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10 チームディケロ01

「みんなおつかれ、パーフェクト勝利だ!」

 ジョーが立ち上がってメンバーをねぎらう。


「ふぅ、撃った撃った」ナミも立ち上がり巨乳を揺らしながら両手を上げて伸びをする。

「真田さんも初陣おつかれさま、大活躍でしたね」

「いえ、全然足りないと思いました。もっと訓練しないといけません」

「でも何度か真田さんに助けられましたよありがとうございますもう足を向けて寝られません」

 ジュリアがペコりと頭を下げる。


「それにしても死亡ゼロは嬉しいですね」

 春菜がガッツポーズで言う。

「死者が一人出ると勝利ボーナスが半分になっちゃうんですよ、二人だとさらに半分、三人でさらに半分に」

「なかなか厳しいんですね」

「ええ、このルールが無いとみんな特攻隊になって、ゲームが大味になっちゃうので仕方ないんですけど」

「なるほど、このルールがあると無いとでは戦術が全然変わりますね」


「今回の売り上げは一人当たり十二万ゴールドです!」

「まいどありー!」

 ディケロメンバーは全員で歓声を上げた。


 その時、突然、ドローンの警報音が鳴る。

「春菜まずいぞ、敵の増援が来た、歩兵二十人、戦車五両、距離四百」

 ノブナガが会話に割り込んで来る。


「戦車五両! さすがに厳しいか、ジュリア、ライフルグレネードは何発持ってきた?」

「二発ですさっき一発使ったから残り一発です」

「撤退だな、よーしみんな、車に乗ってくれ」

 ディケロメンバーがジョーのハンヴィーに乗車する、ジョーは運転席でエンジンをかける。


―――キュルキュル、キュルキュル

「あれ、かからないぞ」

 ジョディが車を降りて確認する。

「残念ながらエンジンに弾もらってます」

「なにー!」

 どうやら先ほどの戦闘で流れ弾が当たったらしい。


「敵戦車、視界に入ります!」春菜が報告する。

 前方の角から大型の敵戦車が桜田通りに進入してくるのが見えた。

「タイガー戦車です!」

「目視で発見されました、距離三百、初弾来ます!」

 春菜が叫ぶ。


 メンバーは慌ただしくハンビーから降りて一斉に散開する。鈍い発射音とほぼ同時にタイガー戦車の八十八ミリ砲弾が着弾した。轟音とともに虎ノ門の交差点の信号機がなぎ倒され、砕けたアスファルトがばらばらと頭上から降り注ぐ。

「うひゃ、こりゃたまらん」

 ジョーが頭を下げながら叫ぶ。


「全員、路地に退避!」

「二弾目来ます!」

 春菜が叫んだ。発射音が聞こえた。交差点に停めてあったジョーのハンヴィーが轟音とともに吹き飛ばされる。

「あっちくしょう、俺の車!」

 メンバーは猛ダッシュで路地に駆け込んだ。


「ノブナガ、退却経路をナビして」

「うーん、とりあえず新橋駅方向に撤退だけど回り込まれてる、駅方向はちょい厳しいかな」

 春菜がドローン情報を確認する。

「敵が二手に別れました、新橋駅方面の退路を遮断する作戦のようです」

「クソっ、仕方ない。とりあえずみんなバラバラの方向に逃げよう。運が良ければ何人かは助かるかもしれない」


「せっかくパーフェクト勝利だったのにー」

 真田が悔しがる春菜を追い越して、前のジョーに追いつきながら話しかける。

「ジョーさん、ちょっと作戦を提案したいのですが」

「何かいいアイディアでも?」」

「もしかしたら敵戦車を封じられるかもしれません」


「こちらから仕掛けるってことですか? この状況じゃそう簡単じゃないと思いますが」

「河合、ここから百メートル南方にダミーを出せるか? 南に向かって逃げている体裁を装って」真田が振り返って言う。

「できるとおもいますっ!」春菜が後ろから走りながら答える。


「急ぎで頼む。多分行けると思います、みなさんとりあえず集まって下さい。作戦はこうです・・・」

 真田は手短に説明する、全員が真田の話に聞き入った。


 真田が話し終わると、メンバーはみなジョーの方を見た。ジョーは少し考えてから決心したようにメンバーを見回す。

「分かりましたやってみましょう、このままじゃどうせ追いつかれるし、可能性に賭けてみる価値はある。よしみんな配置に着け!」

 ジョーは髭面でニッと笑い、真田に親指を立てた。


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