47話 今日で1ヶ月経ちました
遂にです
破壊された機械兵の残骸が、床に転がっていた。
原型はほとんど残っていない。
内部構造も、コアも、
すべてが焼き切れている。
「……何も残ってねぇな」
昇が低く言った。
「はい」
四獣AIが答える。
「解析可能な情報は存在しません」
守が、わずかに俯く。
「完全に……消されたんですね」
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「敵は」
四獣AIが続ける。
「捕獲状態を検知した場合」
「中枢から自壊命令が送信される構造です」
「……徹底してるな」
剣が静かに言う。
兵器は、情報を残さない。
奪われるくらいなら壊す。
その思想が、はっきりと見えていた。
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短い沈黙。
だが、四獣AIは続けた。
「対抗手段は存在します」
全員が顔を上げる。
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「中枢通信を一時的に遮断すれば」
「自壊命令は停止可能です」
「……出来るのか?」
昇が聞く。
「はい」
一拍。
「コア抑制ユニットを作成します」
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空気が変わった。
絶望の流れが、一瞬で動き出す。
「それで」
焔が腕を組む。
「捕まえられるってことか?」
「成功率は上昇します」
四獣AIは淡々と言った。
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「ユニットは」
「敵コアへ直接接触させる必要があります」
守:
「接触……」
昇:
「つまり殴りに行けってことだな」
「はい」
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剣が、ゆっくり頷く。
「やるしかない」
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四獣AIが製造工程を開始する。
施設内に光が走り、
装置生成ラインが起動した。
《コア抑制ユニット》
《製造開始》
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「完成予測時間を表示します」
モニターに数値が浮かぶ。
昇:
「……間に合うか?」
AI:
「保証は出来ません」
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焔が小さく笑う。
「来るだろうな」
守も頷く。
「はい……きっと」
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剣は静かに言った。
「完成するまで」
「守る」
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昇が拳を鳴らす。
「だったら簡単だろ」
「ぶっ飛ばして時間稼げばいいだけだ」
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その瞬間。
警報が鳴った。
《敵反応を検知》
施設全体に緊張が走る。
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「距離は?」
剣が聞く。
「接触予測時間」
「短縮しています」
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昇が笑った。
「いいじゃねぇか」
「ちょうどいい」
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剣が振り返る。
「迎撃準備」
全員が頷いた。
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モニターには迫り来る敵影。
そしてその横で、
静かに進む製造カウント。
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戦いは、もう始まっていた。




