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枕が飛んで心がほどける夜

温泉のあとは――やっぱりこれ。


修学旅行でも、合宿でも、なぜか始まるあのイベント!


ただし今回は、ちょっとだけ普通じゃないメンバーでお送りします。


……まあ、ちょっとどころじゃないけど。


笑って、騒いで、そして少しだけ、心の奥に触れる夜。


そんなお話です。

「いくよー!!」


ミニエルの声と同時に。


――ボフッ!!


枕が一直線に飛んできた。


「うわっ!?」


なおきの顔面に直撃する。


「なにしてんの!?」


「枕投げ!!」


「見ればわかる!!」


エルが静かに立ち上がる。


「……いいわ」


一つ枕を手に取る。


「受けて立つ」


「なんで本気になるの!?」


キャワは少しだけ首をかしげていた。


「こういう遊びなの?」


「そう!楽しいよ!」


ミニエルが笑う。


「じゃあ、やる」


その一言


キャワまでやる気になってしまった



数秒後。


――ヒュン!!


空気を切り裂く音。


「速っ!?」


キャワの投げた枕が、もはや別物の速度で飛ぶ。


「ちょっと待って!もはや攻撃じゃん!!」


「ただ投げただけ」


「嘘でしょ!?」


エルも動く。


「甘いな!」


ひらりとかわしながら投げ返す。


その軌道がやけに正確。


ミニエルはというと。


「それそれそれー!!」


なぜか六個が同時に宙に浮いた


「増えてない!?」


「気のせい!」


「絶対増やしたよね!!」




気づけば、部屋の中は軽く戦場だった。


布団がずれ、枕が宙を舞う。


「ちょっと待って危ないから!!」


なおきが叫ぶ。


その瞬間。


――ピタッ


空気が一瞬止まる。



「大丈夫結界してるから」


エルがさらっと言う。


「外には影響出ないようにしておいた」


「中はいいの!?」


「大丈夫、たぶん」


「たぶんって言った今!?」


「やばいとしたら僕の命が…」


再開。


「いくよーー!!」


「こい!!」


「……」


ヒュン、ボフッ、ドンッ


笑い声と衝撃音。


なぜかキラキラした粒まで舞い始める。


「精霊まで参加してる!!」



…なおきはもう止めるのを諦めた。



数十分後。


「はあ……はぁ……」


全員立っているのがやっとだった…


「つかれた……」


ミニエルがごろりと転がる。


「楽しかった……」


エルも珍しく、息を乱している



「キャワ!ちょっと、片方のおっぱい出てるから…」

ミニエルが気づいた!


「そういうとこだよキャワ!こっちおいで」

エルが素早く引き寄せて、浴衣を直す。



「なおき、あっち向いてて」とエル


「え?」


「いいから!」


ぴしっとした一言


「あ、はい!」


反射的に、なおきは壁の方を向いた!


「見てない、見てないからー」



キャワは天井を見ながら言った


「…ありがとう、楽しいね」


小さく言った



なおきは笑った。


「キャワ、今日はなんかありがとう…」



「なおき、お姉ちゃん見てみ?」


「見れません…」

即答



「あはは、今日はなんか定義おかしいよね」



部屋の灯りが少し落とされる…


外は静かな夜。


虫の声がかすかに聞こえる。


四人、並んで布団に入る。


少しの沈黙。


その中で。


キャワが、ぽつりと口を開いた。


「……ありがとう」


「え?」


ミニエルが顔を向ける。


「なに急に」


「さっきも言ってたよね…」


なおきも聞き返した


キャワは、天井を見たまま言う。


「こうやって、同じ時間を過ごせるのってさぁ…」


少しだけ、間。


「当たり前じゃないじゃん!ウチら七大天使でも…」



「まあ確かに…」


とミニエルが言った



空気が、少しだけ変わる。


「それに私、ヨーロッパって地域でいつも戦争を止める仕事ばかりしてたから…」


「温かい大きなお風呂も、熱々の美味しいご飯なんて食べさせてもらったの今回初めてかも…」


「こんな可愛い浴衣まで貸してもらって…しかも、私4人で並んで寝たことなんてないもん」


なおきは、静かにその言葉を受け取った…



エルも、何も言わずに聞いている。


ミニエルが、ゆっくりと起き上がった。



「きゃわは真面目で頭固いなぁ!!今は一緒じゃんか」明るい声


「下界ってこんなところなんだよ!特に今の時代は…」


「うん」


キャワが小さく頷く。



なおきも言う。


「自分さえやろうと思えば、やれないことなんて多分ないんだよ…」


「私もそう思うよキャワ…」


「あんたどれだけうちらを信頼して打ち明けてくれてるのよ!?」


「それだって勇気でしょ」


エルの静かな肯定。


キャワも、編み込みを触りながら、ほんの少しだけ笑った。


「……うん!あんた達三人みててそう思うわ」


「キャワ、あんた今日しっかり楽しそうだったよね!そんで何回おっぱい出したんだよ」


「えっとー、2回、3回?」


「どうでもいいわ!!」


「キャワ、僕はいつでも大歓迎だぞ!」


「なおきー」


暗い中、外からの月明かりでほんのり浮かぶみんなの影はしっかり笑って見えた!




枕投げ回、いかがでしたか!


ミニエルの全力、エルの冷静ガチ参戦、キャワのただ投げただけの破壊力


そして安定の被害者、なおき。


前半はしっかり騒いで、後半は少しだけ静かに。


キャワの過去や価値観が見えて、ただの楽しい回で終わらない夜になったかなと思います。


こういう何気ない時間って、当たり前じゃないからこそ、ちゃんと残るんですよね。


四人で過ごす夜も、きっと、あとから振り返ると特別な時間になるはずです。


そして、まだ物語は続きます!


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