卑屈な朝ごはん
……はぅっ。
もう、朝なのか……。
昨日眠りにつく時間が遅くなってしまったせいか、起きた時間は七時半だった。
いつも六時くらいには起きれているのに……。
でも時間は巻き戻せないから、諦めてベッドから起き上がり、食堂へと歩き出すことにする。
なぜだかお腹がすいていたし、なにより、そうすることしか選択肢がなかったからだ。
この病院で出されるご飯は、一概にもおいしいとは言えない。
一応口に入れたところで害はないが、個人的に濃い味であってほしいものが薄味になっており、逆に薄味になって欲しいものが濃い味になっている。
しかも調味料の合わせ方が「絶対合う訳無いだろ、これ」と思わず言いたくなってしまうものばかりを合わせている。
ちなみに今日の朝食のメニューはというと、日の丸ご飯、味噌汁、塩鮭、きゅうりの漬物、緑茶の誤品である。
日の丸ご飯というのは茶碗に山盛りにされた白いご飯の上に梅干が乗ったものらしいが、なぜか上からみりんがかかっていて、しょっぱくて不思議な味がして、一言で言うと不味い。
味噌汁には赤味噌を使ったらしいが、なぜか「出汁の代わり」とか言ってコンソメを入れていて、おまけに味噌がこしきれていなくて塊が結構残っていて、赤味噌が濃すぎてコンソメの味が消えていて、出汁がないに等しいから変な味がして、一言で言うと不味い。
塩鮭にはちゃんと塩をふったらしいが、なぜか塩の量を少なくしてタルタルソースがかかっていて、塩の味が全くなくて、鮭の生臭さとタルタルソースが絡みあえていなくて、もう塩鮭じゃなくなっていて、一言で言うと不味い。
きゅうりの漬物にはお酢を使ったらしいがなぜか中濃ソースが大量に入っていて、きゅうりが真っ黒になっていて中濃ソースが濃すぎていて、一言で言うと不味い。
緑茶には厳正な茶葉が使われているらしいがなぜか醤油が混ぜられていて、緑が黒く濁り始めていて、お茶の味より醤油の味の方が強くなっていて、気持ち悪いくらいに混ぜられていて、一言で言うと不味い。
……そう。
出されるものすべてが不味くなっているんだ。
変に調味料を足してしまっているからだ。
そのせいで、ただの緑茶すら飲もうと思えない。
もうまともに私の体内へ入るのを許せるのは水道水しかいない。
まあでも、こんな飯とももうすぐ「さよなら」だ。




