99話 次で100話だ!! やったーー
警報が鳴り響く。
格納庫のモニターには一機の機械兵が映し出されていた。
「敵性反応確認」
四獣AIの声が響く。
焔はモニターを見て首を傾げた。
「一機だけか?」
だが剣は表情を変えない。
敵のデータを見ながら静かに言う。
「何か狙いがあるのかもしれない、油断するな」
守もモニターを見て息を呑んだ。
「出力が今までの敵より高いです……」
昇はドラゴンウェアへ乗り込みながら拳を握る。
「行くぞ」
『ああ』
ドラゴンウェアとフェニックスウェアが出撃する。
戦闘開始直後。
昇は叫んだ。
「今だ!」
焔も頷く。
「合わせろ!」
二機が並ぶ。
だが――。
何も起きない。
四獣AIの声だけが響く。
「同期率低下」
焔は顔をしかめた。
「またかよ!」
昇も舌打ちする。
「なんでだよ……!」
敵の攻撃が飛んでくる。
ドラゴンウェアが剣で受け止める。
『前を見ろ』
「分かってる!」
だがその後も何度も試す。
失敗。
また失敗。
さらに失敗。
合体のことばかり考えている二人は敵への注意が散漫になっていた。
機械兵の拳がドラゴンウェアを吹き飛ばす。
「ぐっ!」
続けてフェニックスウェアも攻撃を受ける。
焔が苛立ったように叫んだ。
「お前が合わせろよ!」
昇も即座に言い返す。
「そっちだろ!」
施設内では守が困惑していた。
「喧嘩してます……」
昇の父は頭を抱える。
「なんで戦闘中に喧嘩してるんだ……」
剣だけが黙って見ていた。
「もう好きにやる!」
昇が怒鳴る。
焔も怒鳴る。
「勝手にしろ!」
二人は別々に動き始めた。
剣が通信を入れる。
「昇、焔」
「連携しろ」
守も続く。
「このままじゃ危険です!」
だが二人は聞かない。
「うるさい!」
「今忙しい!」
通信が切れた。
施設内に沈黙が流れる。
その頃。
戦場では昇が敵へ突っ込んでいた。
(速い……)
(ここで敵が止まれば斬れるのに……)
その瞬間。
フェニックスウェアの炎が機械兵の足元を焼いた。
敵の動きが止まる。
「今だ!」
ドラゴブレードが機械兵を切り裂いた。
昇は一瞬だけ首を傾げる。
(助かったのか……?)
一方で焔も攻撃の機会を狙っていた。
するとドラゴンウェアが前へ出て敵の注意を引く。
焔の目が驚く。
(やりやすいな)
だが二人とも意識していない。
ただ自由に戦っているだけだ。
それなのに噛み合う。
敵の攻撃を避ければもう片方が攻撃する。
片方が危険ならもう片方が助ける。
まるで最初から決まっていたように。
昇は敵を見ながら思う。
(なんか戦いやすいな……)
焔も同じだった。
(好きに動いてるだけなんだけどな……)
その瞬間だった。
二人の腕にある四獣バングルが光り始める。
「……え?」
「なんだ?」
施設内。
四獣AIが反応する。
「適合率上昇」
「同期率安定」
剣が目を見開いた。
「まさか……」
光はさらに強くなる。
そして。
ドラゴンウェアが小さく笑った。
『やっとか』
フェニックスウェアも呆れたように続ける。
『気付くの遅ぇよ』
昇と焔は意味が分からず顔を見合わせた。
「は?」
「何の話だ?」
答える者はいない。
だが光はまだ強くなり続けていた。




