お主に聞きたいことがある
「起きるのじゃ」
「ん?」
声が聞こえたので目を開けると大長老が目の前いた。
「おはようございます」
「うむ」
気配に敏感なつもりなのだが、この人は気配をまったく感じさせない。そういうファタスでももっているのだろうか?
「今日はあなたが指導してくれるのですか?」
「その通りじゃ。しかし・・・」
大長老は布団をめくり、キョロキョロと見まわした。
「何しているんですか?」
「いやなに、どこに隠しているのかと思ってのう」
隠す?
「何を隠しているというのですか?」
「ねんごろになった女じゃよ」
何を言うのかと思えば
「俺たちはそんな関係じゃないですよ」
「そうなのかえ?」
「そうです。着替えるので、部屋から出て行ってもらってもいいですか?」
「仕方ないのう。その代わり一つ聞いてもいいかのう?」
「なんでしょうか?」
「お主は鈍い男ではない。あの2人の気持ちには気づいているじゃろ。なぜ応えてやらん?」
「・・・」
「あれほどの美女に想いをよさせておるのじゃ。何が不満なのじゃ?」
「不満なんかなにですよ。ただ・・・」
「ただ?」
「俺は魔王を倒したら、元の世界に戻る人間です。そんな人間は彼女たちとこれ以上の関係を進めるつもりありませんよ」
俺は明日の魔王討伐で元の世界に戻る。だからこれでいいんだ。
「そうかい。わかったのじゃ。儂は下におるぞい」
「はい」
俺は着替えてから下に行った。




