88話 87話と88話は合体させて良かったんだけどね 切った
格納庫。
四獣神は、動かないままだった。
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昇
「……なんでだよ」
もう一度、操作を叩く。
「起動!!」
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――反応なし。
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「くそっ!!」
昇がコックピット内で苛立つ。
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焔
「こっちもダメだ!」
「全然動かねぇ!」
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守
「システムは起動しています……!」
「でも……機体が応答していません……!」
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剣が冷静に分析する。
「入力は通っている」
「だが出力に変換されていない」
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沈黙。
理解できない現象。
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その時。
四獣AIの声が響く。
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「――原因を特定しました」
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昇
「は?」
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守
「原因……?」
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「現在の適合率では、四獣神の起動条件を満たしていません」
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一瞬、空気が止まる。
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焔
「……適合率?」
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剣が低く呟く。
「今まで問題になったことはないはずだ」
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守も続く。
「はい……四獣王では問題なく……」
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昇が苛立つ。
「じゃあなんで今さらだよ!!」
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博士たちがざわつく。
「適合率の低下……?」
「いや、そんなはずは……」
「新機体の影響か……?」
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一人の博士が言う。
「機体側の調整が必要ではないか?」
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「制御システムを再調整すれば――」
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その時。
四獣AIが遮る。
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「――不要です」
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静寂。
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「問題は機体側には存在しません」
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全員の視線が止まる。
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「原因は――」
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わずかな間。
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「あなた達です」
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沈黙。
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昇
「……は?」
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焔
「いやいや、待てって」
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守
「僕たち……?」
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剣も、言葉を止める。
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四獣AIが続ける。
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「現在の精神状態では」
「四獣神の要求する適合条件を満たしていません」
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昇が顔をしかめる。
「精神状態って……なんだよそれ」
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答えは返ってこない。
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ただ一つ、分かること。
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問題は――
自分たちにある。
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誰も、何も言えなかった。
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四獣神は動かない。
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そして四人は、
その場に立ち尽くすしかなかった。




