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第37話 王都でお買い物


「すごい、綺麗な街並みだね」


「建物の大きさや色に統一感があるから、他の街よりもそう見えるのかもしれないわ」


「こっちの通りは貴族街でまだ人が少ないから助かる」


 日本のフリーマーケットで販売するための品物を受け取るために、明日もう一度王城へ行くが、今日のところはお開きとなった。まだ日が暮れるまで時間があるので、そのままユウカとアオイと一緒に王都の街を回っている。


 王城の近くであるこの辺りは貴族のよく使うお店が並んでいるらしく、とても綺麗な街並みが見えていた。道を通る馬車は俺たちが乗っていた馬車のように派手で豪華な装飾が付いており、そこに乗っている人たちは汚れひとつない服を着て、宝石や首飾りなどを身に着けている。


 その分アオイの言う通り、道を通る人の数は少ない。王都の普通の市場だと人が多くにぎわっているらしいので、アオイにとってはこっちの通りの方がまだ気は楽だろう。馬車の通りが多く、虚無のローブを着ていると危ないので、今は普通に歩いている。もちろんエルフであるアオイの耳はフードをかぶって隠しているが。


「いろんなお店があるなあ。服の仕立て屋、装飾品のお店、レストラン、高級食材のお店なんかはどんな食材があるのか、ちょっと気になるな」


「カケル、私も武器と防具のお店を見てもいい?」


「カケル様、魔道具屋のお店もお願いします」


「うん、もちろん。順番に見て回ろう」


 遠い王都までやって来たということもあって、2人も寄りたいお店があるようだ。


 もちろん俺もどちらのお店にも興味がある。みんなで順番に回ってみるとしよう。




「……ワイバーン、バジリスク、ダナマベア、クラーケン。あっちの街だと聞いたこともないような食材ばかりだ」


「さすが王都、高級食材が揃っているわね。ここに置いてあるのは見本で、本物は店の奥のマジックバッグに保存していると思うわ」


「食材を販売しているお店でマジックバッグを使えるなんて、しばらく外へ出ないうちに魔道具もだいぶ普及しているみたい」


 高級食材のお店に入ると、ガラスのショーケースに入ったおいしそうな肉や海鮮がずらりと並んでいる。俺の目には本物の肉にしか見えないけれど、どうやら食品サンプルのようなものらしい。


 俺が最初にいた街やベルリアの街のお店は肉をそのまま皿や大きな葉の上に載せて販売していたけれど、この店ではちゃんとマジックバッグに保存しているらしい。魔法で時を止めて保存できるのはすごい技術だ。


 ……でもその分、マジックバッグはかなり高価な魔道具らしいから、食材のお店で使われていることにアオイが驚いている。


「ね、値段がとんでもないね……。時価とか初めて見た気がするよ……」


「高級食材ということもあるけれど、王都の物価が他の街よりも高いという理由もあるわ」


 展示されている値段はこれまで俺が見たこともない値段だった。前世も含めて時価という言葉を初めて見た気がする。今時、高級な寿司屋でも見かけないというのに……。


 そういえば王都の物価はかなり高いと聞いている。それにしても高すぎると思うが。


「せっかくだから、ベルリアの街で手に入らない食材は買っていきましょう。カケルも気になった食材があったら遠慮なく言ってね」


「う、うん……」


 そう言いながらユウカは店員さんに次々と購入する食材を伝えていく。


 それぞれ金貨数十枚、日本円に換算すると数十万円の肉も躊躇なく購入していった。最終的なお支払いは金貨100枚分の価値のある大きな大金貨数枚分もの値段となっていたけれど、それを涼しい顔をして支払うユウカ。


 もちろんお金のない俺があれやこれもほしいなどと言えるわけもなかった。一応今回王都まで来た依頼でひとりあたり大金貨1枚分くらいの報酬をもらえる予定なのだが、どうやら俺はまだまだヒモのままらしい……。




「それではご案内させていただきます」


「………………」


 続いてやってきたお店はアオイの希望で魔道具が売っている店にやってきた。


 先ほどの店も結構厳重な警備をしていたようだけれど、このお店はお客さん一組に対して案内が付き、店の前には完全に武装した警備員が2人もいる。非常に高価な魔道具を取り扱っているお店だからだと思うけれど、それを加味してもすごいな……。


 さらに入店時には紹介状があるかを聞かれた。アオイが賢者の証を見せたところ入店させてくれたが、そもそも普通の人は入店することすらできないらしい……。


「この魔石を10個ほしい。それと、あっちの魔道具と、そっちの魔道具も1つずつもらう」


「あ、ありがとうございます」


 先ほどのお店と一桁異なるほど高価な魔石や魔道具をポンポンと購入していくアオイ。見たこともない魔道具がいっぱいあって、本来ならテンションが上がっているはずの俺なのだが、そんな高価な物をまるで雑貨のように購入していくアオイに若干引いている。


 ユウカもアオイも俺とは住んでいる世界が違ったのだなと改めて思う。ここで購入した魔道具の一部はユウカの屋敷の強化に充てられるし、この王都に来てからますます俺のヒモ化が進んでいくのだが、本当にどうしよう……。


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― 新着の感想 ―
ヒモではなく、救い主で保護対象です!二人に申し訳ない!と思えるなら大丈夫です!多分!その分、値段ではない日本の物を二人にあげれば大丈夫…日本円稼ぐのがまだまだネックですね(汗)でも、未練を晴らした時点…
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