真名解放 -それが、あめがくれた私の名前だから-
いつも【私見えてます?】を読んでいただき、本当にありがとうございます。
今回のお話は、第1章から続いてきた様々な出来事や想いが大きく動く回となっています。
あめ。
なおき。
ミニエル。
エル。
サンタ。
今回初めての激しいバトル回でもあります。
それぞれが抱えてきたもの。
それぞれが選んだ答え。
誰かがいたから、それに気づいたから悩んだり、答えも出るんでるよね…
それが核になっています。
ここ、絶対切ってダメだと思い3話分の長めのお話になりましたが、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです!!
それでは、【真名解放 ―それが、あめがくれた私の名前だから―】
どうぞ。
「おい、またお前かー!」
ミニエルが見たことがないほど取り乱して怒っている
『キャハハ!怒った?!怒ってるの??レミエルちゃん?!』
『あれそっちにいる禍々しい闇の力を持った子もレミエルちゃんかな?』
『あれーー?おかしいなぁー?!分裂したのかなぁーー?』
『どうしてかなぁー?キャハハハハハ』
エルが闇の能力を出そうと手をかざしたその時、
「お姉ちゃんダメだよ!ごめんね、私が弱かったからあなたを闇にしちゃったんだもん!!」
「ここは私に任せて!私のケジメだから!!」
エルは黙って頷いて一歩下がった
「サンタさん?私、もう逃げないし、みんなを守るから!!そして今から禁忌を犯そうと思う」
「今度は私の番!!」
「あなたを元の天使に戻す」
「そしてあなたが大切なあめちゃん、雫さん、私が大切ななおき、そしてあなたもお姉ちゃんも全部守る!!」
「サンタさん!いいよね?」
捲し立てるように一気にミニエルが喋った!!
「レミエル、お前、ロキを倒す気か?」
「追放されても神だぞ…?」
「ごめん、私は最強の大天使レミエルだけど?!」
「そしてあなたの忘れた名前を戻す!大天使二人なら余裕でしょ」
「ちょっと!?」
「忘れてない?私だってみんなを守るんだから!!」
とエルが言う
「ごめん、ミニエル、僕も守るよ!何があっても!!そもそも禁忌って…」
となおきもさらに続ける
「堕天使が人と暮らしてる時点で禁忌でしょ
!もはや何にも怖くないよ僕」
「私も!」とあめが言った!!
「お母さんとサンタさんを絶対私守るから!」あめが言った
「毎回毎回欲しいもの無いとか言わないでよ!サンタさん本当にないの?」
雫も口を開いた!
「サンタさん…欲しいものないの?!」
「こういう時についでに言わないと言いそびれるんだからね!」雫が言って欲しそうに詰めた!!
「…本当は雫とあめと私の家を守りたい…」とサンタ
「それなら私達怖いものないじゃん!同じこと考えてるんだもん」あめも雫も泣いていた。サンタも泣いているのか目を瞑っている…
『キャハハハハハ』
『楽しすぎて黙って聞いていたよ!そんなに上手くいくと思ってるのかな?』
「ロキ、うるさい!!」
ミニエルがそう言うと
「ごめん、本当に何かあったら私が命をかけて守るからみんなでやるよ!」とミニエルが言った
「うん!やろう」
「やっちゃいなさい」
「いけー」
「お願いします」
「頼むレミエル」
「じゃ、行くよ!!
《我が名はレミエル。魂のゆくえを司る者。
天の理に従い、禁忌の封印を解除します》
するとレミエルの背後に大きな神聖な紋章が浮かび上がった…
その美しさのスケールの大きさに、あめ、雫、なおきは口が空いたままだった!
《想起せよ、暁の空を統べた光を!》
《取り戻せ、神すら恐れた双翼を!》
《その輝きは今、再び主人の元へ帰還する!》
すると、ルシファーの体が、まばゆいばかりの銀色の光に包まれていく。
「《神聖術式・真名解放》あなたにルシファーの名前を返します」
「凄く!!綺麗!!」
「サンタさん…」
「あめ、雫、ありがとう!」
「レミエルありがとう!力が戻ったよ」
「じゃ、ロキを倒そうか」ルシファーが言った!
『キャハハハハハ!たかが大天使二人に私が倒せるかなぁー』
『君らの身体と中身ズラそうか?レミエルちゃん昔精神崩壊したもんね!』
「レミエル、ロキの言葉は気にしなくていい
とルシファーが言った」
「うん!大丈夫!!ありがとう」
《聖絶の黎明》(セイゼツノレイメイ)
ルシファーが指先を天へ掲げた。
その瞬間。
夜空が深い群青へ染まる。
まるで夜明け直前の空。
次の瞬間ーー無数の光が生まれた。
それは槍。
それは杭。
それは神を討つための光。
轟音と共に、ロキへ降り注ぐ。
一本ではない。
十でも百でもない。
空を埋め尽くすほどの光の杭が、意思を持つように追尾しながら襲いかかった。
『キャハ』
ロキが笑う。
その身体が消えた。
空へ。
地へ。
横へ。
ひらり。
ふわり。
踊るように。
光の杭を紙一重でかわしていく。それでも、何本かは確かにロキの身体を貫いていた。
肩。
脇腹。
頬。
光が爆ぜる。
『いやぁー、強い強い』
ロキは笑った。
傷ついた身体を見下ろしながら。
『これ結構効いたよ?』
そして、にやりと笑う。
『でもさ』
その笑みを見た瞬間。
ルシファーの表情が変わった。
『あっ』
ロキが指を鳴らす。
『そうだ』
そして。
残酷なほど軽い声で言った。
『ルシファー君の大切なものを壊しちゃおうかなぁ』
そう言った一瞬で消えた!そう見えた!!
次の瞬間には。
ロキはあめと雫の目の前にいた。
「っ!!」
ルシファーも動く、ほぼ同時!!
二人の前へ滑り込むように立った。
だが、ロキが軽く手を振る。
ただ、それだけ…それだけなのに。
ドォォン!!
ルシファーの身体が弾き飛ばされた。
丘を削るように吹き飛び、地面を転がる。
「サンタさん!!」
雫が叫ぶ。
ロキは笑った。
『これが神の力だよー』
その手が。
あめへ伸びる。
あと数センチ…触れる!
そう思った瞬間。
「うわーーっ!!」
なおきが飛び込んだ。全力で、考えるより先に!
ロキの腕を掴んだ。
『ーーーッ!?』
ロキが絶叫した。
初めて、本気で、苦痛の声を上げた。
掴まれた腕が、ぶらりと垂れ下がる。
骨が砕けたように力を失っていた。
『お前…なんだその力』
ロキの目が見開かれる。
信じられないものを見るように。
「ナイス!!なおき君!!」
あめが叫ぶ。震える足を踏みしめながら!
ロキを睨み返した。
ロキは激怒しやられた反対の手をなおきにかざした
その時レミエルが、静かに目を閉じる。
《冠光の瞬き》(カンコウノマバタキ)
頭上に浮かぶ光の輪がーー砕けた。
音もなく、しかし確かに。
粉々に砕け散った光は、ただの破片ではない。
一つひとつが意思を持つ《刃》へと変わり、空間そのものを埋め尽くす。
逃げ場はない。
視認するよりも早く、
無数の光が、対象を《なぞる》ように通り過ぎる。
遅れて訪れるのはーー切断。
それはもはや攻撃ではない。
存在のものを光で分解する現象…
ロキは無数に傷つくがそのそばから再生する…
次第に攻撃より再生が上回る
「これを凌ぐのか…さすがは神と言ったところ…」とルシファー
そしてロキが反撃をしようミニエルに手をかざす
またなおきがロキの手を掴んだ!
ロキが絶叫する
なんだお前のその力は!!
ロキがなおきを睨みつける。
なおきは、ロキの腕を掴んだまま言った。
「……知らないよそんなの!」
少しだけ、息が荒い。
握る力が、さらに強くなる。
「守るって決めただけだ!!」
その瞬間。
ロキの腕に、じわりと《光でも闇でもない何か》が侵食した。
「っ……!!」
ロキが一歩、引く。
初めて見せた、《警戒》
その隙に、エルが一歩前に出る。
「…ミニエル」
「うん」
二人は、視線を交わす。
エルの瞳が、深く沈む。
「ここからは…私の領域」
空気が変わる。
温度が落ちる。
光が、歪む。
《奈落封界》(ナラクフウカイ)
足元から、黒い紋様が広がる。
それはただの闇じゃない。
閉じるための闇
終わらせるための檻
「ーー逃がさない」
闇が空間ごと折り畳むように収縮し、ロキを包み込む。
内側から、軋む音。
『これ…黒より綺麗だ。レミエルの光と…対になる闇か…』
ロキの声が歪む
ーー
そのとき。
空が、変わった。
風が止まる。
音が消える。
世界が、一瞬だけ《静止》した。
『そこまでにしなさい!』
声。
ただの一言。
それだけで全員の動きが止まった。
光が降りる。
柔らかくて、でも絶対的な光。
そこに立っていたのは、
「……アマテラさん?!」
ミニエルが、小さく呟く。
アマテラは、ロキを睨みつけた
「ロキ」
静かな声。
でも、逃げ場がない。
「遊びが過ぎます」
ロキは、闇の中で肩をすくめる。
『えー?ちょっとした余興じゃん!この子たち、面白いし』
アマテラの視線が、なおきへ向く。
ほんの一瞬…
でも、すべてを見透かすような目。
「……なるほど」
小さく、微笑む。
「やっぱり《そういうこと》だったんだねー」
なおきが眉をひそめる。
「……何が?」
アマテラは答えない。
代わりに、ロキへ言った。
「引きなさい」
「これ以上は、干渉過多です」
ロキが、ため息をつく。
『正義の味方のつもり?』
『正義なんてさ、最初から救うためにあるんじゃない。裁きたい誰かを、気持ちよく断罪するための仕組みだよ。ほら、君も嬉しそうに振りかざしてるだろ?…キャハハハハ』
「キャハハ、って楽しそうね。でもね、ロキ?!救われた側の気持ち、あなた見たことある?」
「私、あなたを消すのに正義を振りかざすつもりはないけど!?」
『……はぁ、つまんないの』
『ま、いいや』
『今日はここまでにしとくよ』
闇の中で、ひらりと手を振る。
『また遊ぼうね、なおき君』
その言葉と同時にーーロキの気配が、消えた。
静寂。
張り詰めていた空気が、ゆっくりほどける。
エルの闇が、消える。
ミニエルが息を吐く。
「あー…疲れた……」
ルシファーが、なおきを見る。
「……今の力」
「自覚はあるか?」
なおきは首を振る。
「ないです…」
少しだけ間を置いて、
「でもーー」
ミニエルとエル、そしてあめと、雫を見る。
「これで守れるなら、それでいいです僕は」
アマテラが、ふっと笑って言った
「うん!」
「なおきはそれでいい」
そして、
雫と、あめに視線を向ける。
「あなたたちも」
「もう分かっているはずですね」
雫が、サンタ…の手を取る。
あめも、反対側から掴む。
「……離れないよ」
あめが言う。
「絶対に」
ルシファーは、目を閉じた。
そして、静かに、頷いた。
家族は、壊れるものじゃない。
選ぶものだ。
守るものだ。
そして抗うものだ…
静寂の中。
アマテラは、ゆっくりとレミエルを見た。
「…禁忌を破っちゃったね」
その一言で、空気が張り詰める。
ミニエルが一瞬だけ息を呑む。
エルも、黙って前に出ようとする。
だが、
ミニエルは、腕を横に出してエルを静止させた…
「うん!でもまったく後悔してないよ!!」
ミニエルは真っ直ぐ笑いながら答える。
その言葉に、ルシファーがわずかに目を細めた。
少しの沈黙。
そして、
アマテラは、ふっと笑った。
「でしょうね!」
空気が、やわらぐ。
「……今回の件」
「こちらも、すべて把握してるのよ」
その言葉に、ミニエルが顔を上げる。
「え?」
「ロキの介入」
「ルシファーの状態」
「そして、あなたの判断」
アマテラは、まっすぐミニエルを見る。
「もし、ミニエルちゃんが動かなければ」
「私は、ミニエルちゃん、エルちゃんに即座に天界へ帰還命令を出してた」
「……え?」
ルシファーが小さく呟く。
「それって……つまり」
アマテラは微笑む。
「ミニエルちゃんをはじめ、あなた達全員、私と天界の神の選択の正解を選んだということ」
ミニエルの目に、光が戻る。
「じゃあ…!」
「ええ」
アマテラは頷いた。
「今回の件、もちろん不問とします!」
その場の空気が、一気に緩んだ。
あめが、ほっと息を漏らす。
雫も、涙をこぼしながら笑っていた。
「……ただし」
その一言で、再び空気が締まる。
アマテラの声は、静かで優しい。
でも、いつも通りこの人の言葉の一つ一つに逃げ場はない。
「責任は、伴います」
ミニエルが、姿勢を正す。
「はい」
「ミニエルちゃん」
「エルちゃん」
「ルシファーさん」
三人の名を、はっきりと呼ぶ。
「あなたたちには…」
少しだけ間を置いて。
「下界での観測と保護を命じます」
「期間に関しては天界の神様の意向もあり……」
「100年とします」
あめが、ぱっと顔を上げる。
「100年……!」
アマテラは続けた。
「なお、あなた達三人の下界での実体維持を許可します」
「え?」
ミニエルとエルが目を丸くする。
アマテラは肩をすくめた。
「二人が見えないままではなおきの生活も大変しょう?」
ルシファーが小さく笑う。
「ははっ、確かにな」
「ただし」
アマテラが人差し指を立てる。
「頭の上の天使の輪と翼は禁止ね」
「そこなんだ!?」
ミニエルが思わず叫んだ。
エルも頷く。「あはは、確かに…」
アマテラは真面目な顔で続ける。
「普段は人の姿で過ごしなさい」
「翼は霊的なもの。必要な時だけ顕現すればいい」
「下界で人の時間に寄り添うなら、人として歩むことも大切です」
ルシファーは、自らの銀翼を見上げた。
そして静かに笑う。
「……なるほど」
「悪くない」
あめと雫がルシファーにしがみついた!
ミニエルとエルも顔を見合わせ、ふっと息を吐く。
そしてなおきと三人、目を合わせた!
「はい」
「喜んで、お受けします」
そのとき。
アマテラが、少しだけ笑って言った
「ああ、いいなぁー、本当は私がそれしたいんだけどなぁー」
場の空気が、一気に緩む。
ミニエルが吹き出す。
「なにそれ!」
「でもいつでも泊まりに来ていいって言ってるでしょ!」
「ありがとう!」
と、にっこりアマテラは肩をすくめた。
「ちゃんとね、愛する者のために、尽くしてください」
その言葉に。
ルシファーは、静かに目を閉じた。
そして、
雫と、あめの手を改めて握り返した
「……ああ」
「もう、絶対に離れない」
あめが、笑った。
涙を拭きながら。
「じゃあさ」
「これからも、サンタさんでいてね」
ルシファーは、一瞬だけハッとしてそして、優しく笑った。
「……ああ」
「それが、あめがくれた私の名前だからな」
風が吹く。
やさしい風。
それはもう、
どこにも行かない風だった。
天界ーー
静かな光の中。
「……本当に、よろしかったのですか?」
ミカエルが、わずかに眉を寄せる。
「すべてを、あの方に任せて」
神は、ふっと笑った。
「ええ」
「一番、ああいう結末が好きな方ですから」
「それにーー」
少しだけ、間を置く。
「今回は、正しく選んだ者たちの物語ですので!」
「私の出る幕はありませんよ…」
ミカエルは、小さく息を吐いた。
「はい」
神は、くるりと背を向ける。
「とはいえ」
「放っておくには、少し賑や過ぎませんか?」
その言葉に、
ミカエルの目が少しだけ輝いた。
「…では!?」
「近くでの観測を?」
神は、肩越しに振り返る。
ほんの少し、楽しそうに。
「任せますよ」
「……はいっ!やったぁ!」
「コホン、失礼しました!!」
思わず声が弾む。
神は、くすっと笑った。
「ほどほどに、ですよ?」
光が、やわらかく揺れる。
遠くーー
下界の小さなマンションの部屋にまた暖かい風が吹いた。
ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。
第1章の「私見えてます?」から始まった物語。
見えない誰かと出会い、
少しずつ家族になり、
友達になり、
大切な人になっていった物語。
気がつけば、あめ達もこんなに賑やかになりました。
正直なところ、私自身もここまでたくさんの方に読んでいただけるとは思っていませんでしたw
ブックマーク、評価、感想、SNSでの応援。
その一つひとつに何度も励まされながら、ここまで書き続けることができました。
本当にありがとうございます。
ですが、まだ終わりではありません。
次回はいよいよ最終話。
神も魔王も大天使も出てきましたが、最後はこの作品らしく。
笑って。
騒いで。
ちょっとくだらなくて。
でも温かい。
そんな「私見えてます?」らしいエンディングをお届けできればと思っています。
最後まで、あめ達の日常を見届けていただけたら嬉しいです。
それではまた、明日の20時10分、【最終話】でお会いしましょう。




