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地球の原材料  作者: 海那 白
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気持ちの悪い目覚め

 その日、なかなか寝付くことができなかったせいか、朝早くに目覚めてしまった。昨日の疲れが取れていないのが、意外と辛かった。また、今まではふっかふかの布団で寝ていたということもあり、起きたとき肩や腰が痛く、いたるところから

 ポキポキポキ……

 というような音が聞こえてきた。

 どこを痛めてしまったのか細かくは分からないから、どこからそんな音が聞こえてきているのか、怖い。

 倉庫の小窓から外を見てみると、ちょうど朝日が昇ってきている頃だった。空は淡いオレンジ色に染まり、西の方はこちらよりも少し暗くなっていた。

 「眩しすぎるくらいの明るさの朝日を浴びたいっ」と思ったが、太陽の中にある時計はよっぽどゆっくりなのか、電池残量が少なくて今にも止まりそうなのか、なかなか明るくなってはくれなかった。悲しい……。

 そんなのろまな太陽を見つめているのも飽きてきて、僕はしぶしぶ倉庫の中へと目を向けた。

 倉庫の中は物の密集率とは裏腹に、この倉庫には似合わないようなくらいの静寂だった。まるで、小学校の宿泊訓練とかで、ほかの人よりも三〇分くらい早く起きてしまった時のような感覚だった。

 水樹の様子を見てみると、昨日の夜に寝た時の格好と同じ格好をして、同じポーズで寝ていた。しかも「すーすー」と寝息を立てながらとても気持ちよさそうに寝ていた。……正直、羨ましいっ……。

 風香さんは、カーペットの上に大の字に寝そべり、「ぐーぐー」といびきをかいていた。相変わらずこの人も、気持ちよさそうに寝ているなぁ。羨ましいよ。でも、風香さん。なんでそんなに足を開いているのかなぁ?ちょっとは常識というものをわきまえて欲しいものなのだが……。

 「あれ?火菜さんは?」と、これを読んでいる誰もがそういう疑問を頭の中に浮かべるだろう。正直に言うと、今現在、僕もそう思っている。ホント、どこに行ったんだよ、火菜さーん。はよ帰ってこーい。……火菜さんはしっかりとした人だとずっと思っていてけれど、もしかしたら一番やばい人かも知れない。だって、そこにいた気配すら感じ取ることができないんだもん。いったい火菜さんはどこに……。

 ガラガラガラ……ピシャ

「ふぅ」

 ん?どちら様でしょう?この声は誰の声ですか?……なんか聞き覚えがある気がする。でも、誰だっけ?

 僕は気になって、僕から向かって左側にある、倉庫のドアの方を見てみた。

「あ、おはよ、星斗くん」

「あ、お、おはようござい……ます」

 なんとその人は、火菜さんだった!なるほど。妙に聞き覚えがあるわけだ。

 僕は真っ直ぐに火菜さんを見つめて、さっきから超疑問に思っていることを口に出してみようと思う。

「あの、火菜さん……」

「……何?」

「……今まで、どこで何をどうしていたんですか?」

 火菜さんは朝二番というほどの笑顔を僕に見せ、それから、まだたぶん早朝だというのに、かすれてさえいない、むしろ透き通った、いつもの優しくて綺麗な、でも強さもあるいつもの火菜さんの声のまま、一度軽く瞬きしてから、僕のさっきの質問の答えを、火菜さんらしく言った。

「ああ、私は一樹さんのところに泊まらせてもらっていたんだよ」

 え。ということは火菜さんは、さっきまで一樹さん家にある一樹さん家の高級な布団に寝かせてもらってたってこと?」

 ……正直言って、羨ましい。僕も一樹さん家にある一樹さん家の、言葉の前に「お」をつけたくなるほどの高級なお布団で眠りたーい。こんなボロ臭ーい、ホコリだらけーの、カーペットの上で寝るのはもう嫌だー。汚らわしーったらありゃしなーい。

 僕はまた、そこまで高級じゃなくても大丈夫だから、せめて布団の中で眠りたーい。

 ……って言っても、みんな、僕と同じようなことを思っていたりするんだろうな。それか、みんなそういうのを気にしないような人だったりでもするのか……。それだったらすごいな。僕、引くわ。

「星斗くん、早起きだね。どうかしたの?」

「……いや、ちょっとよく眠れなかったみたいで……」

「そっか。よく眠れなかった日の朝とかは結構キツイよね。分かるよ星斗くん、その気持ちは」

「ああ、やっぱりそうですよね。結構キツイですよね……」

「ところで星斗くんに頼みごとがあるんだけど……」

「……なんですか?」

「水樹ちゃん起こすの、お願いしてもいいかなぁ?私は風香を、ホントはめちゃくちゃ嫌だけど頑張って起こすからさぁ、ごめんねぇ。お願いします、星斗くん」

「分かりました」

「おしじゃあ、「水樹ちゃんを起こす」というミッションは君に託した!私は「風香を起こす」というミッションを頑張ってみるからっ」

「了解です。水樹のことは僕に託してください」

「了解です。「風香を起こす」というミッションのことについては、私に託してくださいっ。一同、ミッションに全力を尽くすこと。――それでは、解散っ」

 こんな感じで軽く会話をし、軽く茶番を繰り広げたところで新たな指示が出された。

 僕はさっさと、火菜さん曰く、〝「水樹を起こす」ミッション〟をクリアさせてしまおう。

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