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サンタは来なくなるんじゃないよ

今回は、少しだけ優しいクリスマスの話です。


小さい頃、

「サンタさんって本当にいるの?」

って考えたこと、ありませんか?


そんな話を、

あめとサンタさんでしてもらいました。


どうして子供も大人も幸せなのかがわかる回ですww

小学生のあめは、雫にも、サンタにもよく質問をする子だった…


「ねえ、サンタさん」


「ん?」


「なんでサンタさんって、プレゼントくれるの?」


あめが、ぽつりと聞いた。


サンタは、少しだけ空を見上げる。


どこか遠くを見るような目で。


「……昔」


静かな声。


「ある子どもが、言い間違えたんだよ」


「言い間違え?」


「ああ」


小さく笑う。


「《サタン》って名前をな、《サンタ》って」


「へえー!」


あめは無邪気に笑った。


「かわいい!」


サンタは、その反応に少しだけ目を細める。


「……そうだな」


少しの沈黙。


風が、やわらかく吹く。


「その時、思ったんだ」


ぽつり、と。


「怖がられるより、子供に喜ばれたいなって」



あめは首をかしげる。


「サンタさんって怖いの?」


「…そのつもりはないけど、堕天すると悪魔になると言われてるんだよ…私の場合、名前もサタンになった…」


「悪魔なのかなぁ?」


少しだけ、遠い目。


「ってか、サンタさん何歳なのよ?!」


「2000からは数えてないかなぁ」

サンタは言った


あめの小さい頃からサンタはこうだからあめはなんとも思わないし、サンタはサンタだし、本当に不思議な力があるのも事実で否定はできないのだ


どちらかといえば、その疑問についてはどうでもいい


「私の事は怖いかい?」サンタが聞いた


「全く!」あめが言う


「よかった…」



サンタは、ゆっくりと視線を戻した。


少しだけ間を置いて、


「昔、その子達にクリスマスにプレゼントを渡すようになって喜んでもらえたことをきっかけに配るようになったんだ…」



あめは身を乗り出して満足そうに笑った。


「やっぱり本物のサンタさんなんじゃん!」


その言葉に、


サンタは何も言わなかった。


ただ、ほんの少しだけ、嬉しそうに笑った。


 


しばらくして。


あめが、またぽつりと聞く。


「ねえ」


「ん?」


「じゃあさ」


「なんで、クリスマスにサンタさん来なくなるの?」


サンタの動きが、ほんの一瞬だけ止まった。


風の音だけが、静かに流れる。


「……どうして、そう思う?」


「だって」


あめは指をいじりながら言う。


「友達がね、言ってたの」


「サンタさんなんていないって」

少しだけ、寂しそうに笑う。


「そしたら、来なくなったって」



沈黙。


サンタは、ゆっくりと息を吐いた。


「……そうだな」


静かな声。


「信じなくなった瞬間から子供も親も契約みたいなものが解けてしまうから…」


あめの肩が、ほんの少しだけ落ちる。


「なんで?」


まっすぐな問い。


サンタは、少しだけ目を細めた。



「この事が悪魔と言われる所以なのかもしれない…」


「赤ん坊として生まれた瞬間から、子供とそれを通じて親は私と想いが繋がるみたいなんだよ…」


(堕天して何十年か経って気づいたんだが…言い方が悪いが、わかりやすくいうと眷属ケンゾクだ…)


ゆっくり、言葉を選ぶ。


「信じている間、人の人生でほんの少しの時間、素敵な思いと共にサンタクロースは来るんだよ」


「信じなくなると子供も親も契約みたいなのが切れるんだ」


あめは、ぱちぱちと瞬きをする。


「じゃあ……」


あめの声が揺れる。


「信じてないと、ダメなの?」


サンタは、首を横に振った。


「ダメ、じゃないよ」


すぐに否定する。



「サンタが来なくなるんじゃない」


「来なくても大丈夫なぐらいあったかい思い出みたいなものを胸に残せたってことなんじゃないかな?」


静かに続ける。


「あめはサンタが私って信じてるし知ってるだろ?」


「だからずっとそばにいられる」

意地悪に目で笑って少しだけ、間を置く。



あめは、じっとサンタを見る。


「……ほんと?」


「ああ」


迷いのない声。


「ちゃんといる」


その言葉に、


あめは少しだけ安心したように笑った。


「じゃあ、まだ信じてる間はクリスマスも」


あめが悪い顔で見ている


サンタの袖を、きゅっと掴む。


「来てくれる?」


サンタは、その小さな手を見る。


そっと、握り返した。


「……ああ、プレゼントを持って来るよ」


優しく、答える。


「約束!?」


「約束だ」


あめは、ぱっと笑った。


「やった!」


その笑顔を見て、



…サンタは、ほんのわずかに目を伏せた

 


その笑顔を守りたいと、


心から強く思った…



ここまで読んでくださってありがとうございます!


今回は、サンタさんがどうしてプレゼントを配るのというお話でした。


この頃のあめは、まだ小学生。

だからこそ聞ける、まっすぐな質問を書きたかった回です。


そして次回から、時間は一気に進みます。


小さかったあめが、高校生になった先の物語へ――。


もし続きが気になったら、ブクマや感想で応援してもらえると嬉しいです!

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