61話 そういえば親父達が誘拐されてから2ヶ月経ってる事にしといてください
施設格納庫。
静まり返っていた。
⸻
誰も喋らない。
⸻
戦闘の記録だけがモニターに流れている。
⸻
敗北。
⸻
四獣合体。
それでも届かなかった。
⸻
昇は拳を握っていた。
⸻
「……クソ」
⸻
守が小さく言う。
「僕たち……」
「勝てるんでしょうか……」
⸻
焔も答えない。
⸻
剣はモニターを見ている。
⸻
四獣AIが告げる。
⸻
「戦闘データ解析完了」
⸻
「対象個体は」
「四獣王と同系統技術で構成されています」
⸻
守が驚く。
「同じ……技術……」
⸻
「はい」
⸻
「さらに」
⸻
「四獣合体出力を上回っています」
⸻
沈黙。
⸻
昇の目が揺れる。
⸻
「……は?」
⸻
焔が低く言う。
「上回ってる……?」
⸻
四獣AI。
⸻
「はい」
「総合性能において劣っています」
⸻
現実。
⸻
圧倒的な差。
⸻
守の声が震える。
「そんな……」
⸻
昇が叫ぶ。
「じゃあどうすんだよ!!」
⸻
誰も答えない。
⸻
剣が静かに言う。
「今のままでは無理だ」
⸻
重い言葉。
⸻
沈黙が落ちる。
⸻
敗北。
⸻
初めてだった。
⸻
絶対に勝てないかもしれないと。
思ったのは。
⸻
その時。
⸻
ノイズ。
⸻
《通信反応》
⸻
全員が顔を上げる。
⸻
「……?」
⸻
四獣AI。
⸻
「未知の信号を受信」
⸻
ノイズが増える。
⸻
音声が混じる。
⸻
そして。
⸻
『――聞こえるか』
⸻
声。
⸻
昇の目が見開く。
⸻
「……父さん?」




