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船の中へ

船に入ると甲板から階段を降り、通路を進むとさらに階段を降りた。

そしてひとつの部屋の前で止まった。

「じゃあきちんと身ぐるみ剥いであげるからね、ボウヤ」


「え?」

まあ、捕まえるんだろう。念のためブーストを解除して子供らしい抵抗をしておこう。


「お前まだそのキャラ続けるのかよw」

子供の力で頑張って抵抗してみたが、あっさり身ぐるみ剥がれた。というかすっぽんぽんにされた。

手を後ろに回されて縄で結ばれた。 足首にも縄で結ばれた。


そのうえで、部屋に入ると隅に子供が7人いた。

全員おれと同じ格好にされているようだ。つまり素っ裸で手足を縛られている。

てか、攫われたのって、5人じゃなかったっけ?


「しばらくおとなしくしてな!」

まぁ、三下のセリフですよそれ。


片隅に固まってる子供たちの方へ俺を降ろす、、というか放り投げると出ていった。

部屋の外から鍵を掛けどこかに行ったようだ。



「ライカ、無事か?」

なにはともあれ、ライカを見つけれてよかった。


「ケン、どうしてここに??」


「もちろん助けに来たにきまってるじゃないか」

そう言うと、驚きの表情から少し笑顔が見えた。

そうだ、キャッチフレーズ:守りたい、この笑顔。だった。


「お前、何かっこつけてんの?お前も捕まってるじゃん」


近くにいた別の男の子が俺とライカの感動の再開を邪魔するように話しかけてきた。


「誰だお前?あんまり生意気だと助けてやらねーぞ」

まぁ、説得力の無い恰好なのは認めよう。


「お前だってこのあと奴隷にされて死ぬまで働かされるんだ」

言いながら半泣きじゃなねーか。


「僕はケン、警備隊隊長のアスラの息子だ。みんな、名前は?」


「僕はピッケル」

俺より少し背が高いから7~8歳くらいだろうか。


「私はモズク、こっちがパセリ。ピッケルと同い年よ」


「オ↑レ↓はグリンだ。9歳だ。一番年上だからな!」

最後に生意気言ってたガキが名乗る。最近俺って言いだした発音だ。


年上だからこいつらのガキ大将なのかな。でも背丈は俺と同じくらいじゃないか。

まぁ、いいか。


「私はジーナよ、仲間が出来て嬉しいわ」

犬耳ロリっ子じゃないか。こんな子もサイージョ村にいたのか?

豆柴が擬人化したみたい。垂れ耳にふさふさしっぽ。

モフモフしてぇ・・・。


「私はリンダにゃ。助けに来てくれた英雄には見えないから期待はしてないにゃ」

猫耳ロリっ子じゃないか。しかも語尾にニャって。。。萌え道突っ走ってますやん!


「おいリンダ、ちょっと俺に続いて言ってみろ」


こういうこともあろうかと、某アニメを見て覚えておいてよかった!


「 ななめななじゅうななどのならびでなくなくいななくななはんななだいなんなくならべてながながめ」


「にゃにゃにゃにゃ・・・・長いにゃ!」

ありゃ、ダメだったか。ウイング猫作戦失敗。



「よし、それはおいといてサイージョ村のみんないるか?」


「オ↑レ↓の家来はみんないるぞ。そこの犬と猫はしらないけどな!」

家来ってお前。。。


「じゃあジーナとリンダはサイージョ村の子供じゃないのか?」


「私とリンダは精霊都市シーマで攫われたの。助けて!」


「よしよし、もう大丈夫だからな」


「何が大丈夫なんだよ!」

ほぼ泣いてるような声でグリンが反発してくる。



後ろ手に縛られた縄に向けて最小の【風球ウインドボール】を手首の動きだけで発動、縄を切る。

両手が自由になったので足首に向けて同様に魔法を使う。


さて、自由になった。


「じゃあ皆も縄を解いてあげるからね」


手近にいた子がピッケルという子だったので後ろを向かせ手の縄を解く。

続いて反対を向かせそのまま座らせると足首の縄を解く。


「ピッケルもみんなの縄を解くの、手伝ってくれ」


「わかった!」


続いて俺の近くにいたのはライカだ。


「ライカ、無事でよかった!」

俺は思わず不自由なライカを両手でハグした。

「ケンが来てくれたよかった」

抱きしめた体は少し震えていた。


「後ろを向いて、縄を解くから」


「うん」

後ろを向くと手を解いてあげる


「じゃあ前向いて座って」

ライカが前を向く。。。あれ?なんか違和感。


あ! 無いのか! ボークビッツが!縦筋しかないのだ。 


何だか似たようなことが前にもあったな。。。

そう、ユイの時も。

なんだろうこのデジャブ感。



動揺しているのを悟られないように、足首の縄を解く。

ライカは自分のことをボクっていうからてっきり男の子だと思っていたが、

見た目でいうとやたらと可愛いからやはり女の子でよかったのだ。


「じゃあ次はグリンか。ほら後ろ向けって」

ライカと比べるとちょっと雑な扱いになるのは仕方ない。

手首の縄を解くと前を向かせ座らせて足首の縄を解く。


ちなみにグリンにはギリギリだがポークビッツがついていた。

体に合わせるようにこぶりなものだった。

生意気なのが続くようならこのネタで弄ってやろうか。


そしてピッケルがモズクとパセリを解いている。


俺がジーナを、ピッケルがリンダの縄を解いて全員解放できた。


解放できたら次は反撃の準備だ。


「ライカ、今日はブーストまだ使ってないのか?」


「もう使ったよ。でもここでずっと休んでいたから少しなら使えるかも」


「よし、これからあいつらを退治しにいく。ライカはどうしてもやばくなったらブーストを使って逃げろ。

船の甲板まで出たら、近くにユイがいるはずだから大声で助けを求めるんだ。いいな」


「ケン一人でいくの?ケンが強いのは知ってるけど、大丈夫なの?相手は大人だよ?」


「俺に任せておけって!」

今度は安心させるためにライカの頭を撫でながら言い切る。


「よし、みんな来い!脱出するぞ!」

威勢のいい内容の割に見つからないよう小声なのは俺の器が小さいからだ!(笑)


この倉庫のような監禁部屋を出るために外から鍵のかかった扉をどうにかしなきゃ。

ドアノブの付近一帯をまとめて吹き飛ばすサイズで

「【土球アースボール】」


ドゴッ!って音がしたのでそっと出てみるが、とりあえず近くに敵はいないようだ。


こんなことならベンに索敵魔法習っておけばよかったな。


まずは目の前の部屋に入ってみる。ここは鍵がかかっていないようだ。

そこには酒樽のようなものを積み上げられていた。


酒には用事ない。次だ。


隣の部屋に入ってみても同じように酒樽が積みあがっていた。


酒には用事ない。次だ。


目の前の部屋に入ってみると酒樽と木箱が積みあがっていた。


「お酒と食べ物のにおいにゃ」


こういう場合、すぐ近くに装備が置いてあるのがお約束じゃないのか!


「何を探しているの?」

すぐ後ろにいたライカが聞いてくる。


「みんなの服と適当な武器とかあればと思ってね」


「そうだね、ちょっと寒いもんね。。。」

うん、、暑い寒いの前に裸ってよくないんじゃないかな。。。


「仕方ないな、即席の武器だ」

俺は土魔法で棒を作り出す。

念のためにライカにも一本、自分用に一本。


「それあたしらも欲しいにゃ」

ジーナとリンダにも一本ずつ作る。


「オ↑レ↓のはないのか?」


「わかったよ、全員分作るからまってろ」

グリンとピッケル、モズクとパセリの分も作る。


全員が素っ裸に土魔法の棒を装備した。

最近ではユイとチャンバラする時多少【身体機能強化ブースト】を使っていても

折れないように密度を高めることで強度を持たせているため少々では折れない。

また、ライトセーバーにしたら目立つのでもちろん光らせてなんていない。


「この階の部屋はこれだけみたいだから次に行くけど、静かにいくぞ」


上る階段は船にありがちな急な階段だ。そーと上の階の様子を伺う。

上の階も4部屋あって廊下の突き当りが階段のようだ。

そのうち、突き当りの階段に近いほうの部屋二つから灯りが漏れている。

あそこには人がいそうだ。


「あの先の部屋に人がいそうだ。魔法で扉が開かないようにしてくるから待ってて」

小声で後ろにいたライカに伝える。


俺が一人でそーと、そーと扉の前まできた。

土壁アースウォール】で扉の上からがっちり固めてやった。

続いて向いの部屋の扉も固める。


こちらの様子を伺っていたライカにOKのサインを出す。

人差し指を唇に当ててそーとみんながこちらまで来た。


しかし子供だらけ7人パーティー。なんとも動きずらい編成だ。

特にモズクとパセリはずっと半泣きだもの。いつ泣き出してもおかしくないためハラハラする。

ジーナとリンダは棒の扱いに慣れているのが分かる。ジーナは大人しくしているが、

リンダは棒を持ってからウキウキしているようにすら見える。好戦的なのかもしれない。


今更言っても仕方ないのでそっと階段を上り上の階の様子を伺う。

階段を上ると甲板に出た。甲板には人影が見える。

一人だけのようだから死角から近づいて魔法一発かな。


中央にある操舵室の影まで移動すると見張りに向けて

風球ウインドボール】を飛ばした。


「うわっ!」


命中した。

魔法の威力というよりはその勢いでそのまま甲板から海に落ちた。


ザバーン!


なんだろう、命中する瞬間防具が薄く青白い光が出た。

魔法威力を半減させるような防具だろうか、威力が殺された感触があった。


それはさておき、音がしたから下が気になる。

階段で様子を伺っていたライカにOKのサインを出す。


そして俺は降り口を探して外に目をやると・・・


あれ?


陸地が遠い。


港から沖に停泊場所を変えたのか。なぜだ?人攫いだからか?

いや違う。帆先がやたら光輝いてるからだ。

俺が使った【照光シャイン】のおかげでやたら明るいこの船は、

やましいことをしているのもあって港から移動したのだろう。


まぁ泳げなくもない・・・いやどうだろう。

身体機能強化ブースト】を使えば行けるだろうけど、

自分以外に7人の子供を引き連れて泳ぐなんて不可能だ。


甲板を見回すと上陸用の小舟があった。

まぁこのサイズの船ならそういうのもあるだろう。

クレーン的なもので海に降ろすらしい。

しかし俺はクレーンなんて動かしたことないぞ。


「なあ、この小舟ってどうやって海に降ろすんだろう」

近くに来たライカに聞いてみる。


「たぶんあっちの操作盤で吊り装置を動かすんじゃないかな」


見るとクレーンの根元部分に操作盤っぽいものがあった。


「あの小舟を海に降ろすから、みんなは乗っててくれ」

説明するとピッケル、モズク、パセリはその指示に従って小舟に乗った。


「オ↑レ↓に命令するな!でもまぁ、今回は聞いてやる」

なんだろう、生意気というよりかわいく見えてきた。


「ああ、そうしてくれ。ジーナとリンダも小舟に隠れてて」


「あいつらが来たら戦うにゃ」

うーん、やっぱり好戦的っぽいな。


「見つかった時にみんなを守って戦って欲しいから、小舟で一緒に隠れててよ」


「まぁ・・・そういうことなら仕方にゃいにゃ」


ちょろかった。

よかった。


俺はライカと一緒に操作盤へ行く。

操作盤をみるとレバー的なものが二つ。


「ライカ、わかる?」


「構造からみるとこっちが吊り装置の回転、こっちが吊る長さの操作だと思うけど。。。」

自信無さ気だが俺もそう思う。ただ、このクレーンって動力なんなんだろう。

何もしなくてもこの操作盤を動かせば不思議動力で動くのかな。


「思うけど?・・・何かな?」


「アレが」

ライカの指さす方向を見る。


理解した。不思議動力なんて魅力的なものは搭載されていない。

それどころか、クレーンの根元には取っ手が4つある。4人がかりで回しましょうってこと・・・つまり動力は人力だ。

操作盤で方向を合わせて、あとは人力ってなんて異世界ファンタジーなんでしょう。


「ライカ、俺があれを動かすから操作を頼むな」


「分かった」


取っ手が4つということは大人4人で動かせるはずだ。

いつもより強めに【身体機能強化ブースト】を掛けたので行けると思う。


取っ手を持ちゆっくり力を込めるとググググググと音を立てながら小舟が少し浮いた。

ライカを見るといったんストップの合図。操作すると今度はGOサインで再度力を込める。

ググググググと音を立てながら今度はクレーンが回転、小舟が船上から出た。

そこで一度止めるとライカが操作する。

もう一度押せば今度は水面まで降ろせるはずだ。


ドドーーン!


というタイミングで階下から激しい音がした。

土魔法の壁を突破されたか。


「なんじゃこりゃーーー! おい! 下を見てこい! 俺達は上だ!」


階下から俺を招き入れたヤツラ二人が出てきた。

急がねば! 力を込めるとグググググと音を立てながら小舟が下降しはじめる。

その音ですぐにこちらを発見された


「このガキ!逃げれると思うなよ!」


剣を抜くとこちらに向かってくる

くそ、クレーンを操作するのはここまでか。


慌てて土棒で剣を受け止める。

「ライカ下がれ」


ライカは俺の後ろの物陰に隠れる


「グリン!」

俺は大声で小舟まで聞こえるように叫ぶ


「港に行け!そうすれば分かるようになっている!家来たちを守れよ!」


受けた剣を押し返すと少し距離を取って対峙しつつ叫ぶ


「【風球ウインドボール】」

小舟を吊るクレーンの紐を風球で切る


バシャーーン!


音を立てて水面に落ちた。


「てめぇっ!」


俺の動きに反応して今度は2人一緒に切りかかってくる


「【火壁ファイアーウォール】」


間合いに入られる前に壁を張る


さぁ、どうする?

さっさと消火作業に移らないと船が燃えちゃうぜ?


「てめぇっ!」


二人とも動かない。というか動けないのか。

消火作業に移れば俺に切りかかられるもんな。

じゃあこちらは遠慮なく攻撃させてもらいます。


「【火球ファイアーボール】」

2人のうち俺の正面にいた1人に狙いを絞って攻撃する。


「ぐわっ!」


俺の赤い球は常人の3倍速いから回避なんてさせないぜ?ふふふ。

気分は彗星になったつもりだ。

しかし命中の瞬間、皮の鎧の内側に来ている服みたいなのが薄く青白く光った。

火の威力を半減させられた感触もある。

やはり魔法防御耐性持ちの防具か。しかし完全に無効化は出来ないみたいだから気にせずに撃つか。


「【火球ファイアーボール】」

もう一人にも撃ち込んでやる


「うわっ!」


なんとか回避しようとして回避しきれなかったようだ。

足首に直撃した。しかも足には魔法防御耐性の防具は無いらしい。

火がついて慌ててバタバタしている。


俺はもう一発正面のヤツに火球を撃つ。

「【火球(ファイアーボール】」


同時に火壁を消し土棒で殴りかかる。


「ぎゃああああ」


今度は火球も俺の斬撃も両方命中し、倒れた。

倒れたのを確認すると剣を拝借し土棒を消した。


さって、あと一人か。

何とかバタバタして足首の火は消したらしいが立ち上がることができないらしい。


「ガキィ!こんなことをしてただで済むと思うなよ!」

あら、まだ威勢のよろしいことで。


「ケン!後ろ!」


なに!?


「グッハ!」


背中に激痛が走った。あかん、、、意識が、、、


「ライカ・・・にげ・・ろ」

ちゃんと言葉に出来たか怪しい


「アニキ!」

くそ、敵が増えてきてたのか。油断した。




完全素人の処女作なのに、掲載して1日で500PVを超えました。

ドキドキしています。

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□頭脳派脳筋の異世界転生もよろしくお願いします。
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