90話 四獣バングル便利過ぎる...
警報が鳴り響く。
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「――敵性反応接近」
「施設外周に機械兵多数確認」
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格納庫が揺れる。
遠くで爆発音。
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守
「このままじゃ……!」
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焔
「チッ、もう来やがったか……!」
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剣
「時間がない」
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昇は振り返る。
視線の先――
四獣神。
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「行くぞ!!」
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4人はそれぞれの機体へ走る。
コックピットへ飛び込む。
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視界が立ち上がる。
システム起動。
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昇
「起動!!」
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――沈黙。
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「……は?」
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動かない。
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焔
「おい、動けよ!!」
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守
「反応が……ありません……!」
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剣
「……やはり、ダメか」
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外では爆発音がさらに近づく。
床が揺れる。
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昇が操縦席を叩く。
「動けよ!!」
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焔
「来いよ!!」
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守
「まだ終わらせません!」
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剣
「……」
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それでも――
動かない。
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昇の手が止まる。
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「……くそ」
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一瞬。
沈黙。
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その中で――
記憶がよみがえる。
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戦ってきた日々。
交わした言葉。
そして――別れ。
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昇が、ゆっくりと顔を上げる。
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「……こんなところで終われるか」
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焔
「まだやれるだろ……!」
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守
「まだ終わらせません!」
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剣
「……」
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一瞬の静寂。
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次の瞬間――
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「「「「動けぇぇぇぇ!!」」」」
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四人は同時に、
コックピットの操作盤を叩きつけた。
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四人の腕の四獣バングルが、
一斉に光を放つ。
格納庫が震える。
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四獣AIの声。
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「……通常とは異なる反応を検知」
「これは――」
一瞬の間。
「適合者の感情と四獣バングルが共鳴しています」
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「記録が……呼び起こされています」
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光が、機体へと流れ込む。
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そして――
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「来るぞ、昇」
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昇の目が見開く。
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「……え」
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次の瞬間、
涙がこぼれる。
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笑いながら。
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「帰ってきたのに……いきなりそのセリフかよ……!」
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焔
「……は?」
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一瞬止まり、
そして笑う。
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「……マジかよ」
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守
「……あ……」
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そのまま涙があふれる。
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剣は何も言わない。
ただ――
静かに一筋の涙を流した。
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昇が前を見る。
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「……行くぞ」
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三人が頷く。
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そして――
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「「「「一緒に戦うぞ!!」」」」
「「「「ああ!!」」」」
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その瞬間――
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四獣神の装甲が、
わずかに光を帯びた。




