いという事は…(コア)の再生能力が人間が元々持つ再生能力に付与されたってとこか?と言うよりこれは、俺の細胞の全てに極小の(コア)であるって感じか…

 となると、あの時の肉体破壊はこの再生能力にあった魔力を、『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』が破壊していたって事か…

 それで魔力だけが破壊されたと捉えれば辻褄があう」




 その後コウヤは、自分の身体で再生能力についての実験を始めた。その結果、この再生能力は自分の意思では止められず、傷が出来れば直ぐに治ってしまう。



 その再生能力は凄まじく、頭を吹き飛ばされても一瞬で再生する。再生には優先度がある様で、1番が頭、次点で心臓だ。



「…これにも名を付けるとすれば…『自動再生(オートリブート)』ってとこか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。