大天使レミエル、愛のために闇に堕ちる
いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は、ミニエルとエルが天界と直接やり取りをするお話です。本来ならとても重く、緊張感のある場面……のはずなのですが。
どうしてこうなったのか。
当の2人もきっと一番理解できていません。
大天使レミエル、まさかの形で神様を追い詰めます!!
ミニエルとエルがアニメを観ていると、
《《ズズン……》》
エルとミニエルの周囲の空気が、
平等に重くなった。
それは――天界そのものの空気。
二人の表情が、一瞬で変わる。
恐怖ではない。
だが、絶対的な力に心臓を握られたような圧。
(こんなに早く、この時が来るなんて……)
分かっていた。
堕天したとはいえ、元天使。
しかも、自分は七大天使の1人…
責任があることも、理解していた。
だから怖かった。
なおきだけの、私でいたい。
なおきの魂を、守りたい。
そう願う時間すら、この空間は与えない。
「レミエルさん。お久しぶりです。お元気でしたか?」
……念話。
「はい。私は元気です。神様もお元気ですか?」
(大天使の私に、ここまでの圧……)
「神様、何か御用ですか?」
「ええ、色々ありましたが……そろそろ戻ってきていただけないかと」
(今回の神様、こういう言い方だから嫌いなのよ!!)
『おい、馬鹿にするなよ!!私を堕天させたのは貴様張本人だろ!!』
「え!? 何!?」ミニエルが焦る。
よりによって――
TVアニメはクライマックス突入!!
そして、
「リモコンがない!!」
神様「え?」
『神よ、私は闇に堕ち、魔王にすらなってもいいと思っている!!それぐらいの覚悟だ!!』
ポッカーン…
「レミエルさん!?何もそこまで思いつめなくても!!」
「え? なんで?」とエル(必死にリモコン探し中)
『まだ分からないようだな』
「いえ、私とても反省してます!本当です!!」
『このまま天界に攻め込んでもいいとすら思っている』
もはやミニエルの目が飛び出て口は半開き下顎が出てしまっている…
「な、なんと!!」
神様、焦る。
「わ、分かりました!!私が悪かったです!!」
「しばらく下界で数百年、ゆっくりしてもらって構いませんので!!」
「ちょっと神様!!」エル
(ソファの下を漁りながら…リモコンがないのよ)
『逃げるな、神よ!!』
「リモコンどこよ!!」
「ひぃーー!!この件は私の方で穏便に済ませますので!!」
「本当すみませんでした!!」
「失礼します!!」
――――静寂。
エルの顔がチンパンジーみたいに愛くるしく静止している
「……」
「……」
「私が言った事になっているのかしら…?」
エルは顔面蒼白で目うつろ、身体中の汗腺が全開…固まっている。
半泣きである。
ミニエルは目を見開きすぎて、
飛び出したまま…鼻水も出ている。
「TVなのに……!!魔王になるとか私が言った事になってない?」
「愛のために、魔王にすらなるって言ったね」
とミニエル。
「言ってないのにぃ!!」
「私、終わったわ……」とエル
「…私、終わったねー」とミニエル
「でも……しばらくこっちに居ていいって言ってたよ、神様……」
「でもさ、私が神様脅した感じ!?」
「うん」
「脅した事になったね」
「一言も喋ってないよ!?リモコン探してただけだよ!?」
「うん」
「でも、ここまで出し惜しみせずに言うと気持ちいいよね」
「私じゃないけどね…アニメだからね…弁解させてもらえるならば…」
「……もう遅いね」
「どうしよう、ミニエル……」
「諦めよ!ま、大丈夫だよ!」
「ミニエル! エル!」
キッチンからなおきが声をかける。
「ご飯もうすぐできるから、そろそろTV消して机拭いてくれない?」
「はーい……」
二人はヘトヘトな声で返事をした。
なおきは首を傾げる。
(……さっきまでめちゃくちゃ元気だったのに?)
何も知らないまま、鍋の火加減を少し弱めた。
リビングでは、
《たった今、神様を脅して変な勝ち方をした堕天使》が、静かに机を拭いていた。
「ってか、リモコンどこよ?」
数秒後、普通にソファの隙間から出てきましたとさ
今回も読んでいただきありがとうございました。
天界からの圧、神様との会話、そしてまさかの展開。ミニエル、エルとしてはただリモコンを探していただけなのですが、結果だけ見ると「神様を脅した堕天使」になってしまいました。
本人はかなりショックを受けています。
なおきは何も知りませんし…
今回も2話にわたって読んでいただいてありがとうございました!
これからも「私見えてます?」をよろしくお願いします。




