66話 負けたらまた会議 もうねわかってただろ!!
施設内。
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静かだった。
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修復用アームが四獣王の装甲を整備している。
火花。
機械音。
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誰も喋らない。
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負けた。
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それが全てだった。
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「……くそ」
昇が呟く。
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拳を握る。
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「あと少しだったのに……」
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壁を殴る。
鈍い音。
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焔が天井を見上げたまま言う。
「強すぎるだろ、あれ……」
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守も俯く。
「……はい……」
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剣だけが静かだった。
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「勝てない理由がある」
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三人が顔を上げる。
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「理由……?」
昇が言う。
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その時。
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四体の小さな影が浮かび上がる。
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四獣AI。
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青龍。
白虎。
朱雀。
玄武。
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「戦闘データ解析を完了しました」
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青龍が言う。
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「結論を報告します」
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白虎。
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「現状戦力では」
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朱雀。
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「麒麟の捕獲は困難です」
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玄武。
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静寂。
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空気が重くなる。
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「……やっぱりかよ」
昇が吐き捨てる。
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だが。
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青龍が続けた。
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「ですが」
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全員が顔を上げる。
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「方法があります」
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空気が変わる。
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「方法……?」
守が呟く。
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白虎が言う。
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「これまで捕獲した機械兵の解析を行いました」
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朱雀。
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「構造の一部に」
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玄武。
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「四獣王よりも高効率なエネルギー伝達機構を確認しました」
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昇が眉をひそめる。
「……どういうことだ?」
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青龍が説明する。
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「同じエネルギー量でも」
「より大きな出力を発生できる構造です」
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「つまり」
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「機械兵のパーツを利用すれば」
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「四獣王の出力を向上させることが可能です」
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焔が反応する。
「強くなれるってことか?」
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「はい」
四獣AIが同時に答える。
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守が少し驚いた声を出す。
「そんなことが……」
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剣が腕を組む。
「どの程度上がる」
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青龍。
「推定値ですが」
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白虎。
「麒麟への対抗可能域に到達します」
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沈黙。
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昇が笑う。
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「……上等じゃねぇか」
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拳を握る。
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「やるしかねぇだろ」
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焔が笑う。
「当然」
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守が頷く。
「はい!」
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剣も静かに言う。
「ああ」
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四獣AIが告げる。
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「準備を開始します」
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敗北したことは変わっていない。
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だが。
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希望は生まれていた。




