93話 漢字にしてもセンスは同レベル
施設内。
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昇
「なんだとこのやろう!!」
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怒鳴り声が響く。
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守
「……あの、何があったんですか?」
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昇が振り返る。
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「聞いてくれよ守!」
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『……こいつのセンスの問題だ』
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昇
「はぁ!?」
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守
「……え?」
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ドラゴンウェアが淡々と言う。
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『ドラゴンビームは流石にダサい』
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一瞬の沈黙。
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昇
「……まぁ、確かに……」
(適当に決めたしな……言われてみればダサい気もする……)
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昇
「いやでもさ!だったらもっとカッコいいの決めようぜ!」
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『当然だ』
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なぜか意気投合する二人。
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昇
「じゃあ……ドラゴンファイアー!」
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『安直だ』
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昇
「はぁ!?」
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『蒼炎穿撃』
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昇
「長いんだよ!」
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四獣AI(青龍)
「――以上が、現在に至るまでの経緯です」
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焔
「……で、それで喧嘩してんの?」
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守
「……えぇ……」
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剣
「……はぁ」
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焔
「決まったら教えてくれよな」
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三人は、そのまま背を向けた。
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昇
「おい待てよ!」
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『話はまだ終わっていない』
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昇
「いや終わってねぇけどさ!」
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言い争いは続く。
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その時――
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四獣AI(青龍)
「適合率、低下を確認」
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全員の動きが止まる。
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「原因は――適合者と四獣の不和」
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「このままでは戦闘に支障が出る可能性があります」
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一瞬の間。
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「しかしこれは深刻な問題です」
「適合率がさらに低下する恐れがあります」
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「早急に、お互いが納得する形での調整を推奨します」
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昇
「……え?」
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警報が鳴り響く。
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「――敵性反応接近」
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焔
「タイミング悪すぎだろ……!」
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守
「どうするんですか!?」
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剣
「……出るしかない」
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だが――
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昇
「いやだからそれはダサいって!」
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『貴様のセンスが問題だ』
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まだ揉めている。
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焔
「……はぁ」
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守
「……えぇ……」
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剣
「……」
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三人は、同時にため息をついた。




