51話 父さん達を助けに行くのはまだまだ先になります
昨日と同じぐらいの頻度目指します
施設の中央モニターに光が走る。
拘束された機械兵のコア。
分解された内部構造。
四獣AIが解析を続けていた。
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「座標……分かるんですよね?」
守がモニターを見つめながら言った。
「分かる」
剣が短く答える。
「情報は残っているはずだ」
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昇は腕を組みながら画面を睨んでいた。
「月なのは分かってんだよな」
「ああ」
焔が頷く。
「問題は場所だ」
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その時。
モニターの表示が変わった。
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《解析完了》
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全員の視線が集中する。
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「転移元座標を特定しました」
「月面です」
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「やっぱりな」
昇が小さく笑う。
だがAIは続けた。
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「転移ポイントは固定されています」
「同一座標からの転移と判明しました」
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モニターに映る。
月面。
その一点。
赤く表示された座標。
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「ここが……」
守が呟く。
「ワープの出入口か」
焔が言う。
「可能性が高い」
剣が静かに頷いた。
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さらに解析が進む。
映像が拡大される。
そこには――
巨大な構造物の反応。
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「月面上に大規模エネルギー源を確認」
「人工構造物の存在確率が高いと推定されます」
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昇が笑う。
「ビンゴだな」
「親父たちもそこにいる可能性が高い」
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「じゃあ……」
守の声に期待が混じる。
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「行こうぜ」
昇が言った。
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だが。
AIは即座に答えた。
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「不可能です」
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空気が止まる。
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「……理由は」
焔が静かに聞く。
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「地球から月面への空間転移には」
「膨大なエネルギーが必要です」
「現在の四獣王では出力が不足しています」
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「そんな……」
守が言葉を失う。
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「どれくらい足りねぇんだ?」
昇が聞く。
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「推定必要エネルギー量」
「現在出力の数十倍」
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沈黙が落ちる。
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「現実的ではないな」
剣が言った。
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昇が頭を掻く。
「いやでもさ」
「敵は普通に来てんじゃん」
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「確かに」
焔が腕を組む。
「方法はあるはずだ」
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「敵のエネルギーを利用するとか……?」
守が言う。
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「可能性はあります」
「ですが確証はありません」
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剣が静かに言った。
「方法を見つけるしかない」
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昇が拳を握る。
「月に行く準備だな」
「ここまで来たんだ」
「止まる理由ねぇだろ」
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「ああ」
焔が頷く。
「はい!」
守も強く答える。
「当然だ」
剣が言った。
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モニターに映る月。
赤く表示された座標。
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そこに。
敵の本拠がある。
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そして。
まだ届かない距離。
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だが――
必ず行く。




