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ゼロストライク  作者: 漢汁
誤解も六階も無い・これは4章
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ブラックポークダウン

「って、実弾どうした!?」

 アルセイデス機から放たれたのは、ビーム砲のみだった。

 敵目標に直接当たらず、見えない壁のようなものに遮られる。シールドというモノなのか、命中したところ周辺が、ビームの色と同じ青色の波模様が、薄っすらと円形に広がっている。

「これは威力測定デス。多分、生体防護壁というヤツなので、このまま加熱して穴を開けます」

「いやいやいや、実弾を撃つんじゃ無かったの?! 閃光弾とかいうヤツ」

「撃ちますよ?」

 アルセイデスはディスプレイを操作し、FCS(火器管制制御)を主表示にする。機体を上方から見下ろした図に、兵装名と搭載部分にラインで示されている。

 右兵装格納庫を選択、インベトリオープン確認。フレア60と表示されている所に触れて選択する。

「FCSオーバーライド、レールより前方目標へ強制射出」

 "了解"という表示が出てきた。ディスプレイに表示されている計器やらに関しては、だいたい3文字か長くて6文字の略語で表示しているのに、これだけが何気に丸文字なのか。

「射出!!」

 僅かな振動と共に、黒い塊が前方へと放たれる。恐らくそれが、閃光弾というものなのだろう。黒瀬沙織はそう思いたかったのだが、想像していたものとは違っていた為、アルセイデスに確かめた。

「……ねぇ、あの黒いヤツが閃光弾? フレア60っていう」

「そうデス。説明している時間ないので、沙織さんはバイザーを遮光モードに切り替えて」

「え? どういうこと――」

「耐ショック、対閃光防御」

「あ、はい」

 黒瀬沙織はバイザーに『コンソールのココをタッチ』と矢印で表示されたディスプレイの隅にある、輝度調整マークらしき部分に触れる。薄暗くなったような気がする。

「沙織、目標に当たるまで副砲使用は禁止」

「了解」

 両手を肩まで上げて、トリガーや他のスイッチに手を触れてないことをアピールする。見えてないだろうけれど。

「砲撃一旦止め」

 アルセイデスがトリガーから指を離した。ビームの照射が止まると、命中していた部分だけ赤く変色し、その部分だけが凹んでいるような気がする。

「弾道修正、ちょい左」

 ちょい左って何?

「よーそろー……弾着、今」

 黒い塊が命中した。凹んだ部分に、上手く。そして――


 ――何も起こらなかった。


「……不発弾?」

「3分間だけ待ってやるのデス。ではなく、間もなく……」

 命中してから約3秒後、閃光弾と言う名の黒い塊は、白く光り輝き始めた。

 最初は弱かった光は、一瞬で強烈な光球となり、そこから放たれる光線によって、世界はホワイトアウトした。

 したように思えた。

「うわっ、眩しッ!! ……じゃなくて、あ、視界補正きいてる。アルセイデス、何がどうなってるの?」

 一瞬だけ目の前が真っ白になったが、頭は真っ白にはならなかった黒瀬沙織が質問しようとすると――

「目が、目がぁー!!」

 バイザーを上げて、前席を覗き込むと、ヘルメットの目に当たる部分を抑えて、悶えるアルセイデスが居た。

「……何やってんの」

「ム○カごっこ……てのは冗談デス。それより、敵目標を見てください」

「真っ白で見え、なくはない。で? 何がどうなってるの?」

 後席から前方を見ると、敵目標、タコのようなモノが見える。その目の辺りに白い光が見える。先程撃ち込まれた黒い塊の正体だろう。それらがTDボックスで囲まれているのだが、その横に"SHIELD"と表記されたメモリ付きの円形のバーが表示されている。

「今の攻撃で敵目標の生体防護壁を吸収してます」

「あれで? どうやって?」

「説明の前に離脱するので、沙織は迎撃準備。逆加速する」

「了解」

 黒瀬沙織がバイザーを下ろし、座席に体を固定したのを確認すると、アルセイデスは操縦桿を手前に引き、機体を90°ターンさせる。そしてスロットルをミリタリー出力まで押し込む。敵目標との相対速度がマイナスになり、ある程度離れたあたりでスロットルアイドル、敵目標に機首を向ける。

「あとはお姉ちゃん達に任せて、こちらは小物を潰して援護。操縦を自動回避に切り替える」

 アルセイデスがバイザーに手をかけると"了解、コントロールは任されました"と、ディスプレイに表示される。丸文字で。

 任せた。と、心で思いながら、バイザーを下ろす。左手をスロットルレバーから手を離し、その前方にある操縦桿に似たスティックを握りる。軽く一周回すと、HMDに表示された照準が同じように、円を書くように動いた。


――レッツパーリー!!


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