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京都の空気…この三人のスケール

いつもより少しだけ遠くへ。

でも、特別なことをするわけじゃなくて…


歩いて、食べて、笑って。


ただそれだけなのに、

場所が変わると見えるものも、感じるものも少し変わる。


そんな一日のお話です。


そして今回は、キャワのちょっとだけ昔の顔も、ちらっと見えるかも?


ゆるっと楽しんでください!


京都駅。


人の多さと、少し違う空気。


「着いたー!!」


ミニエルが伸びをする。


「なんか……空気違くない?」


「観光地だからかな」


なおきが答える。


エルは周囲を見渡した。


「歴史が積み重なってる場所って感じね」


キャワは、ゆっくりと一歩踏み出す。


「…うん」


「いい場所だね!凄く駅が近代的!!」



最初に向かったのは、北野天満宮。


さっきまでの人のざわめきが、少し遠くなる。


代わりに――


玉砂利を踏む音が、ざく、ざく、と静かに響いた。


道の両脇には、背の高い木々。


風に揺れる葉が、さらさらと小さな音を立てる。


どこからか、ほのかに線香みたいな香りも混ざっていた。


「静か……」


ミニエルが、少し声を落として言う。


赤い提灯が並ぶ参道。


その奥に見える社殿は、どっしりとした重みで、ただそこにあるだけで、空気をギュッと引き締めているようだった。


「ここ、学問の神様なんだよね?」


なおきが言いながら、手を合わせる。


そのすぐ横。


撫でられてつやつやになった牛の像。


「一応僕、テスト前だし」


なおきは、ついでのようにその頭を撫でた。


「今さら?」


「なおきは無理でしょ」


「うるさいなぁ」


「なおきって勉強できないの?」


キャワがダメ押し。


くすっと、笑いがこぼれる。


――そのとき。


風が、少しだけ強く吹いた。


木の葉が揺れて、光が細かく揺れる。


その隙間から、差し込む陽の光。


キャワが、ふと足を止めた。


「……ここ、昔より少し賑やかになったね」


なおきが振り向く。


「来たことあるの?」


キャワは、少しだけ遠くを見るようにして――


「……うん、たぶんね。短い間だけど…」


一瞬だけ。


ほんの一瞬だけ、懐かしそうな顔をした。


「でも私――あの頃、ヨーロッパで宗教の対立を止めてた頃かぁ…」


さらっと、とんでもないことを言う。


「スケールどうなってんの!?」


なおきが思わず突っ込む。


ミニエルとエルも、顔を見合わせて苦笑する。


けれどキャワは、もうその話を続けなかった。


ただ――


社殿の奥を、静かに見つめていた。



そのあと、あぶり餅のお店へ。


香ばしい匂いが広がる。


「これ絶対美味しいやつ!!」


ミニエルが即決。


運ばれてきた小さなお餅。


一口。


「……おいしい!!」


「やばいこれ!」


なおきも頷く。


「ほんとだ……優しい味」


エルも上品に口に運ぶ。


「甘すぎないのがいいわね」


そのとき、ミニエルが思い出したように言った。


「あ、ここらへんってさ」


「秀吉くんの場所だよね?」


「秀吉くん?!」


なおきがツッコむ。


エルが頷く。


「まあ、あの人色々あったなぁ…」


「浄土院とか、茶々にまつわる話もあるし」


ミニエルが続ける。


「そうそう!お茶出さなかったやつ!」


「あれさー、緊張で出せなかったって話だけど」


「あとで聞いたら、普通にお茶なかったらしいよ?」


「誰に聞いたの!?」


「阿弥陀如来さん」


「さっきからスケールでかいわ!」

思わず声が大きくなる。



エルがくすっと笑う。


キャワは静かにお餅を見ていた。



なおきが一瞬だけ考える…(豊臣秀吉?)の事だよね?



気づけば、空は少しずつ色を変え始めていた。


オレンジ色の光が、街をやわらかく染める。


「そろそろ旅館行く?」


「うん!」


四人は並んで歩き出す。


京都の道。


少しだけ細くて、少しだけ静かで。


所々に水路があったり、石畳でミニエルがケンケンしたりなんだかそんな風景もしっくりくる


どこか落ち着く空気…


キャワが、ふと足を止めた。


「……いい場所だねー!」


なおきが後ろを歩くキャワに振り返る。


「うん!なんかね!」


キャワは少しだけ遠くを見る。


「…こういうの好きだなぁー」


夕暮れの光の中で、その言葉だけが静かに残った。



キャワは少しだけ遠くを見る…


「……昔は、守る側だったんだよね。こういう場所」


一瞬だけ、風が止まった気がした。


「でも今は――」


少しだけ笑う。


「みんなと一緒に歩けるの、いいなって思うよ!」



京都回どうでしたか!


観光って、派手なイベントよりも

「空気」とか「雰囲気」とか、そういうのが一番印象に残ったりしますよね。


今回はそんな、なんとなく好きを大事にした回でした。


そしてキャワ。


さらっととんでもないこと言うのに、それを深く語らない感じ、結構好きです。


《守る側だった》っていう一言だけで、

いろんな過去を想像できるのも、この子の魅力かなと。


このあとも京都編、日常とちょっとした神話が混ざる感じで続いていきます!


ぜひ引き続きお付き合いください

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