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第51話 見世物

準決勝の対戦相手は――


どう見ても、魔物ではなかった。


ここはモンスターコロシアムだ。

魔物同士を戦わせる場所。


そのはずだった。


なのに。


コロシアムに立っているのは、人間だ。


完全に。


言い逃れの余地もない。


トレーナーが人間なのは分かる。


僕もそうだ。


だが、違う。


立ち位置が違う。


あれは“戦う側”だ。


アナウンスは、止まらない。


何事もないように続く。


観客も同じだ。


誰も騒がない。


誰も疑問を持たない。


――これが普通。


そう言われているみたいだった。


会場の空気は、完全にアウェーだ。


いや。


それ以上だ。


僕たちだけが“間違っている側”にいる。


そんな感じだ。


王国騎士団。


その隊長。


ゴブリンを狩る。


それだけの構図。


もう試合じゃない。


ただの――


処理だ。


「君とこんな場所で戦うのは残念だ」


相手が言う。


真っ直ぐに。


迷いなく。


「だが私は王国騎士団の名を背負っている」


「負けるわけにはいかない」


……本気だ。


相手は。


最初から最後まで。


後ろの少女が、口を動かしている。


小さく。


途切れず。


詠唱。


身体強化。


武器強化。


重ねている。


まだ開始の合図もないのに。


審判は、何も言わない。


見ているはずなのに。


何も。


違う。


これは、戦いじゃない。


条件が違う。


前提が違う。


僕は何もできない。


強化もできない。


支援もない。


ただ。


応援するだけ。


それだけだ。


「――開始ィッ!!」


声が響く。


その瞬間。


空気が変わる。


圧。


風。


見えない何かが、叩きつけられる。


後ろにいる僕まで、よろける。


息が詰まる。


立っていられない。


視界が揺れる。


音が遅れる。


終わっていた。


何も、していない。


できていない。


パックは銃を構える前に――


終わった。


遅れて、声がくる。


歓声。


罵声。


笑い。


全部。


「やっぱりな!」


「当然だ!」


「格が違うんだよ!」


来賓席。


拍手。


割れるような音。


王国騎士団の隊長へ。


惜しみなく。


当然のように。


僕たちは――


何だったんだ。


見世物。


そういうことか。


最初から。


最後まで。


竜に勝った?


関係ない。


ここでは意味がない。


僕たちは。


ただ。


“潰される側”だった。


試合が終わる。


すぐに動かされる。


言葉もない。


余韻もない。


「お疲れ様でした」


事務的な声。


「ここで終了です。選手札を」


手を出される。


「あ……はい」


渡す。


それで終わり。


控え室からも、すぐに出される。


押し出されるように。


外へ。


気づいたら。


宿屋だった。


狭い。


いつもの部屋。


匂いも同じ。


音も同じ。


さっきまでの場所が、嘘みたいだった。


「ひどい試合だったな」


おっさんが言う。


笑っている。


いつも通りに。


「あれは無理だ」


はっきり言う。


「今の俺たちじゃな」


……今は。


その言葉だけが、残った。


マクダフはいない。


戻っていない。


どこにいるかも分からない。


どうでもよかった。


今は。

【あとがき:現在のステータス】


【スキル】

■武器系

刀剣スキル 20

盾スキル 3

戦闘技術スキル 13


■生産系

料理スキル 13


■その他

鑑定スキル 0.3


【所持金】

1,002,171g(銀行預け金:11,250g(銀貨11枚、銅貨2枚、半銅貨5枚))


【所持アイテム】

・???のスクロール 6枚

・奴隷のマクダフ

・武器破損した剣

・???の指輪(バンステ金策で入手)

・ゴブリン(テイム)


【装備品】

・骨護札の首かざり

・水トカゲの手袋(呪)

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