15 ユウラクチョウ02
「五射目、装填完了しました!」
日比谷公園の野外音楽堂のステージでは、ジュリアとピンクドルフィンの九人の女性プレイヤーが射撃体勢を取っている。
「よし、てっ!」
ハニーが下令する。
十人のプレイヤーが一斉にライフルグレネードを発射する。
グレネードは高い放物線を描いて有楽町のビル群を超えていく、続けて爆発音。
「あー、また外れた。これ無理、ぜんぜん当たらないよー」
ハニーがドローンからの着弾映像を見て悔しそうに言う。
「ジュリアちゃんは? また当たりかぁ、ほんと百発百中よね。どうやってるの、コツを教えてよ」
「うーん良く狙うことかな」
「そんだけ? 私には絶対無理」
如月ハニーは女性限定のエリートチーム、『ピンクドルフィン』のリーダーだ。まつ毛の長いアーモンドアイに銀色のフレームのメガネをかけ、髪はポニーテールをきつ目に結んでいる。グレネードが外れるたびに子供のように悔しがる。
「まあ今日は当てなくてもいい作戦だから気にしない気にしない」
ジュリアが悔しがるハニーをなだめる。
「そろそろ砲撃が来そう、退避の用意をして」
ハニーが腕時計を確認し配下のメンバーに指示を与える。その時、甲高い風切り音が鳴り、彼女たちがいるステージの裏で爆発が起きた。
―――ドドーン!
野外音楽堂のステージがグラグラと揺さぶられる。
「来たね、全員退避!」
十人の品川プレイヤーが一斉にステージから飛び降りる。
―――ドドーン!
再度砲弾が炸裂してあたりに強烈な爆煙が充満する。彼女たちがいた野外音楽堂のステージが崩れ落ちた。




