天界という場所…
いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は、ミニエルとエルが最近ハマっているアニメのお話…
少しだけ天界のことが語られる回です。
いつもの三人のゆるい空気の中で、大天使レミエルの過去や天界の仕組みも少しだけ触れています。
よろしければ、ゆっくり楽しんでいただけたら嬉しいです。そして今回この後20時20分に続きを投稿します!!
えらい事になるのでお楽しみに!!
『私とここから逃げよう。そのためなら、私は堕天使にだってなれる!!』
「そんないけません!私のために――」
――――
「ミニエル、エル。また観てるの?」
最近、二人がドハマりしているアニメ。
天使と人間が恋に落ちる、壮大な物語だ。
「なおきも観なよ!!
天使が愛する人間のために堕天使になるんだよ!!」
「……いや、それよりさ」
少し耳を押さえながら、なおきは言った。
「TVのボリューム、大きくない?」
「でもね!この魔法の剣がジリジリ言うところ、かっこよくて!」とエル。
「私は氷魔法が飛んでいく時の“シャリシャリッ”て音!!
かっこよすぎ!」とミニエル。
「なおきは?」
「は? 僕?!」
知らんがな、と思いながらも少し考える。
「……暗黒魔法が膨らむ時の“ドウン”って音かなぁ」
「分かるー!!」
ミニエルとエルは、ぴたりと声を揃えた。
なんでそこだけ意気投合するんだ。
そんな話をしながら、ふと思って僕は聞いてみた。
「天界って、実際どんなところなの?」
エルは少しだけ視線を遠くにやった。
「とにかく白くて、煌びやか。
でも広くて、無機質で……空気も音も重いの」
「優しい空気ではあるんだけどね」とミニエルが続ける。
ーー天界には、神様、七大天使、天使、精霊。
それぞれ役割を持ち、仕事についている。
ちなみに、その時のレミエルは、七大天使の一人だった。
ーー
この中で唯一、もともと人間なのが神様。
正確には、人の魂が上位に至り、神として選ばれる存在だという。
七大天使以下は、精霊の力の序列。
「天使っていうと、綺麗な女性とか美男子を想像するでしょ?」
エルはくすりと笑う。
「でも、男とか女とか、そういう概念はないの。
なろうと思えばどちらにもなれるし、区別すらない」
「本当の意味で平等な存在、って感じかな」とミニエル。
――そして。
そんな存在が、よりにもよって人間のなおきを愛した。
それが、レミエルだ。
話を戻す。
神様の指示のもと、天界は運営されている。
最も重要な仕事は“魂の循環”。
人の魂を子に宿し、
生きて、老い、肉体が限界を迎えれば、魂は天界へ戻る。
そして――癒し、慰め、愛し、力を取り戻した魂は、再び下界へ。
「簡単に言うとね」
ミニエルが指で円を描く。
「雲が生まれて、雨が降って、川になって、海に辿り着いて、
また雲になる……そんな流れ」
つまり、天界と下界は元は一つ。
全ては流れであり、システムなのだ。
「それで、魂の癒しに時間をかけたい私と、
合理的に進めたい神様が大喧嘩したの」とエル。
「会社で言うと、」
「クビね」
さらっと言った。
「なるほどねー」
「スケールが大きすぎて、
そんな凄い天使様がここにいるなんて光栄だよね、僕」
「たまには敬いなさいよ」
「敬ってもいいよ!なおき!!」
「ふふ、そんなこと言う子達にはこうだ!!」
ぐりぐりぐり。
「こめかみグリグリ!!」
地味に効く、人間のスキルである。
「きゃー!」
「やめてー!」
二人がもがくのを見て、僕は笑った。
「じゃ、今夜はお鍋にしようか?」
「やったー!!」
「お手伝いしようか?」
「材料切るだけだから大丈夫だよ。
TV観てていいから」
「ありがとう!」とエル。
「お姉ちゃん、続き観よ!」
「今回、堕天使になった主人公が、
好きな人のために神様と戦う覚悟を決めるところなんだよね!!」
……また音量大きくしてるよぉ。
やれやれ、と思いながらなおきはキッチンへ向かった。
今回も読んでいただきありがとうございました。
20時20分の回、次が大変な事になります!!
絶対次、読んでくださいね!!
これからも「私見えてます?」をよろしくお願いします。




