訓練
「構えー、打てー」
エルフたちは丸太の的に矢を放った。今、デスマーチに向けてエルフたちの特訓をしていた。
「当たったぞ」
「当たったで白いところじゃねーか」
「丸太に当たらなかった。お前に言われたくないわ」
「うるせー」
エルフたちは命中精度に差はあっても数百メートルまで飛ばせる者が多かった。
「お兄ちゃん、どう?」
「うん、筋がいいぞ」
「えへへ」
大人のエルフは軍人に任せて、俺は子どもたちに弓を教えていた。当初は子どもたちは安全な場所に非難させようとしたが、ヒューマンを完全に信じられない者も少なくなく大森林にとどまることになった。なので自衛程度に鍛錬させることにした。
「ぼくは?」
「わたしは?」
「テリーはいい感じだが、ミリアはもう少しお尻に力を入れられるか?」
「ぐぬぬ。こ、こう?」
ミリアは思いっきり力を入れていた。
「強すぎるよ。それじゃあ、すぐ疲れるだろう?」
「難しいな・・・。わたし・・・才能ないかな・・・」
ミリアは涙目になっていた。
「大丈夫、俺も構えをできるようになるのに、一日かかったからな」
「本当?」
ミリアはうるんだ眼で俺を見ていた。
「ああ、だから頑張ろうな」
「うん、わたし頑張るね」
ミリアは今度は程よい力の入れ具合になった。
「おお!その体勢だ。すごいぞミリア」
俺はミリアの頭を撫でた。
「えへへ」
ミリアはできたことが嬉しかったのか、笑顔になった。
「・・・随分楽しそうね?」
「・・・本当です」
眉をヒクヒクしているエリスと頬を膨らませているティアが近づいてい来た。
「まぁな。人に教えるのは嫌いじゃないからな」
俺がそう言うと
「そう言われてるとこっちが嫉妬しているのが馬鹿みたいじゃない・・・」
「悪意がない分、たちが悪いです・・・」
2人は小さい声でよく聞こえなかった。
「2人とも昼食の準備はできたのか?」
「あと少しよ」
「こちらも焼きあがるのを待つだけです」
2人は調理班に配属されていた。エリスは最初弓の教官をやらせていたが、弓を教えるのが下手くそだった。
「ねぇ?私に教え方を教える気ない?」
「あっ、ずるいです。私にもお願いします」
教える人を増やすのは、時間があれば、いいけど今は時間がないからその方法は効率は悪いな。
「断る」
「なんでよ」「なんでですか?」
詰め寄って来ないで。
「あれは何だろう?」
「あれは修羅場って言うのよ」
子どもたちがひそひそと何か言っていた。




