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鍛錬なくば、凡人に敵わず
この男と戦っていて違和感があった。キレがあるが流動性がない。破壊力はあっても重みがないと感じ不思議な攻撃だった。
「さっきに斧を使っている姿を見られたくないと言っていたな?」
「それがどうした?」
「あんた斧で鍛錬したことないだろう?」
「当たり前だ」
やはりな。だから違和感を感じたんだ。
「降水流の教えに『鍛錬なくば、凡人に勝てず』だ」
バルスは意味が分からないようだった。
「いくら才能があっても鍛えなければ、才能がなくても努力している者に負けると言う意味だ」
「ふっ、何を言うかと思えば・・・貴様の世界ではそうなのかもしれないが、この世界は違う。会得しているファタスの量、質によって強さが決まる世界だ」
力に溺れる愚者か。残念だ。
「そろそろ決着をつけよう」
「それはこちらのセリフだぁーーー」
深呼吸して、心を落ち着かせた。バルスが突進してくるが焦らずに見極める、敵の隙を。
「うぉぉぉぉーーー」
流れを読み、流れに従い攻撃する。
「死ねぇぇぇぇ」
それすなわち降水のごとく。
「秋雨」
「ぐはぁ」
俺の一撃が腹に刺さった。
「まだだぁ」
「五月雨」
連撃がバルスの体に突き続けた。
「ぐっ・・・」
バルスは傷だらけになり血まみれだった。
「これで俺の勝ちだな」




