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はじめての船旅

翌日、午前中は時間があったので近くの公園で朝の日課を済ませ

宿に戻って体を拭き、チェックアウトとなった。


港に着くと、定期便はすでに到着していた。

船体が30メートルはある立派な船だったので結構驚いた。


出発までにはまだ時間があったので、港にあった食堂でブランチとなった。

港町だけあって海鮮系の料理が多いようだ。


俺はタタイの塩焼きと黒パン、サラダのセット、

ユイはマハチの塩焼きと黒パン、サラダのセット、

を頼み、半分ずつ食べた。


タタイはまんま鯛だしマハチはまんまハマチだった。

塩味が効いててかなりうまかった。

そういえばバリの町は塩が特産だったな。


ライカはアージと野菜のスープと黒パンセット。

これはどう見てもアジだった。


アスラはホッタテの網焼きとエールを頼んでいた。


なんだろう、魚介類って前世と大差ないな(笑)



食事を終えるとさっそくチケットを渡して船に乗り込む。

乗客は甲板とその下の階に設けられた客室で到着まで過ごすようだ。


もちろん売店なんか無いので、甲板で景色を見る人がほとんどで、俺達ももちろんそうした。


甲板から後方、バリの町方向を見ると、やはりサイージョ村とは比べ物にならないほど活気に満ちた町が見えた。

港にある灯台を見ると、昨日と変わらず光輝いていた。

やっぱり一晩で消えたりはしないか。結構魔力をつぎ込んだもんなぁ。


しばらくすると船はゆっくり港を離れ、出航となった。


船旅はなんとも快適だった。

異世界ファンタジーを思わせるようなこともなく、平和そのもの。

どうやらこの世界の船は、帆で風を受けて揚力と抵抗力を合わせた推進力を得る、基本原理はヨットと同じようだった。


ただ、あまり風が無くても進んでいたからおそらく魔法的な何かで風を作っているのかと予想している。



バリの町を出航して2時間ほど。

まだ船旅は続いていた。


景色は見える範囲にたくさんの島があり、大きめの島では暮らしている人の姿まで見えた。

小さな島は無人島とかもたくさんありそうだった。


こうやって島々の間を抜けるように進むことで、

外洋に住む大型の魔物と遭遇することはまずないらしい。


ちなみに、水面をよく見るとサメっぽい背ビレがちょくちょく見える。

この世界の水があるところではどこにでもいるキラーフィッシュという魔物だそうだ。

体長は40センチくらいか。


まぁ、基本噛みつく以外何もできないようなので

これだけのサイズの船に乗っている場合、ほぼ無害らしい。


ちなみに人族だろうが何だろうが漏れなく噛みつくらしいので、さすがに泳いでいる時には出会いたくない。



魔物の心配もなさそうだし初めての船旅のテンションも、2時間もすると流石に落ち着いてきた。


アスラの話だと到着まであと3時間くらいはあるらしい。

退屈感が出てきたときの子供作戦会議だ。

ライカと3人でこれからのプランを話し合う。


「せっかく船に乗っているんだから、何かしたいね」


「例えば、釣りとかどうかな?」


「釣り竿や釣り針は魔法で作り出せるけど、糸って作ったことないね」


「土魔法だと細くて長いものは作れても、切れないようにって魔力をつぎ込むと棒になっちゃうよね」


「ライカの草木魔法で蔦っぽいのとか出せないの?」


「草木魔法は地面がないとあまり使えないかなぁ」

植物成長促進系だもんなぁ。。。


「じゃあ、船内に釣り糸を探しに行ってみるか」


「乗客はこの甲板と客室以外行っちゃいけないって言われたよ?」


「船の人に見つかったらその時だ。旨い具合に言い訳するよ」

子供だから迷子でいいか。


「いいのかなぁ・・・・」

ライカちゃんはいい子だ。


ん?


とすると俺達は悪い子か?


いや、違う。

ちょっと好奇心旺盛なだけの至って普通の少年だ!


「いいのいいの。じゃあそういうわけで行ってみよー!」


「やってみよー」

ユイったら。(前世の)歳がばれちゃうじゃないですかヤダー。


客室から船内に入っていくと階段を見つけたので降りてみた。


そこには広い空間に木箱がこれでもかと積み上げられていた。

バリとシーマの間の輸送手段だから積み荷が多いのは納得だ。


ただ、これらに手を付けると流石に問題になりそうなのでそれらはすべてパス。

もうちょっとこう、、、船員が趣味で使ってそうなのがいいな。


というわけで、もう少し進んでみよう。

木箱がたくさんあるおかげで、たまに巡回にくる船員から隠れる場所には不自由しない。


しばらく進むと、また降りる階段を見つけた。

この先が船員のための場所かな?


人の気配を探りながらそーっと降りていく。


「大変だーーーー!!!」


突然後方から大きな声がした。


外で何かあったのか、船員たちが慌てて甲板に向けて走っていくのがみえた。


幽霊船でもでたのかな?


あ、フラグじゃないよ。


「外でなにかあったのかもしれない。一度甲板まで戻ろう」


「そうだね」


俺達は来た道を戻る。

巡回とかしている船員は一人もいなくなったのでもう隠れる必要がない。


さっさと客室まで戻ってくることができた。

甲板に出ると、アスラを見つけることができたので合流した。


「何があったのですか?」


「あれを見てみろ」

船の進行方向を指さしながらアスラが答えた。


見るとスルメみたいなのが海面から顔を出しているのが見えた。

ただ、でかい。


なんせでかい。


怪獣サイズだ。


海面から出ている部分だけで小さな島かと思えるほどでかい。


「なんですか?あのでかいのは」


「あれはクラーケンだ。とてもこの辺りの海域で出るような魔物じゃない」


周りをよく見ると船は速度を落としていて、ほぼ止まっている状態だった。

そこから舵を切ってゆっくり右に進行方向を変えているようだった。


「クラーケンとはどういう魔物なんですか?」


「海の魔物の中では最悪な部類だ。もし見かけたら全力で逃亡するしかないな」


「ということは、過去に討伐した記録とかもないのですか?」


「記録にはS級冒険者が討伐したというは数例ある。あるにはあるが・・・な。ちょっと常識外れすぎて事実ではないとも考えられている」


「どんな方法なんですか?」


「クラーケンの弱点はな、炎なんだ。ただ海の中にいるから当然火を放っても海中に潜れば消えてしまう。

記録では魔法使いが辺り一面の海水を沸騰させ、海の上を歩ける剣士が近づいて切り刻んだとか、

あとは魔族が召喚魔法で悪魔を呼び出して戦わせたとか・・・な」


「それはまたなんとも豪快ですね」


俺とユイが頑張れば火魔法で周辺の海水を沸騰させれるだろうか・・・

いやぁーさすがに無理じゃね?

俺達でも池くらいならなんとかなるかもしれないが、ここは海だもんな。


しかも全長何キロあるんだろう。まさか顔がでかいだけで海中の部分は小さいとか?だったらなんとかなるかもしれないが

海中はよく見えないけど何かしらでかい影はあるからそんなこともないだろう。


そんな話を聞いていると船は進行方向から90度右に曲がりクラーケンから遠ざかる進路を取っていた。

どうやら180度ターンをしていないところを見ると、大きく迂回して目的地のシーマを目指すようだ。


「常識外れな記録は置いといて、冒険者の間でクラーケンは相手にしないのが常識だ。もし見つけたら全速力で逃げろとな。

それも昼は太陽と反対方向へ、夜は月と反対方向へ逃げるといいと言われている。」


「太陽や月が関係しているのですか?」


「まぁこれはあくまでも噂の域を出ない話なんだがな、クラーケンは強い光を追いかけて移動するなんて言われている」


「ああ、それでこの船も東へ舵を切ったんですね」


「船乗りだったらこんな噂も知っているだろうから、おそらくな」


しばらくするとクラーケンの姿も見えなくなり、緊急事態だった船内が通常モードに移行した。


俺達はというと、今更のんきに釣りをしようなんて気分にはなれなかった。


船はしばらく東へ進んでいたが、クラーケンの姿が見えなくなってしばらくすると北へ舵を切った。


ライカははじめて魔物を見たらしく、怖がっていたので俺とユイで手を握って客室でおとなしく座っていた。

はじめての魔物があんな大物だったら確かに怖いよね。


ライカの気分が落ち着いてきたころを見計らって再度甲板に出た。


すると目的地シーマが見えてきた!


「すごい!港から奥に見える山のあたりまでずっと町が続いているよ!」


「バリの町も活気があったけど、精霊都市シーマはその比じゃないね。規模がでかい!」


「サイージョ村とは比べ物にならないね」


「シーマに行ったらいろいろ見て回ろう!」


「あそこをみて!」


ライカが指をさしたあたり、町の中心に大きなお城のようなものが見えた。

中世のお城って感じでかっこいい!近くで見てみたい!



「あれが精霊様の神殿だよきっと」


「お前たち、そろそろ到着だから離れるなよ」


はしゃぐ子供組を見てアスラから注意があった。


しばらくすると船は港に到着した。


毎日アクセス解析を見てPVがあると嬉しくなり掲載続けようとやる気が出てきます。

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□頭脳派脳筋の異世界転生もよろしくお願いします。
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