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第113話 王都の会議

「報告書が届きました。」


王都。


中立共栄大金庫本店。


秘書が厚い封筒を机へ置く。


頭取は静かに受け取った。


差出人。


契約監査官 エドガー


「読め。」


秘書が封を切る。


部屋には役員が十人。


全員が真剣な顔だった。


「発行者ジョン。」


「年齢、若年。」


「職業、冒険者。」


「悪意なし。」


役員の一人が苦笑した。


「悪意なし?」


「そんな報告がありますか。」


秘書は続きを読む。


「利益を私的に使う様子なし。」


「帳簿管理は極めて丁寧。」


「破損券は回収後、交換。」


「二重発行なし。」


部屋が静かになる。


「……。」


役員が小さく呟く。


「銀行員でも、ここまで徹底する者は少ない。」


一方その頃。


「旦那ぁ!」


マクダフが紙袋を抱えて帰ってきた。


「見てくだせぇ!」


「どうしたの?」


「紙屋のおっちゃんが、おまけをくれました!」


「おまけ?」


袋の中には、小さな紙束が入っていた。


「切れ端だけど、メモに使えるぞって。」


「わあ!」


僕は嬉しくなった。


「ありがとうございます!」


紙屋のおじさんは照れくさそうに笑う。


「毎日あれだけ買ってくれるからな。」


「捨てるより使ってくれ。」


「大事にします!」


その様子を、少し離れた場所からエドガーが見ていた。


「……値切らないのか。」


支店長が肩をすくめる。


「値切るより、お礼を言う子です。」


「そういう少年ですよ。」


午後。


商人ギルド。


「ジョン君。」


「これ、確認をお願い。」


旅商人が一枚の券を差し出した。


「角が少し汚れちゃって。」


「番号は見えるね。」


僕は台帳を開く。


「百十八番。」


「あります。」


「本物です。」


旅商人はほっと息をついた。


「助かった。」


「これがないと、取引先で困るんだ。」


「そんなに?」


「うん。」


「最近は遠くでも使えるからね。」


僕は笑顔になる。


「みんなが使ってくれて嬉しい!」


おっさんは小声で呟く。


「本人だけが平和だ。」


その日の夕方。


銀行ポーシャ支店。


エドガーは支店長へ尋ねた。


「ジョン君は。」


「発行手数料を取っていますか。」


「いいえ。」


「交換手数料は。」


「ありません。」


「台帳管理料。」


「ありません。」


「登録料。」


「ありません。」


「年会費。」


「ありません。」


「……。」


エドガーは眼鏡を外した。


目を閉じる。


「利益は。」


支店長が苦笑する。


「ほぼありません。」


「紙代の方が心配です。」


「……理解しました。」


エドガーは静かに立ち上がる。


「この少年は。」


「儲け方を知らない。」


「ですが。」


支店長が続ける。


「信用の作り方だけは、誰より知っています。」


同じ頃。


王都。


報告書を読み終えた頭取が口を開く。


「諸君。」


役員全員が顔を上げる。


「ジョンを危険人物と考える者はいるか。」


誰も手を挙げない。


「では。」


頭取は次の質問をした。


「ジョンを放置してよいと考える者は。」


今度も誰も手を挙げなかった。


沈黙。


長い沈黙だった。


やがて一人の役員が言う。


「危険なのは。」


「少年ではありません。」


「少年を中心に生まれた信用です。」


頭取は静かに頷く。


「その通りだ。」


「ならば。」


「我々が守るべきものは何か。」


部屋の隅で、若い役員が答えた。


「……信用です。」


頭取は初めて小さく笑った。


「良い答えだ。」


「では。」


「ジョンを守れ。」


部屋中がざわつく。


「守る?」


「はい。」


頭取は窓の外を見つめる。


「利用されれば。」


「国が揺らぐ。」


「ならば。」


「利用されないよう守る。」


その決定は。


後に王都全体を巻き込む大きな方針となる。


夜。


宿。


「今日は忙しかったね。」


「うん。」


僕は台帳を閉じる。


「でも。」


「みんなが喜んでくれた。」


「それが一番!」


懐ではキュ太郎が丸くなる。


「きゅ。」


僕は笑いながら毛玉を撫でた。


その頃。


王都では。


一人の少年を守るための計画が、静かに動き始めていた。

【あとがき:現在のステータス】


【スキル】

■武器系

刀剣スキル 20

盾スキル 3

戦闘技術スキル 13


■生産系

料理スキル 13


■その他

鑑定スキル 0.3


【所持金】

171G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))


ジョン

「紙のおまけをもらっちゃった!」

おっさん

「信用のおまけだな。」


【所持アイテム】

???のスクロール 6枚

奴隷のマクダフの野郎

 (紙袋運搬係として今日も活躍)

武器破損した剣

???の指輪(バンステ金策で入手)

ゴブリン(テイム)

ケムトレイル群(保護対象)

キュ太郎

 (紙袋の中に入り込み、紙屋のおじさんに笑われた)


【投資・契約】

中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)

元本:金貨10枚

状態:運用中


ジョン

「投資も順調だといいな。」

銀行

「契約期間中です。」

おっさん

「その返事しか聞いたことがない。」


【M資金速報】

発行券種

100G券 ★★★★★

500G券 ★★★★

1000G券 ★★★★

5000G券 ★★★


広がった町

✅ ポーシャ

✅ 隣町

✅ 宿場町

〇 王都(正式協議開始)


現在のみんなの目的

ジョン「鉱山!」

町人「便利!」

商人「決済!」

銀行「信用維持!」

裏社会「紹介料!」

王都「ジョン保護方針を検討!」


※ジョン個人の所持金に変動はありません。


ジョンの一言

ジョン

「おまけって嬉しいね!」

おっさん

「一番高いおまけは、人の信用だ。」

マクダフ

「俺も信用を貯金できませんかねぇ……。」

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