第43話 屋敷のセキュリティ
セキュリティの方も調べてみたが、家庭用の監視カメラなどが販売されていた。
しかもただの監視カメラではなく、AIが搭載されていて、指定した人物以外が近付いたり、映像だけでなく異音がした場合も通知を出せるらしい。もちろん夜はナイトスコープで暗闇の中でも監視が可能だ。
小さなソーラーパネルが付いており、充電はそれで可能。wifiがあればスマホに直接通知を飛ばせるらしいが、電波はなくても有線でモニターにつなげてリアルタイムにカメラの映像を見たり、通知を出すことができるようだ。
……最近は闇バイトなんかによる犯罪も多いからか、こういった高性能な監視カメラもたった1~2万円で購入できるらしい。他にもいろんなセキュリティシステムなどが売っている。
「やっぱり日本のお金が必要だな。フリーマーケットで稼ぎつつ、他に方法がないか探してみるか」
屋敷に戻って2人に調べたことを報告する。とりあえず屋敷のセキュリティが第一、次にポータブル電源と発電機、炊飯器と電子レンジあたりを揃えていくことになった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
今日も昨日と同様に予約していたフリーマーケットに参加してきた。日曜日ということもあって、これまでで一番お客さんが多かったかもしれない。
やはりお客さんが多い土日だけ参加するのが一番効率は良さそうだ。それにフリーマーケットの場所によってお客さんの数や客層が全然異なるから、こっちもいろいろと情報を集めて研究して、多くのお金を稼いでいきたいところだな。
今日は少し早めに引き上げて、レインから預かっているリストに載っている漫画を揃えに来た。前回は大きな書店に行ったけれど、古い漫画は売っていない物も多かったため、今回はちょっと遠出して大きな本屋が多い秋葉原へとやってきた。
アオイの話によると、秋葉原には大きな書店が多いので、昔の漫画も多く購入することができるらしい。
「よし、これならレインもきっと喜んでくれるだろうな」
大きな書店を巡っていくと、リストに載っている結構な種類の漫画を新品で購入することができた。だけどそれでも売っていない漫画もあったので、その作品については古本屋で揃えてきた。
秋葉原は本屋だけでなく古本屋も多いので、これでリストの上位の漫画はすべて揃えることができた。身分証やクレジットカードがなく、ネットや電子で購入することができない現状では秋葉原でまとめて揃えるのが一番いい手段っぽい。それでも購入できない場合はユウカの実家に取り寄せてもらって受け取るしかなさそうだ。
ちなみにレインから預かったリストは若干修正が入っている。16年かかってもまだ連載が続いている漫画なども多かったので、まずは完結している漫画から順に集めていくようだ。
そして某長寿漫画が完結したことにはとても驚いていたな。さすがに俺もあの漫画が終わるとは思ってもいなかったぞ……。連載を始めてから40年間一度も休載したことがないとか、あまりにもすごすぎるよなあ。
そしてそのまま秋葉原にある監視カメラなどのセキュリティ専門のお店へ移動する。秋葉原にはこういった専門店があるようだ。他にも大きな家電量販店などでセキュリティグッズは売っているらしい。
ネットで調べていた監視カメラを選び、監視カメラの他にモニターと長いケーブルなども購入する。最近のはアプリと連動してリアスタイムの映像をすぐに確認することもできるらしいけれど、電波が届かない場所と説明して、有線で可能な物にしてもらった。電源的にモニターはあえて少し古い電池式の物を選ぶ。
ユウカの屋敷は大きいから四隅に設置しておきたいが、まずは実際に稼働してから試してみたいので、1つを試してみてからだ。
「これでお願いします。こうしてみると、護身グッズもいろいろありますね」
「最近は物騒だからね。強盗対策にいろいろと買っていく人が増えているよ」
お店の40代くらいの男性にはいろいろと相談させてもらった。丁寧に教えてくれたし、また必要な物があれば相談させてもらうとしよう。
監視カメラ以外にもいろんな商品が売っていた。意外と異世界で使えそうな物も多かったので、必要な物があればまた買いに来るとしよう。
「ただい——あれっ、なにかあった!?」
大量の漫画を購入して、屋敷に戻ると、なんだか屋敷の中がドタバタと騒がしかった。
「カケル様、おかえりなさい。さっき、王都からマジックバッグが届いたのですが、ちょっと試作中の屋敷のセキュリティが誤作動してしまって……」
「カケル、おかえり。ちょっとこの子が驚いて暴れちゃったの」
「クルックー!」
居間へ行くと、50センチメートルほどの大きな白色の鳩のような魔物がユウカの両手に抱えられていた。
その魔物の足元にはレインから預かったと思われるマジックバッグの入った袋がくくりつけられている。
「うわっ、すっごく可愛いね! 羽に黄色い星みたいな印があるよ」
日本にいる鳩よりも一回り大きく、真っ白でモフモフとした羽毛に包まれていたその魔物の両翼には黄色い五芒星のようなマークがあった。
あどけない表情をしていてすごく可愛らしい。
「この子はスターピジョンという魔物ね。とっても速く空を飛ぶ魔物で数が少ない魔物なのに、こうやって伝書鳩みたいに飼っているのはさすが王族といったところね」
「なるほど。これからよろしくね」
「クルッポ~」
俺が頭を撫でると返事をするように鳴くスターピジョン。
随分と人懐っこい魔物みたいだ。この異世界には人を襲う魔物もいれば、こういう魔物もいるらしい。




