船の中で
残酷シーンがありますのでご注意を。
気が付くと身動きが取れなかった。
両手を手首で縛られ、天井から吊るされているらしい。
「ん・・・」
声も出せない・・・猿轡をかまされてるのか。足首も縛られてるな。。。
「ケン、気が付いた?」
背後からライカの声が聞こえた。背中合わせにライカも捕まっているらしい。
「おい、気が付いたみたいだぜ?」
ああ、そうだ。確か背中から切られて・・・思い出すと痛くなってきた。
ってか激痛になってきた。
慌てて【小回復】を使った。
ふぅ、、、多少マシになった。
完全には治ってなさそうだ。もう一回使おうか・・・
「てめぇは魔法が使えるみたいだからよ、詠唱なんてさせねーぜ?」
「ングググ」
しゃべろうとしてもくぐもった声しか出ない。
「まあ仮に詠唱しても発動なんてしないけどな!足元を見てみな!」
首だけで下を向くとなにやら魔法陣っぽいものがあり、薄く青白く輝いている。
「そいつの上では一切の魔法は使えねぇ!」
なるほど、こいつが魔法効果を半減させてやがるのか。
でも【小回復】は発動したような。。。
他にも何かないか周りを見渡す。
見たことない部屋だったので、土壁で塞いだ部屋だろうか。
俺達のほうには先ほど対峙して倒したヤツと、
下着一丁で髪はまだ濡れているのでおそらくは海に落ちたヤツいた。
少し離れたところで足首に包帯を巻いたヤツもいる。
「こいつはタダでは済まさねぇ。しっかりとお仕置きしてやるぜ」
さっき倒したヤツがなにやら張り切ってらっしゃる。
「おい、売りモンなんだ。殺すなよ!」
背後からまた別の声がする。ライカ側にもいるのか。敵は4人か?
どうする。。。
「アニキ、分かってますぜ。でもこのガキは許せねぇ」
張り切り野郎が土棒を持って俺に近づいてくる。
俺の土棒は消したはずだからライカのを奪ったのか。
できるだけ抵抗させてもらおう。
手首を縛られているとはいえ、手のひらは少し動く。
魔力を貯めてと、、、
【火球】
・・・
あれ?
発動しない。
魔力は貯めれるし体外に変換しつつ出したはずだけど・・・
魔法陣のせいでその辺が疎外されているのか。
「さっきの痛み、倍にして返してやるぜ!」
土棒を振りかぶると俺に打ち付けた!
ぎゃあ!
といいたいのに声もうまく出ない。
痛い。とても痛い。
「オラっ!オラッ!オラッ!オラッ!オラッ!オラッ!オラッ!オラッ!」
ぎゃ!ぎゃ!ぎゃ!ぎゃ! 猿轡がなければ絶対叫んでいた。
「おら、、、少しは反省したか?まあ許してやらないけどな!ギャハハハ」
こんの張り切り野郎め!倍ってんならもう十分じゃねーか。
俺は確か魔法2発と土棒で1発しか当ててないだろ!
「やめて!やめてー!!」
背後からライカの声。
背中合わせになっているので俺が殴られた振動はライカにも伝わっている。
「お願いだからひどいことしないで!」
「おいおい、女を泣かすなんて悪い男だなぁ!」
いやこの場合ライカを泣かせてるのはお前だろう。
それはさておき、打撃が止んだので【小回復】を使っておく。
回復力は多少減った感じはするが、ちゃんと発動できている。痛みがかなりなくなった。
やっぱり体外に出さなければ魔法は使えるようだ。
となれば使えるのは【身体機能強化】とかだが、使っても痛いものは痛い。
一応使いますが。ただそれでも縄をブチ切れるようなことはない。ご丁寧に縛ってくれたもんだ。
「女を泣かすようなプレイボーイにお似合いなの、思いついたぜ?」
今度は海に落ちた半裸野郎がロープ片手に近づいてくる。
てめぇ、、、なにするつもりだ。
言っておくがな、俺は痛みにはめっぽう弱いからな!
すぐ泣いちゃうんだからっ!
半裸野郎が俺のポークビッツの根元を縄でぐるぐる巻きにする。
ちょ、おまっ!ふざけんな!
それは将来ビックな松茸になって女の子を鳴かせるんだ!
若い芽摘んだりしちゃダメだからな!
ロープの反対側には石を結び付けるとそれを俺の目の前に持ってくる。
「さーて、俺はこれをどうするでしょうか?」
ニヤニヤしてんじゃねーぞ!
「正解は将来女を泣かさなくて済むように、引っこ抜いてやるぜ」
いうと2メートルほど先にある梁に石を投げた!
石は梁を飛び越え地面に落ち・・・ない!
その重りは全て俺のポークビッツへ!
ギャーーーーーー!!!!!!
「ムギューーーーーー!!!」
これは、、、あかんでぇ!!!
涙目で下を見るとかわいそうなくらい引っ張られている。
さっきまでお尻や足とかが背中合わせになっていたライカと接触していたが今は肩の部分くらいだ。
あかん!まじでダメだって!
引っこ抜ける!!!
「ギャハハハハ!なんだよムギューって!ギャハハハハ!」
猿轡越しに出た俺の変な声で笑っていやがる
「海に落とされたお仕置きはこのくらいで許してやるぜ!まぁ外してはやらねーがな!ギャハハ」
石が落ちる勢いを一手に引き受けた最初の衝撃はやばかった。
とりあえず【小回復】を掛けておく。
初撃は耐えたがこのままだと引っこ抜ける危険がある。
「やめて・・・やめてあげて・・・」
ライカは相変わらず言っているが、今俺が何をされているのかは見えないはずだ。
それでも背中から伝わるのか俺がひどいことをされているのは分かるだろう。
「さって、中断したが続きだぜ?」
張り切り野郎が土棒を振りかざす
「オラっ!オラッ!オラッ!オラッ!オラッ!オラッ!オラッ!オラッ!」
叩かれる痛みプラス衝撃で体が揺れる度にポークビッツが引っこ抜かれるような痛みも追加される。
【身体機能強化】を使っているから防御力も上がっているはずだ。痛いものは痛いが、少しだけ慣れてきた。
このままではいいことはない。なんとかしなければ。。。
魔法は下にある魔法陣のせいで発動しない。
体内で魔力を貯めることはできる。
そうだ、魔力をそのまま練りこんで撃つならできるかも。
【魔法弾】
「ぎゃああああ!!!!!」
目の前の張り切り野郎の顔面にぶつけてやった!
【魔法弾】
「ぎゃあああ!!!」
俺の大事な松茸候補にひどいことをした半裸野郎も顔面にぶつけてやった!
「おい、どうした??」
【魔法弾】
ブツン!!
「フンギュー!」
石がぶら下がってる縄に向けて魔力をぶつけて切ってやった。が、反動でとても痛い。
ハァ・・・ハァ・・・耐えたぞ。
【小回復】
痛みが軽減した。
足首のケガ野郎は何が起こっているのか理解できずこちらを凝視している。
後ろ側のヤツは把握出来ないが、そっちはどうしようもない。
「てめぇ!何をやりやがった!」
聞かれても猿轡のせいで声が届きませんねぇ?
今度は足の先に魔力を貯めた
【魔法弾】
俺の足先から出た魔法弾で魔法陣が凹み、薄い青白い光が消えた。
よし、これで魔法は使えるはずだ。
「【火球】」
背後でライカがぶちかましたらしい。
「うわあああ」
命中したのかな。
続いて【風球】を極小で作り出し、縄を切る。
と同時に俺とライカが地面に降りた。というより、落ちた。
慌てて足首野郎が剣を持ってこちらに向かってきた
【火球】
「ぎゃあああああ」
命中し、火が付いた体でバタバタ暴れている
後ろを見ると、ライカが攻撃したやつも同じような状態だった。
今のうちに足首の縄を解く。猿轡も外す。
解き終わると同時ぐらいに足首野郎もライカ側の野郎も復活してきた。
剣を持ってこちらに近づいてくる。
半裸野郎は別として、こいつらは魔法半減防具がデフォなのかよ。
火球では足止めにはなるが・・・。めんどくせぇ。
俺は両手をそれぞれの方に向けると
【魔法弾】×2!
「ぎゃああ!」
「がはっ!」
同時に発動、同時に命中、同時に倒した。
魔法と違って魔力そのものは目に見えないため、どうやって倒されたのか分からないだろう。
「ふぅ、、、なんとかなったな」
「大丈夫???」
「ああ、この魔法陣って魔法発動できないって言ってたけど魔力そのものは動かせたからなんとかなったよ」
「違うよ、ボクが心配しているのはケンの体だよ。いっぱい殴られて・・・。」
「情けない声をきかせちゃったね。。。」
「そんなのどうでもいいよ!」
ライカが俺にハグしてきた。
一度捕まって助けに来た時と逆パターンだな。。。
「ライカも無事でよかった」
「【小回復】!・・・どう?まだ痛いところある?」
「痛みはなくなった。ありがとう。背中の傷ってどうなってる?」
痛みはないが、見えない部分なので気になった。
おのれ・・・背中の傷は剣士の恥!
・・・っていうけど、不意打ちされた傷はどういう扱いになるのだろうか。
「傷跡も無いよ。どういたしまして。それで、これからどうするの?」
「こいつらが目を覚ましたら面倒だから縛り上げておこう」
縛り上げる前に皮の鎧を外していく
「脱がせるの??」
「なんか魔法耐性のある服っぽいから、これは脱がしちゃおう」
「そっか」
皮の鎧の下に来ていた布の服を脱がせ、ついでにブーツもはぎ取った。
つまり全員下着一丁にしたわけだ。
俺達が捕まっていた場所に全員を集めて両手を縛り、梁に引っかけて足首も縛る。
俺達がされていたのと同じようにするには力がいるからそこまではしない。
ただ、俺の息子を虐めたヤツだけは亀甲縛りにしてやったぜ。
暴れれば暴れるほど、もがけばもがくほど縄が食い込んでいくぜぃ。。。ヒヒヒ。
「ケン、何を考えてるの?」
ハッ!
ライカにイノセントな目で聞かれた。
そんな悪そうな顔していただろうか。。。
「何も。ただ、この魔法耐性のある服もらっていこうか」
「そうだね、、、でも汚そう・・・」
「ちょっと洗うか」
服を二つ持って水の入った樽が丁度あったのでそれで洗った。
その後温風で乾かした。二人でそれを着る。
大人が着ると半袖Tシャツみたいなものだが、俺達が着ると7分袖のワンピースみたいだ。
まぁ、他に服ないし仕方がない。
もう戦闘は無いと思うけど、魔法耐性防具が手に入ったと思えば。
せっかくだからもう一着持って帰ろう。ユイ、いるかな?
適当な布袋を見つけて服を突っ込んだ。
よい子のみんなは真似しちゃダメよ。




