間に合わなくても、届く声
今日は、少しだけ特別な日。
間に合うか分からなくても、
伝えたいことって、きっとある。
そんなみんなで走った一日の話です!!
そして、数日後、2時間目の休み時間…
相澤が引っ越す日…
神谷の机をあめ、凪、なおきで囲んだ。
「ねえ今日だよね、相澤が引っ越すの…」
珍しく、真面目な顔であめが言った。
「抜け出す?」
凪が驚く
「は?」
神谷が目を丸くした!
「ダメでしょ、授業あるし」
神谷が冷静に返す。
するとあめがニヤリと笑った。
「勉強なんかより大切なこと、あるんじゃないの?」
一瞬の沈黙。
そして――
「あはは!どう?今の青春みたいだったでしょ!言ってみたかったんだよね!」
その一言で、空気が一気に緩む。
「……行く」
「行くよ、俺」
神谷が言った
「なら、僕も!」
なおきがすぐに続く。
「ここは僕らも!でしょ?」
あめと凪も微笑む!
「後で先生に怒られるなぁー」
と凪が笑う
そうと決まればみんなスクールバックに適当に荷物を突っ込み、そうそうにみんなで飛び出した
途中遅れそうな凪の手をあめが引っ張る!
「頑張れ頑張れ!」
駅まで全力!
そして、
ちょうど来た電車に飛び乗る。
息を整えながら出口だけ確認して、無駄な会話はなし。
全員、分かってた。
…時間がないことを!
電車を降りてしばらく走ったところで、あめと凪が立ち止まった。
膝に両手をやって息を吐く…
「ごめん、ここからはもう無理だわ!神谷達、先行って!」
「二人のシナジーに期待する!!」
とあめが親指を立てる
「訳わからんけど任せろ!」
「あ!これと言ってあめが神谷に渡した」
木彫りで翼のキーホルダー
「幸運の翼だから!!なくすなよー」
神谷はありがとうと受け取る
「あめ、凪、助かったよ!お別れしてくる」
神谷がそう言ってなおきと新幹線ホームへ駆け上がった
「…シナジーって何?」
「分からん!!」
ーー
いた!!
遠くに、相澤の姿。
でも。
発車ベルが鳴る。
「間に合わない……!」
「…神谷、叫んで!!」
なおきは手をかざした。
(精霊達……お願い!!)
(神谷の声を、光に乗せて届けて!)
神谷が叫ぶ。
「ありがとう!!」
「お前と友達でよかった!!」
その声が、まっすぐに伸びた。
光に乗って、届いた。
遠くの相澤が振り向く。
顔はぼんやりとしか見えない
でも分かった。
ぐしゃぐしゃに泣いているように見えた
そして――
大きく、手を振った!!
言葉は届かない距離…
触れることもできない…
でも確かに、
想いは、届いた!
帰り道。
あめと凪が待っていたカフェ。
「おかえりー」
二人はパフェを食べながら手を振る。
「いい顔してるじゃん」
「行く前と全然違うよ、神谷」
凪が言う。
神谷は少し照れながら笑った。
「特別に、飲み物奢ってあげる」
「え、マジ!?」
「やったー!」
いつもの神谷に戻った。
でも、どこか少しだけ違った
帰り道。
みんなと別れた後…
「……いるんでしょ、キャワ」
「え、バレてた?」
「そりゃあね!あれだけ車とか歩行者いないとさすがに僕でも分かるよ」
なおきは苦笑する。
「ありがとう」
「お礼は、あの二人に言いなよ」
「うん!」
夕焼けの中。
それぞれの帰り道へ。
でもきっと――
今日のことは、ずっと消えない。
「あっ!」
「何?なおき!?」
「帰りにコロッケでも歩き食いしない!?」
「え?いいの?!」
「もちろん!!」
「やったー」
と言いながらキャワは編み込みを触った
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
間に合わなかったかもしれない。
でも、ちゃんと届いた。
そんな「距離」と「想い」のお話でした。
こういう、何気ないけど忘れられない一日って、誰にでも一つはある気がします。
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そして次…とうとうなおきとお母さんの別れの真実の回に入ります。
捨てられた子の真相…一章から明かされなかった本当の理由…
お楽しみに。




