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ゼロストライク  作者: 漢汁
誤解も六階も無い・これは4章
43/48

カイル 消えて

お久しぶりです。まだ、生きてます。

 こちらを敵として認識したのか、タコっぽいヤツが触手をこちらに向かって振り回してくる。縦横無尽に。

「ッ!! 速いな、コノヤロー!!」

 あたった時は、間違いなく木っ端微塵になりそうないきおいだ。上下左右と何本あるか確認できない程の触手が、ムチのように振り回してくるあのタコ。これだけのエネルギーで攻撃してきても、そいつの姿勢が崩れないのが疑問に思った。


 だが、すぐにわかった。反対側の触手で反動を打ち消している。でもすぐ忘れかけそうになった。メルセイデスが、凶悪なGをかけて回避行動を行ったからだ。

「クッ! グッ・・・ハァーー!」

 耐G訓練受けてない、ただの民間人の俺にとっては、非常にキツい。

 そして、バレルロールしながら、逆噴射。左右にスライドして攻撃を回避しつつ、アフターバーナーで一気に間合いを詰めようとするが、触手によって拒まれる。その繰り返しが続く。



「『ギャー!! こっちにもキター!!」

 アルセイデス機に向け、タコっぽいヤツの頭部あたりから、わらわらと何かが出現し始めた。確認すると・・・クラゲ? イソギンチャク? ゾウリムシ? なのかな。そんなかんじの物体がアルセイデスに対して放出されている。

「何これ!? 来ないでぇ、殺すから来ないでェー」

 物騒な言葉を発しつつ、回避運動しながらバルカンばらまくアルセイデス。

「・・・まぁ、死ぬが良い! ということで・・・グッ!! 副砲の操作、こっちにまわして」

 まだドンパチ癖から抜け出せない黒瀬会長は、アルセイデスに頼んだ。

「任せたデース・・・って、使い方わかるの?」

 それは当然。誰もが思う疑問をぶつける。少々素に戻ってしまったアルセイデス。ゴツいヘルメットを無理に後部座席、コパイロット席に首を捻り目を向けると、黒々とした、禍々しいオーラが立ち上っているような気がした。いや、見えた。


 後に、メルセイデス機の機長、メルセイデスはこう証言している

「アルセイデスの機体は赤かったのに、あの時だけ真っ黒になってました。視覚補助でも黒かったので、こちらの機体損傷によるバグかと思いましたが・・・第3者にも確認を取ったところ、同じであったと」

 中村武志はこう供述する。

「あのちょっと臭う、グハッ!! い、いえ、いい香りのする、ええ、素敵な香りに包まれながら、俺は見ました。真っ黒いし、黒いオーラの漂う機体が近くにいました」


 アルセイデス機パイロット、アルセイデス・スピリット・フェリオス。そして、メルセイデス機パイロット、メルセデス・セイバー・フェリオス。ついでに中村武志。彼らは、これらを見なかったこと、超法規的措置にしようと思った・・・が、結局バレた。

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