74話 星見ながら喋る展開もありだったな...
格納庫。
四獣王が並んでいる。
ドラゴンウェア。
タイガーウェア。
フェニックスウェア。
タートルウェア。
その前に――
四人が立っていた。
誰も喋らない。
ただ、自分の機体を見ている。
しばらくして。
昇が口を開いた。
「……結局みんな寝れなかったんだな」
焔が笑う。
「そりゃ寝れるかよ」
「明日、月行くんだぞ?」
守が少し不安そうに言う。
「正直……」
「少し怖いです」
焔が肩をすくめる。
「まあ普通はそうだろ」
守が昇を見る。
「昇は……怖くないんですか?」
昇はドラゴンウェアを見上げる。
少し考える。
そして言う。
「前はさ」
「1人で月に行ったから不安だった」
焔が言う。
「そういやそうだったな」
昇が続ける。
「でも今は違う」
焔を見る。
剣を見る。
守を見る。
「今は焔や剣、守もいる」
昇が少し笑う。
「だから大丈夫だ」
拳を握る。
「俺たちなら」
「絶対、親父たちを助けられる」
少しの沈黙。
焔がニヤッと笑う。
「当たり前だ」
守が力強く頷く。
「はい」
剣が静かに言う。
「作戦は変わらない」
「博士たちを奪還する」
「そして帰る」
昇が笑う。
「シンプルでいいじゃん」
焔が言う。
「その方が燃える」
守も言う。
「全力でやるだけですね」
剣が頷く。
「ああ」
四人はもう一度、自分の機体を見る。
明日。
この四獣王で月へ行く。
昇が言う。
「よし」
「寝るか」
焔が笑う。
「今さら寝れるか?」
守が言う。
「でも寝ないとですね」
剣が言う。
「明日は早い」
四人は格納庫を後にした。
静かな格納庫。
四獣王が並んでいる。
そして――
月への戦いが始まる。




