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神様の寄り道

京都編、ラストです。


観光して、笑って、ちょっとだけ非日常で。でも気づけば―それも全部、いつもの延長みたいな時間でした。


今回は、そんな「寄り道」のお話。


神社って、お願いをする場所だと思ってたけど、少しだけ、見え方が変わるかもしれません。


ゆっくり読んでもらえたら嬉しいです。

「アマテラさん?!」


《天照大御神》はいつも通りの軽い表情で手を振った。


「なんでアマテラさんが京都に?


「私も近くに来てたのよ」


さらっと言う。


ミニエルの目が輝く。


「なんでわかったの!?」


「呼ばれた気がして…」


にこりと笑う。



「ミカエルちゃん久しぶり!」



「うん、久しぶりだね!アマテラさんも元気だった?」

と言うとキャワが、少しだけ目を細めた。



アマテラは、ふと窓の外を見る。


「…せっかくだし」


少しだけ間があってアマテラが言った



「寄っていきましょうか…」


「どこに?」


なおきが聞く。


アマテラは微笑んだ。


「そういう場所」



――数分後。


四人と、アマテラさんは

下鴨神社の参道を歩いていた。


木々に囲まれた空気。


街の音が、少し遠い。


玉石を踏み締める足音だけが、静かに響く。



そのとき。


「……あれ?」


ミニエルが立ち止まる。


「なんか……多くない?」


ふわり、と。


光の粒が、いつもより多く漂っていた。


エルが目を細める。


「……境目が近いわね」


「人の世界と、そうじゃない場所の…」


キャワは、何も言わずに周囲を見ていた。


その表情は、少しだけ真剣だった。


「昔から残ってる場所ってさ」


ぽつりと呟く。


「こういう感じ、あるよね」


アマテラは、ただ静かに歩く。


そして、アマテラが言った。


「なおきの周りにいる光の精霊達《上位種》になってるよ!?」


「ミニエルちゃん何かした?」


「なおきの適正!」

ミニエルが笑いながら言った


「やっぱりね!」

とアマテラ


「こわいこわい」


「わからない会話やめてー」



ーー


やがて、本殿の前。


「……」


アマテラが、足を止めた。


いつもの軽い雰囲気が、すっと消える。


ゆっくりと、手を合わせる。


――その瞬間


風が、止まった。


光が、やわらかく差し込む。


ざわついていた精霊たちが、


静かに、寄り添うように集まる。



なおきは、息をのんだ。


(……この人、やっぱり)


言葉にしなくてもわかる。


そこにいるだけで意味がある存在だった。



やがて。


アマテラは、静かに目を開けた。


ゆっくり空気が、元に戻る。



「……さて」


いつもの調子に戻る。


「行きましょうか」


「え、もう終わり!?」


ミニエルが驚く。


「いいのよ、こんな感で」


軽く言う。




木陰の中で、キャワが立ち止まった。


「こういう場所ってさ」


ぽつり。


「願う人が来るんでしょ?」


アマテラは、少しだけ考えてから頷く。


「ええ」


キャワは続ける。


「叶えてほしいこととか」


「救われたいとか」


その言葉は、どこか現実的で…少しだけ重く聞こえた。



アマテラは、やわらかく笑う。


「でもね」



少しだけ、間。



「願いって、叶えてもらうものじゃないのよ」


キャワが、わずかに顔を上げる。



「気づくために来るんだよ」


静かな声。



「自分が何を望んでるのか」


「何を大切にしたいのか」



風が、少しだけ揺れる。



「ここに来ることで」


「思い出して」


「それに、ちゃんと向き合うの」



キャワは、何も言わなかった。


でも。


ほんの少しだけ、目がやわらいだ。



なおきが、ふと周りを見る…


家族連れ。


友達同士。


一人で手を合わせる人。


それぞれが、静かに立っている。



(ああ……)


心の中で、思う。


(来ること自体に、意味があるのか)


願いが叶うかどうかじゃなくて


ここに来て


立ち止まって


少しだけ考えて


また、歩き出す


そのための場所



「…いいね、こういうの」


キャワが、小さく言った。



その声は、昨日よりずっと自然だった。


ミニエルが振り返る。


「でしょ!」


「下界、いいとこだよ!」


「やめろやめろ!代表ヅラ」

なおきが即ツッコむ


エルが、ふっと笑う!


「でも、間違ってないわね」


なんて大人ぶってカッコよく言った割に前を見ていなかったエル…池に落ちた


みんなの笑い声


「笑わないでよー」


ミニエルが、

「ふふっ!でも間違ってないわね!」

とエル真似をした


「そういうのやめてよー」


またみんなが笑う



光が、木漏れ日の中で揺れる。


精霊たちは、もう騒いでいなかった。


ただ、そこに在るように。


静かに、寄り添っていた。



アマテラが横に並ぶキャワに言った…


「もう前から気づいてるでしょ!?」


「この三人ならわかってくれてるんじゃない?心にもたれるぐらい…」


「お見通しかぁ!」

と言いながら編み込みをクルクル触りながら、にっこりいつものキャワだった…



帰り道。


なおきがぽつりと聞く。


「さっきの神社って……なんだったの?」


アマテラは少しだけ考えてから言う。


「……ただの寄り道よ」


少し歩いてから、続ける。


「でもね」


振り向かずに。


「大事な場所って、だいたいそういうものよ」


その言葉は、


不思議と、すとんと落ちた。


賑やかで、


静かで、


少しだけ特別で、、


でも、確かにいつもの延長、寄り道程度ににある時間、、


そんな日常の一日が…


ーー


ゆっくりと、過ぎていく。



「あー!もう京都旅行終わりかぁー」






ここまで読んでくれてありがとうございます!


京都編、これにて終了です!


アマテラさんの言葉、

「願いは叶えてもらうものじゃない」

ってところ、個人的にすごく好きなシーンです。


ただお願いするだけじゃなくて、

自分が何を望んでるのかに気づく場所――

そういう神社の在り方って、いいなって思って書きました。


そして何より、

最後はちゃんといつもの空気に戻るこの感じ。


特別な時間も、日常の延長にある。

それがこの作品らしさかなと思ってます。


あと少しで、このお話も終わりますが楽しんでもらえたら嬉しいです!


もしよかったらブックマーク・評価で応援してくれるとめちゃくちゃ嬉しいです!!

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