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第67話 誤認

「……オ……ウ……」


巨大ゴブリンの声が、広場に響く。


低い。


重い。


まるで地面の下から聞こえてくるみたいだった。


誰も動けない。


兵士も。


避難民も。


冒険者も。


全員が、巨大ゴブリンを見ていた。


そして。


その視線は、ゆっくりジョンへ向かう。


「……王?」


誰かが呟いた。


それだけだった。


たった一言。


なのに。


空気が変わる。


「まさか……」


「本当にあのガキが……?」


「群れの主なのか……?」


違う。


違うのに。


「違います!!」


ジョンは叫んだ。


「僕じゃない!」


だが。


説得力がなかった。


実際に。


赤黒いゴブリンたちはジョンを守っている。


巨大ゴブリンはジョンを見ている。


指輪は光っている。


否定材料が、なかった。


おっさんが小さく舌打ちする。


「最悪の流れだな」


かなり本気の声だった。


兵士たちの空気も変わっていた。


恐怖。


警戒。


そして。


敵意。


槍の向きが変わる。


ゴブリンではない。


ジョンへ。


「待て!」


若い兵士が叫ぶ。


「まだ決まったわけじゃ――」


「だが見ただろ!」


別の兵士が怒鳴る。


「魔物が守ってる!」


「普通じゃねぇ!」


それはそうだ。


ジョンもそう思う。


巨大ゴブリンが、一歩前に出る。


ズシン。


広場が揺れる。


すると。


ジョンを囲っていた赤黒いゴブリンたちも動いた。


巨大ゴブリンを警戒している。


群れの中で対立していた。


「……なんなんだよこれ」


冒険者の誰かが呟く。


全員、同じ気持ちだった。


ドクン。


指輪が脈打つ。


熱い。


今までで一番。


「ぐっ……!」


ジョンが胸を押さえる。


視界が揺れた。


その瞬間。


頭の中に、声が流れ込んできた。


『――返セ』


「っ!?」


ジョンの体が震える。


今のは。


なんだ。


『返セ』


まただ。


低い声。


人間じゃない。


でも。


意味は分かる。


「おっさん……!」


顔が青くなる。


「聞こえた!」


「何がだ!」


『返セ』


『王ノ証』


ジョンの呼吸が止まる。


王の証。


それって。


指輪のことか?


巨大ゴブリンが、ゆっくり腕を伸ばす。


ジョンへ向かって。


周囲の兵士たちが騒ぐ。


「来るぞ!!」


「迎撃!!」


弓が構えられる。


槍が向けられる。


だが。


赤黒いゴブリンたちが立ちはだかった。


ジョンを守るように。


「おいおい……」


おっさんの顔が引きつる。


「完全に“王”扱いじゃねぇか……」


やめてほしかった。


本当に。


ジョンはただの子供だ。


そんなものになりたいわけじゃない。


だが。


周囲は、もう違った。


避難民たちは距離を取っている。


兵士たちは武器を向けている。


冒険者たちは、いつ逃げるか考えている顔だ。


誰も。


ジョンを“普通の子供”として見ていなかった。


巨大ゴブリンが、また口を開く。


真っ赤な目。


まっすぐジョンを見る。


『返セ』


その瞬間。


指輪が、眩しく光った。

【あとがき:現在のステータス】


【スキル】

■武器系

刀剣スキル 20

盾スキル 3

戦闘技術スキル 13


■生産系

料理スキル 13


■その他

鑑定スキル 0.3


【所持金】

2,171g(銀行預け金:11,250g(銀貨11枚、銅貨2枚、半銅貨5枚))


【所持アイテム】

・???のスクロール 6枚

・奴隷のマクダフの野郎

・武器破損した剣

・???の指輪(バンステ金策で入手)

・ゴブリン(テイム)


【投資・契約】

・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)

 元本:金貨10枚

 状態:運用中

 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)

 詳細:非公開/高リスク


【装備品】

・骨護札の首かざり

・水トカゲの手袋(呪)

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