リザルト
「「ふぅあ~、おはよう」」
今日もユイとハモって起きる。
本日のお宿はベッドが6つの部屋だ。入り口入って両サイドに3つずつ並べられていて俺とユイが左、ライカとジーナとリンダが右側に寝ていた。
俺達が起きてまずすることと言えば、、、寝起きモフモフを堪能するため、ジーナとリンダがいるベッドへ潜り込む事だ!!
ライカは昨日モフモフに挟まれて寝ていたので十分に堪能したはず。
今朝は俺達に譲ってもらおう。フフフ。
ということで3人並んで寝ている間に潜り込む。
「ん・・ふふ。おはよう」
ライカを起こしてしまったようだ。
しかも俺達の目的を一発で見抜いたようで場所を開けてくれた。
モフモフを堪能しつつ背中でライカさんの温かみを感じるのもいいのに今日はそこまでは出来ないらしい。
が、そこまで求めるのは贅沢ってもんですぜ。
俺は譲ってくれたスペースに入り今日はジーナのモフモフを堪能する。
すぐ隣ではユイがリンダのモフモフを堪能中。
今日もこの世界は平和です。
2時間後、俺達はギルドに来ていた。
受付で要件を話すとギルドマスターの部屋へ案内された。
コンコン
「おはようございます、デンゼルさん」
「おはよう。よく来たね、待っていたよ」
「昨日のお約束の通り寄らせていただきました」
「相変わらず子供とは思えない程礼儀正しいね」
あ、やべ。そういえば子供っぽさとか考えてなかった。
「エヘヘ」
子供っぽい笑顔攻撃!必殺!イノセントスマイル!!
・・・デンゼルさんにキョトンとされた。
「あー、それでだね。クラーケン討伐の報酬についてだが、君たち5人についてはギルド本部とも相談し決定された。
5人それぞれに白銀貨で50枚ずつということになった」
えーと、金貨が大体1枚1万円で、大金貨が1枚10万円で、白銀貨が1枚100万円だから・・・
え・・・
5,000万円???
しかもそれぞれってことは5人で2億5,000万円!?
「え?」
「しかもそれ以外にこのパルドミド賢者の鏡も報酬に追加だ。これは1つしかないからパーティーに対して報酬を出すということになるがね」
・・・え?
いやいや、そもそもの金額部分が大金すぎて話についていけてないのですが・・・。
しかし構わずデンゼルさんは続ける
「ただ、申し訳ないが昨日の今日でこれだけの白銀貨を用意できなくってね。今日用意できるのは白銀貨30枚ずつといったところなんだ」
白銀貨30枚って、、、3千万円相当ですよ??
ついていけてない俺達を他所にデンゼルさんは続ける
「残りについては後日取りに来てくれ。もしくは、他の町のギルドで受け取ってもらっても構わない。
ギルド緊急クエストの場合報酬が高額になる事がままある。
その場合ギルド本部からの通達で各町のギルドどこでも受け取れるよう手配がされるんだ。
まあ場合によっては全額支払えないことがあるがその場合は時間を置くか別のギルドを訪ねる仕組みになっている」
「は・・はぁ・・・」
「じゃあ皆のギルドカードを預かるよ」
とりあえず俺達はギルドカードを渡した。
デンゼルさんが受け取ったギルドカードを職員に渡すとそれを持って部屋を出て行った。
「ん?どうかしたかい?」
「いや、白銀貨って・・・」
「ああ、初めて見るのかな?まぁそうだよね。通常ギルド報酬は使い勝手がいいから金貨で支払うことが多いし
町でも不動産取引や魔法設備や魔法道具の一部でしか使わないからね。貴族や王族なら見る機会もあるのかもしれないが
一般の冒険者ではなかんか見る機会は少ないものだからね。かくいう私も見るのは久しぶりだよ」
「いや、そういうことではなく・・・」
「お待たせしました。こちらが報酬の白銀貨10枚です。そしてこちらがギルドカードです」
というと、戻ってきたギルド職員が俺達に白銀貨の入った布袋となんか手鏡とギルドカードを渡してきた。
流れのまま受け取ってしまう。いや、受け取っていいんだろうけど。
しかし普通に考えて10歳の子供に何千万も持たせるか??
「そうそう、それと君たちは申請すればランクも上がるように手配しておいたから地下のサブマスターを訪ねてくれ」
「は、はい・・・」
いいのだろうか、冒険者になっていきなりこんなに成功してしまっても。。。
贅沢しなければ一生とは言わないまでもしばらくは遊んで暮らせますよ?これって勝ち組ですよね?
いやいや待て待て。
そもそもそんな大金持ち歩くのって怖いぜ?
でもこの世界に銀行なんて便利なものはないし。。。
報酬が全部一度に支払われずどこのギルドでも受け取れるっていうのはこの際ありがたいじゃないか。
ついこの前大金貨30枚を手に入れたのですら過分だと思っていたのに、今日はさらに10倍だもの。
他の4人を見ると、ユイとライカは同様の反応。
ジーナはこれでどのくらいお肉食べれるのかなとか考えてる目だ。
リンダはこれでどのくらいお魚食べれるのかなとか考えてる顔だ。
っていうか、心の声が呟きになって漏れてますけど。
「それと、バリートさんから君たちに感謝していたよ。あのクラーケンを撃破したポイントで島と島を繋ぐ橋を掛けてくれたのは君たちだろう。
そもそもクラーケン撃破ポイントということでそれだけでも十分魅力ある観光ポイントになるところが、さらにあんな大掛かりな橋もあれば今後バリの町の観光資源になるだろうと言っていた」
「撃破ポイントが観光資源になるのですか?」
「もちろん普通の魔物だとならないよ。ただ相手があのクラーケンだからね。そうなると話は変わるさ。
それと、バリの町の防波堤についても感謝していたよ。あれのおかげで被害がかなり軽減されたからね。
「そっちの件でも君たちへの感謝を伝えてほしいということだった」
「いえ、少しでも被害が減らせたならよかったです」
「そしてバリの町を代表して謝礼を預かっている」
なんですと?まだあるの???
「今渡したのでかまわないかい?」
「えっと、それなんですが。僕の分はそういったものがあるのであれば被害を受けた人や物の補修に充ててください」
「私のも同じで」
ユイが続く。
前世日本では津波の怖さをよく知っている。今回はかなり軽減されたとはいえその被害者は大変な思いをしているだろう。
この世界では赤い十字マークの募金とかないだろうから町長にうまく使ってもらえたらそれでいいです。
「ボクのも同じようにしてください」
俺達に続いてライカもそう言った。
「私のも」
「私のもにゃ」
ジーナとリンダも続いた。
3人とも優しい子達でよかった。
「なんと、みんな受け取らないというのかい。分かった、ではきっと町の復旧に役立つようバリさんに伝えた上で返しておく。この町のためにありがとう」
そういうと、デンゼルさんおよび部屋にいた職員は俺達に頭を下げた。
「もう一つバリさんからの伝言だ。もし何か困った事があれば相談してほしい。全力でそれに応えよう。ということだ」
「わかりました。何から何までありがとうございます」
最後はお礼を言い合うという何だかよく分からない感じになってしまったが、
少し誇らしい気持ちと重量よりも重たい布袋にビビりつつギルドマスターの部屋を出た。
「これからお魚食べに行くにゃ!」
部屋を出るとさっそくリンダさんが言った。
「いえ、お肉食べ放題ツアーに行こう!」
それに対してお肉派ジーナさんが異論を唱える。
「ライカはどう思う?」
「まだ朝食を取ったばかりだし昼食には早いと思う。それよりも、サブマスターのところへ行くべきじゃないかな」
「ごもっとも。ジーナ、リンダ、肉か魚かのは置いといてどうせ食べるならお腹を空かせてからの方が旨いと思うぜ?
だからとりあえずギルドでの用事を済ませるのを優先しよう」
「うーん、、、確かにそうにゃ」
うん、相変わらずちょろい。
そういうと俺達は階段を降り地下までやってきた。
コンコン
「失礼します」
「はい、どうぞ」
俺達は部屋に入った。
「こんにちは、ロイゼルさん」
「おや、さっそく来たね。クラーケン撃破の勇者達。話は聞いているよ、ギルドカードを預かろう」
俺達5人がギルドカードを渡すと
「ところでじゃ。前はずいぶんと加減しておったがもう一回あれに攻撃してみんか?かのクラーケンを撃破したという攻撃でな」
指をさした方にあるのは以前冒険者として登録したときに攻撃したキューブだ。
「はい、分かりました」
俺はキューブの前に立つと剣を構え集中した。剣気を纏い、クラーケンの目玉を攻撃した一撃を思い出しながらキューブに向けて一太刀!
ズガッっとキューブに直撃した剣はそのまま中心部の近くまで切り裂いた。
「ほほっ!思った以上だわい」
剣を鞘に戻し俺がその場を離れるとキューブは再生して元の形に戻った。
次に構えたのはユイだ。
ユイは剣を構えると剣気を纏い、一撃を繰り出した。
結果は俺と同じだった。
「流石双子、威力は同じ位じゃの」
ユイは剣を納めると今度はライカが杖を構えた。
「【火球】
構えた杖からは直径50センチ程の大きな火の球が勢いよくキューブにぶつかった。
クラーケンの後頭部に穴をあけたやつだ。
火の球はキューブにがっつりと埋め込まれ、そして消えた。
「【火球】をそこまで使いこなしておったか」
ロイゼル爺さんの目が見開いていた。
続いてキューブの前に立ったのはジーナだ。
ジーナは大剣を構えると剣気を纏ったのが分かった。
そして剣に溜めた剣気と共にキューブへ一撃!
クラーケンの頭頂部を切り落とした一撃だった。
ジーナの一撃は俺達よりもさらに深くまでキューブに切り込み入れた。
「これはこれは。まったくすごいもんじゃ」
最後にジーナが構え剣気を纏い、キューブに攻撃した。
ジーナの攻撃は一瞬で何連続か分からないほどの連撃突きをキューブに行っていた。
「まったく、お前さん達には驚かされたわい!大したもんじゃ!あっ晴れじゃ!」
そう言って何やら納得したような表情になっていた。
そしてギルドカードを何やら箱に入れたり操作したりして返してくれた。
戻ってきたカードは5人とも赤っぽい色になっていた。
「これでお前さん達はCランクとなった。同様にパーティーランクもCランクじゃ。本来ギルドへの貢献度や今回の活躍でBランクまであげてやりたいところじゃが、冒険者ギルドに登録してからの期間が短いからのぉ。今はそれが目いっぱいじゃ」
「いえ、十分です。ありがとうございます」
「未来ある冒険者に祝福あれ!」
そういって送り出された。




