78話 帰らすわけがないだろ
巨大な図書館。
天井まで届く本棚が何列も並び、奥が見えないほど広い。
昇が周りを見回す。
「……広すぎだろ」
守も驚く。
「これ全部本なんですか…」
焔が口笛を吹く。
「普通の街の図書館よりデカいぞ」
剣が静かに言う。
「手分けして探す」
「その方が早い」
四人は頷き、図書館の中へ歩き出した。
⸻
しばらくして。
昇が本棚の前で足を止める。
「ん?」
本棚から一冊抜き取る。
昇
「お、漫画ある」
焔が振り向く。
「マジ?」
昇がページをめくる。
焔も横から覗き込む。
「ちょっと見せろ」
昇
「これ面白そうじゃね?」
二人はその場で読み始めた。
剣がそれを見て深くため息をつく。
「……はぁ」
守が慌てて二人の間に入る。
「何やってるんですか!」
昇
「いやちょっとだけ」
焔
「面白そうだったから」
守
「探さないと!」
剣が言う。
「組み直す」
三人が剣を見る。
剣は冷静に言う。
「お前ら二人を一緒にすると遊び始める」
「ペアを変える」
剣が指を向ける。
「昇と守」
「俺と焔」
昇が笑う。
「信用ねえな」
剣
「ない」
四人は別れて図書館を探し始めた。
⸻
本棚の間。
焔が歩きながら言う。
「親父が読みそうな本か」
剣が本棚を見る。
「研究書の可能性が高い」
焔が別の棚を見る。
「守の父さんもこういうの読むのかな」
剣
「ああ」
その時。
本棚の向こうから声が聞こえた。
「焔?」
焔が振り向く。
「……え?」
本棚の向こうから男が現れる。
焔が目を見開く。
「親父!?」
同じ頃。
別の本棚。
守が本を見ている。
「父さんが読みそうな本は……」
その時。
声がする。
「守?」
守が振り向く。
「……父さん!」
焔と守。
それぞれ父親と再会する。
⸻
しばらくして。
昇たちも合流した。
博士三人が揃う。
昇が笑う。
「全員揃ったな」
昇の父が言う。
「長居は危険だ」
「すぐに脱出する」
剣が頷く。
「四獣王の場所へ向かう」
ワープ装置を使い、図書館を離れる。
そして――
月都市の外れ。
隠していた四獣王の元へ戻った。
⸻
四人はすぐに搭乗する。
コックピット。
昇が操縦桿を握る。
「よし」
「帰るぞ」
その瞬間――
影が落ちた。
巨大な機体が空から降りてくる。
全員の視線が上へ向く。
昇
「……なんだ?」
昇の父がその機体を見た瞬間。
顔色が変わった。
「あ、あれは……」
昇が聞く。
「父さん?」
父はゆっくり言う。
「今のままでは絶対勝てない」
焔
「は?」
父は続ける。
「逃してもくれない」
静かに言う。
「……全滅だ」
―――――
続く。




