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花子の本気
花子は何度も驚かされてきた。この歳になって母校に籍を置いていること。US中将の知己がいること。そして、彼は高校生でありながら教員免許を所持しているという事実。
もう二度と驚かまいと自らに言い聞かせても、その男の基準は常に予想の限界を突破してくる。
脳裏に蘇るのは、いつかの夜――三沢基地内、ジェシカの後輩であるドナの自宅で開かれたホームパーティーの記憶だ。
『人間は、信じたいと思う事しか信じられない生き物なんだ』
あの時投げかけられた言葉が、今まさに、目の前で中華料理屋のメニューを眺めながら「焼き魚定食」を注文する山田という人間の口から反響する。
そうだ。何度翻弄され、常識を書き換えられても、その行動原理に矛盾は一つもなかった。
ならば――信じてみよう。
この男の先にある深淵を覗き続ければ、自分はこれまで誰も見たことのない真実に辿り着けると、花子は確信していた。
「どうだ?お勧めは梅干しなんだよ!脇役に見えるかもしれんがコレが主役だ。梅は梅雨時期に塩漬け菌を除去した状態で紫蘇との科学反応であの色を出す、梅雨明けに天日に干し、紫外線の電離効果でこの味が出るんだ。”塩梅”って単なる塩分濃度ではない事が理解できたか?」
私の直感は正しい。普通は理解できない。




