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第59話 見られている

真っ赤な目。


赤黒いゴブリンは、ずっとジョンを見ていた。



周囲は大混乱だ。


兵士が吹き飛ぶ。


悲鳴。


怒鳴り声。


門が閉まりきらない。


なのに。


あいつだけは。


ジョンから目を離さない。



「おっさん……」


嫌な汗が出る。


「あいつ」


声が震えた。


「僕、見られてませんか?」


「見られてるな」


即答だった。



「なんで!?」


「知らねぇよ!俺にもさっぱりだ」


おっさんも余裕がない。


珍しい。


かなり珍しい。



赤黒いゴブリンが、一歩前に出る。


そのたびに地面が鳴る。


重い。


普通のゴブリンじゃない。



兵士たちが槍を向ける。


「止めろぉ!!」


突撃。


槍が刺さる。


……浅い。



赤黒いゴブリンが、腕を振る。


グシャ。


嫌な音。


兵士が壁に叩きつけられた。


動かない。



「うわ……」


ジョンの顔が引きつる。


強い。


コロシアムの魔物より、ずっと。



その時。


胸元の指輪が、また熱くなった。


ジリジリする。


痛い。



「っ!」


ジョンが服の上から押さえる。


すると。


赤黒いゴブリンが、また笑った。



「……おい」


おっさんの顔が険しい。


「その指輪、見せろ」


ジョンは急いで取り出した。


黒い指輪。


模様が赤く光っている。


脈打つみたいに。


ドクン。


ドクン。



赤黒いゴブリンも、動きを止めていた。


まるで。


指輪を見ているみたいに。



「……最悪だ」


おっさんが吐き捨てる。


「その指輪、何かと繋がってやがる」


「え?」


「しかも、あいつ側だ」


意味が分からない。


でも。


ヤバいことだけは分かる。



その瞬間。


赤黒いゴブリンが、口を開いた。



「……ァ」


低い声。


喉が潰れたみたいな音。



周囲が静まる。


兵士も。


冒険者も。


一瞬だけ、止まった。



「……しゃ、喋った?」


誰かが呟く。


ありえない。


ゴブリンだぞ。



赤黒いゴブリンの目が細くなる。


そして。


もう一度。



「……ア、ア……」


言葉になっていない。


でも。


何かを伝えようとしている。


そんな感じだった。



「おっさん……」


ジョンの声が震える。


「これ、ほんとにゴブリンなんですか……?」


返事はなかった。



おっさんは。


初めて見るくらい、嫌そうな顔をしていた。

【あとがき:現在のステータス】


【スキル】

■武器系

刀剣スキル 20

盾スキル 3

戦闘技術スキル 13


■生産系

料理スキル 13


■その他

鑑定スキル 0.3


【所持金】

2,171g(銀行預け金:11,250g(銀貨11枚、銅貨2枚、半銅貨5枚))


【所持アイテム】

・???のスクロール 6枚

・奴隷のマクダフの野郎

・武器破損した剣

・???の指輪(バンステ金策で入手)

・ゴブリン(テイム)


【投資・契約】

・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)

 元本:金貨10枚

 状態:運用中

 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)

 詳細:非公開/高リスク


【装備品】

・骨護札の首かざり

・水トカゲの手袋(呪)

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