表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
50/76

20 キュウヨン

―――四ツ谷杯二日前 午前二時


 深夜、ロキのBAPサブアカウントにメールの着信があった。


件名:94の件


 ロキは本文を確認して、メールを消去する。

 同時に恵比寿駅近辺に待機していたノルンが車を発車させる。

 ノルンはロキのサブアカウントプレイヤーである。車はロシアの軍用車uaz469だ。


 三十分後、ノルンは川崎港に到着した。

 無人の埠頭に一台の軍用トラックがエンジンをアイドリングさせて停まっている。ノルンはそのトラックの横に車を停めた。


 トラックの運転席から一人の男性プレイヤーが降りて来た。一抱えもある巨大なケースを手に持っている。

 ノルンも車から降りる。ノルンは地味な戦闘服姿の女性アバターだったが、その美しい横顔に月の光が当たって絵画のように映える。


「94か?」ノルンが問う

「そうだ」男が答える。


 男はノルンに歩み寄ると巨大なケースをアスファルトにそっと置く。

 ノルンはケースに向かってしゃがみこみ、パスワードを入力する。

 カチッと音がしてロックが外れる。

 ノルンはケースの蓋を開けて中身を確認すると再び蓋を閉じた。


「問題ない」

 ノルンがそう言うと、男はくるりと背中を向けるてトラックに向かって歩き出した。

 ノルンはその男の背中に向けて指をタップする。男のハンドル名が表示される。


―――田中

 NPCの紫色の文字だった。


「ふん」

 ノルンは鼻で笑うとケースを車の後部座席に乗せ運転席に座る。

 男のトラックが発車し、南の方角に走り去る。


 五分後、ノルンも車を発進させ、渋谷方面に走り去った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ